「久しぶりだなぁ、榎本っちゃん!元気だった?」
芹沢のこの台詞、多くの視聴者が共感したはずだ。
懐かしさもあったが、榎本に対する疑惑もあり、逢う早々、かなり露骨に疑問をぶつける。(榎本には青砥が先に再会を果たしていたが、素直に再会を喜んでいたが、それでも疑念があるらしく、榎本の防犯ショップを泥棒のたまり場じゃないのという言葉を投げかけていた)
これが、期待通りのループ会話しかも、ブツ切り暗転。
「御無沙汰だよ~!今までどこ行ってたんだよ~、おい」
「世界一周旅行です。古い鍵を集めていました」
「世界一周?そらまた優雅だね~そんな金どこにあったんだい?」
「貯金です」
「………まぁ、いっか。…で、その世界一周とやらからいつ戻ってきたんだい?」
「半年前です」
「なんだよ~お前、それなら連絡ぐらいくれても良かったじゃないか」
「榎本さんがいない方が、仕事がはかどるって言ってたじゃないですか」(青砥)
「そりゃ寂しいとか、そういうこと言ってるわけじゃあないの!ね。
ほらぁ~あんなふうにさ、いきなり消えちゃって、それっきりってのはないだろう?」
「ご心配おかけしてすいません」
「で、今何やってんだよ?」
「防犯ショップを経営しています」
「防犯ショップ?そんな金どこにあったんだよ?」
「貯金です」
「貯金ってどうやって貯めたの?」
「一生懸命貯めました」
「あぁ…まぁ、こういう言い方しちゃうと何なんだけどさぁ、
前の会社の給料だけで~何ヶ月もかけて世界一周旅行して、店を開くってのはちょっと無理があんじゃないのかな~」
「そうですか」
「そうだよぉ………………………………………………
………………………………お前、ホントはその金さ~」
「貯金です」
「だから、どうやって貯めたんだよ?」
「一生懸命貯めました」
「世界ぐる~~~~っと回ってさぁ」
「貯金です」
「ショップってのは、まさかオーナー社長じゃないよな?」
「一生懸命貯めました」
「はぁ~っ、だから、どうやって貯めたんだよ!」
「貯き…」(暗転)
さらに、ドラマ中盤で
「密室は、破れました」
「よくやった榎本。教えてくれ、平松はどうやって密室を作ったんだ?」
「それは……明日お話しします」
「……………………………………………出たよ…出ちまったよ、俺が一番嫌いなやつが。
なんで明日なんだよ。今言えよ!すぐ言えよ!ここで言」…(暗転)
いやもう、絶妙の間!
これらを、再視聴で来て、ほとんどの視聴者が満足しちゃうのではないだろうか?
それと、相変わらず、お茶目でお調子者で自分勝手な芹沢にも満足。
伯父の美術品寄贈を取りやめるのが難しいという芹沢の言葉に、「どうして?」と不満げに尋ねる郁子を執拗に疑う。この郁子「どうして?」の露骨に不満を表す台詞……必要以上に押しが強く、それに、まんまと嵌ってしまった芹沢の道化ぶりが楽しい。
階段から突き落とされ脅迫にビビり、事件解決に必死になる。
「榎本頼む!親友のピンチだ。俺を助けてやってくれ」って(笑)
そして、身が安全だと思うと、事件に興味を失う変わり身の早さも健在だった。
密室について、簡単な感想を……
Ⅰ密室活人(掃除魔事件)
これについては、なくてもいいように感じたが、「榎本登場」と「榎本の個性や能力の紹介」のためと考えることができる。
ただ、犯人の管理人はかなりの常習犯らしいので、その彼が、あちこちに指紋を残すとは考えにくい。
あと、榎本に今後降りかかるであろう殺人容疑を晴らしてほしいと懇願する際の台詞が、棒読みふうだったのが気になった。
Ⅱ証券会社会長、殺人事件
紐を使って鍵をかけていく作業で、細工した抜け穴を移動させていく……細工に3時間…うまくいくかは疑問だが、その根気強さに免じて「可能なトリック」と考えてあげたい。でも、目撃される危険性、3時間もアリバイ無しの時間が生じ、リスクも大きい。
ところで、この会長を殺人した平松を殺して、偽の遺書を作成した稲葉だが、「紐を使い密室を作って逃げた」と表現していた。ということは、稲葉もこの密室のトリックを見破っていたのだろうか。それとも、当てずっぽうが、偶然、トリックと一致した?
遺書の内容の矛盾点を突き、遺書が偽物であると断定した推理は、説得力があった。
トリック解明の際、「会長のゴルフクラブに残っていたはずの指紋は郁子のモノだった」と言われた時の、彼女の慌てぶりは、場を盛り上げた。
Ⅲトリックアート迷路密室
ホロウマスク錯視と偏光レンズ(フィルム)を利用したトリックは面白かった。
ただ、迷路アートのや館長質への廊下を模型を使って密室状況を説明してくれたが、それでもトリックが分かりにくかった。
やはり、(私だけかもしれないが)現場の状況やブレーカーが落ちたり、カーテンの開け閉め時間の推移が完全に把握してできなかったので、単独としては面白いトリックだが、ふたつが組み合わされると、複雑になってしまう。
ホロウマスク錯視が面白いので、こちらだけに絞った方が分かりやすくて面白かったのではないだろうか。
ただ、偏光レンズトリックがないと、物的証拠を得られないので必要だったとも考えられる(ホロウマスクのトリックを見破っただけでは、犯行が可能なことが言えただけで、犯行を立証はできない)。
その他の気になる点は……
CMが多く細切れになってしまっていたことと、ダイジェストシーンやCMの前後で重複するシーンが多かったこと。無理やり2時間30分番組にしたかったのか?それとも、予定したシーンが撮れなかったのか、放送できなくなってしまったのか……
番組冒頭の、連ドラ時の復習は嬉しかった。芹沢の推理小説が嫌いだという叫びも聞けたし。「今言えよ、すぐ言えよ、ここで…」も。
【ストーリー】番組サイトより
榎本径(大野智)が姿を消してから半年、芹沢豪(佐藤浩市)と青砥純子(戸田恵梨香)は、通常の弁護士業務をこなしていた。
そんな折、芹沢が相談依頼を受けていた証券会社会長の藤林(黒部進)が撲殺されるという事件が起こる。しかも、藤林の姪の郁子(黒木瞳)とともに遺体を発見したのは芹沢だった。
刑事の鴻野(宇梶剛士)から藤林との関係を聞かれた芹沢は、藤林の亡くなった妻の10億円相当の絵画コレクションを美術館に寄贈する話を仲介していた、と明かす。
およそ1ヵ月後、弁護士事務所に高齢の朝妻(ト字たかお)がマンションの管理人の小檜山(岡田義徳)に付き添われてやってくる。応対した純子に朝妻は、心臓発作で倒れたときに自分を助けてくれた命の恩人を探してほしい、と訴える。朝妻を助けた人物は、朝倉が倒れていた自室まで来て応急措置を施し、119番通報をしたまま姿を消したのだという。
同じ頃、芹沢は郁子に会っていた。藤林を殺害した犯人は捕まっていないが、寄贈についての話を進めたい、という芹沢に郁子は寄贈を中止してほしいと頼む。事件の前日に、藤林が寄贈を中止したいと話していた、と郁子は証言する。
別の日、純子は朝妻のマンションの住民から聞き込みをしていた。そんなところへ、小檜山に連れられて男がやって来る――榎本だった。純子は、新しい防犯カメラを設置するために呼ばれたという榎本を朝妻の部屋に連れて行く。
その後、芹沢は郁子を寄贈先の美術館館長の平松(佐野史郎)と面会させる。寄贈中止、との言葉を聞いた瞬間、平松の表情が鋭くなった。その頃、館内にいた榎本と純子は、企画展のために作品を制作中だという有名アーティストの稲葉透(藤木直人)に会う。稲葉が制作した遊園地のミラーハウスを模した迷路と、そこにはめ込まれた巨大なオブジェ。その前に立った榎本は…。
芹沢のこの台詞、多くの視聴者が共感したはずだ。
懐かしさもあったが、榎本に対する疑惑もあり、逢う早々、かなり露骨に疑問をぶつける。(榎本には青砥が先に再会を果たしていたが、素直に再会を喜んでいたが、それでも疑念があるらしく、榎本の防犯ショップを泥棒のたまり場じゃないのという言葉を投げかけていた)
これが、期待通りのループ会話しかも、ブツ切り暗転。
「御無沙汰だよ~!今までどこ行ってたんだよ~、おい」
「世界一周旅行です。古い鍵を集めていました」
「世界一周?そらまた優雅だね~そんな金どこにあったんだい?」
「貯金です」
「………まぁ、いっか。…で、その世界一周とやらからいつ戻ってきたんだい?」
「半年前です」
「なんだよ~お前、それなら連絡ぐらいくれても良かったじゃないか」
「榎本さんがいない方が、仕事がはかどるって言ってたじゃないですか」(青砥)
「そりゃ寂しいとか、そういうこと言ってるわけじゃあないの!ね。
ほらぁ~あんなふうにさ、いきなり消えちゃって、それっきりってのはないだろう?」
「ご心配おかけしてすいません」
「で、今何やってんだよ?」
「防犯ショップを経営しています」
「防犯ショップ?そんな金どこにあったんだよ?」
「貯金です」
「貯金ってどうやって貯めたの?」
「一生懸命貯めました」
「あぁ…まぁ、こういう言い方しちゃうと何なんだけどさぁ、
前の会社の給料だけで~何ヶ月もかけて世界一周旅行して、店を開くってのはちょっと無理があんじゃないのかな~」
「そうですか」
「そうだよぉ………………………………………………
………………………………お前、ホントはその金さ~」
「貯金です」
「だから、どうやって貯めたんだよ?」
「一生懸命貯めました」
「世界ぐる~~~~っと回ってさぁ」
「貯金です」
「ショップってのは、まさかオーナー社長じゃないよな?」
「一生懸命貯めました」
「はぁ~っ、だから、どうやって貯めたんだよ!」
「貯き…」(暗転)
さらに、ドラマ中盤で
「密室は、破れました」
「よくやった榎本。教えてくれ、平松はどうやって密室を作ったんだ?」
「それは……明日お話しします」
「……………………………………………出たよ…出ちまったよ、俺が一番嫌いなやつが。
なんで明日なんだよ。今言えよ!すぐ言えよ!ここで言」…(暗転)
いやもう、絶妙の間!
これらを、再視聴で来て、ほとんどの視聴者が満足しちゃうのではないだろうか?
それと、相変わらず、お茶目でお調子者で自分勝手な芹沢にも満足。
伯父の美術品寄贈を取りやめるのが難しいという芹沢の言葉に、「どうして?」と不満げに尋ねる郁子を執拗に疑う。この郁子「どうして?」の露骨に不満を表す台詞……必要以上に押しが強く、それに、まんまと嵌ってしまった芹沢の道化ぶりが楽しい。
階段から突き落とされ脅迫にビビり、事件解決に必死になる。
「榎本頼む!親友のピンチだ。俺を助けてやってくれ」って(笑)
そして、身が安全だと思うと、事件に興味を失う変わり身の早さも健在だった。
密室について、簡単な感想を……
Ⅰ密室活人(掃除魔事件)
これについては、なくてもいいように感じたが、「榎本登場」と「榎本の個性や能力の紹介」のためと考えることができる。
ただ、犯人の管理人はかなりの常習犯らしいので、その彼が、あちこちに指紋を残すとは考えにくい。
あと、榎本に今後降りかかるであろう殺人容疑を晴らしてほしいと懇願する際の台詞が、棒読みふうだったのが気になった。
Ⅱ証券会社会長、殺人事件
紐を使って鍵をかけていく作業で、細工した抜け穴を移動させていく……細工に3時間…うまくいくかは疑問だが、その根気強さに免じて「可能なトリック」と考えてあげたい。でも、目撃される危険性、3時間もアリバイ無しの時間が生じ、リスクも大きい。
ところで、この会長を殺人した平松を殺して、偽の遺書を作成した稲葉だが、「紐を使い密室を作って逃げた」と表現していた。ということは、稲葉もこの密室のトリックを見破っていたのだろうか。それとも、当てずっぽうが、偶然、トリックと一致した?
遺書の内容の矛盾点を突き、遺書が偽物であると断定した推理は、説得力があった。
トリック解明の際、「会長のゴルフクラブに残っていたはずの指紋は郁子のモノだった」と言われた時の、彼女の慌てぶりは、場を盛り上げた。
Ⅲトリックアート迷路密室
ホロウマスク錯視と偏光レンズ(フィルム)を利用したトリックは面白かった。
ただ、迷路アートのや館長質への廊下を模型を使って密室状況を説明してくれたが、それでもトリックが分かりにくかった。
やはり、(私だけかもしれないが)現場の状況やブレーカーが落ちたり、カーテンの開け閉め時間の推移が完全に把握してできなかったので、単独としては面白いトリックだが、ふたつが組み合わされると、複雑になってしまう。
ホロウマスク錯視が面白いので、こちらだけに絞った方が分かりやすくて面白かったのではないだろうか。
ただ、偏光レンズトリックがないと、物的証拠を得られないので必要だったとも考えられる(ホロウマスクのトリックを見破っただけでは、犯行が可能なことが言えただけで、犯行を立証はできない)。
その他の気になる点は……
CMが多く細切れになってしまっていたことと、ダイジェストシーンやCMの前後で重複するシーンが多かったこと。無理やり2時間30分番組にしたかったのか?それとも、予定したシーンが撮れなかったのか、放送できなくなってしまったのか……
番組冒頭の、連ドラ時の復習は嬉しかった。芹沢の推理小説が嫌いだという叫びも聞けたし。「今言えよ、すぐ言えよ、ここで…」も。
【ストーリー】番組サイトより
榎本径(大野智)が姿を消してから半年、芹沢豪(佐藤浩市)と青砥純子(戸田恵梨香)は、通常の弁護士業務をこなしていた。
そんな折、芹沢が相談依頼を受けていた証券会社会長の藤林(黒部進)が撲殺されるという事件が起こる。しかも、藤林の姪の郁子(黒木瞳)とともに遺体を発見したのは芹沢だった。
刑事の鴻野(宇梶剛士)から藤林との関係を聞かれた芹沢は、藤林の亡くなった妻の10億円相当の絵画コレクションを美術館に寄贈する話を仲介していた、と明かす。
およそ1ヵ月後、弁護士事務所に高齢の朝妻(ト字たかお)がマンションの管理人の小檜山(岡田義徳)に付き添われてやってくる。応対した純子に朝妻は、心臓発作で倒れたときに自分を助けてくれた命の恩人を探してほしい、と訴える。朝妻を助けた人物は、朝倉が倒れていた自室まで来て応急措置を施し、119番通報をしたまま姿を消したのだという。
同じ頃、芹沢は郁子に会っていた。藤林を殺害した犯人は捕まっていないが、寄贈についての話を進めたい、という芹沢に郁子は寄贈を中止してほしいと頼む。事件の前日に、藤林が寄贈を中止したいと話していた、と郁子は証言する。
別の日、純子は朝妻のマンションの住民から聞き込みをしていた。そんなところへ、小檜山に連れられて男がやって来る――榎本だった。純子は、新しい防犯カメラを設置するために呼ばれたという榎本を朝妻の部屋に連れて行く。
その後、芹沢は郁子を寄贈先の美術館館長の平松(佐野史郎)と面会させる。寄贈中止、との言葉を聞いた瞬間、平松の表情が鋭くなった。その頃、館内にいた榎本と純子は、企画展のために作品を制作中だという有名アーティストの稲葉透(藤木直人)に会う。稲葉が制作した遊園地のミラーハウスを模した迷路と、そこにはめ込まれた巨大なオブジェ。その前に立った榎本は…。