英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『空飛ぶ広報室』 第10話「君の隣で見えた景色」

2013-06-18 16:45:06 | ドラマ・映画
空井の思いを託したブルーインパルスの企画
空井とリカの再会
室長・鷺坂の退官

ブルーインパルスに乗ることができなかった空井がその思いを乗り越えて機体に向かって歩を踏み出すシーン、鷺坂の送別会でのリカが編集したDVDのシーン、ブルーインパルスの編隊飛行、鷺坂退官時の敬礼シーンなど、重い出来事が満載だったが、私が不感症なのか、感動はそれほど深くなかった。

原因1、盛り込み過ぎ
 順当にシーンが流れて行ったという印象。1時間では盛り込み過ぎ。これは、最終回の慟哭を考慮してのドラマ構成によるものかもしれない。(このことが、下記の他の要因を招いている)

原因2、空井とリカが距離を置いている決断やその経過が薄い
 帝都テレビの報道番組で航空自衛隊のPVがねつ造したのように批判された件がもとで、リカが空幕担当から外された前話の最後から、今回、いきなり半年が経過してしまった。
 前話で、リカの局内で「空自の隊員との男女の仲ゆえの抗議」という風評、また、リカ自身も空自寄りの視点を持っていたことへの戒め、空幕広報室の隊員の思いを踏みにじることになってしまったリカの無念さ、そういうリカの立場や想いを知った空井の気持ちなどによって、空井とリカが距離を置いているというのは、今までの積み重ねで理解できる。
 今回、そういう思いを語るとくどくなると考えたのかもしれないが、二人の現況や現在の想いがさり気なく表現するに留めている。
 ふたりの立場や状況がこじれてしまったが、二人の気持ちはこじれておらず、さらに深まったと思えるのに、そういう気持ちをうやむやにして距離を置いていることに、私としては何かすっきりしない。たとえば、二人が「今は自分の仕事をしっかり務め、自分を高めていくことが先決。そして、いつか二人で同じ景色を観よう」と誓い合うなどのシーンが欲しい。

 藤枝アナや後輩の珠輝と飲んでいるシーンで
「恋は当分いい」という当分はどのくらいかという問いに対して
「空を見ても何も思わなくなるくらい」

とリカは答えたが、この真意がよく分からない。これだと、空幕や空井のことをあきらめようとしているように思える。

 今回、たまたまキリーのブルーインパルスの企画が持ち上がって2人が再会を果たすが、もしこの企画がなかったら、2人は離れたままだったのだろうか?
 それに、企画が立ちあがった段階で空井はリカに知らせるのが流れではないのだろうか?


原因3、総集編的味が濃かった
 送別会のシーン(片山のボケ振り)は面白かったが(他局の『ガリレオ』の効果音楽を使っちゃっていいの?)、リカが編集した空幕広報室のDVDはシーンを振り返るだけのものだったし、広報室でのリカを語るシーンも、過去シーンを振り返る目的のように感じた。

原因4、ブルーインパルスの編隊飛行を、ふたりが並んで観ているシーンで終わった方が良かった
 素晴らしいアクロバット飛行。それを二人で見つめながら、
「空井さんの夢が、たくさんの人に伝わりますね」
「はい。もうあの空には居られないけど、
 広報は飛ばすことができる、この景色を 世間の風に

「ありがとう、来てくれて。
 稲葉さんと一緒に見られて、ほんとに、ほんとによかった」
「私も空井さんの隣で見られて、よかった」


 このシーン(この会話)で終わった方が、すっきりしていた。
 「原因3」の総集編的意味合いが今回あったとして、このシーンで終われば、それは空井とリカのストーリーに対してのものとなる。しかし、今回の最後に鷺坂の退官シーンを持ってきたので、鷺坂主体の回想シーンとなってしまった。
 それに、せっかくのアクロバット飛行が、鷺坂の退官でやや霞んでしまったのも残念だ。


 と、今回、ケチばかりつけてしまったが、それぞれのシーンは良かったし、第10話全体で見ても面白かった。

アクロバット飛行について
 あのハートマークを射抜くような飛行は、『空飛ぶ広報室』のための業かと思ったら、もともとある「バーティカルキューピッド」という名のプログラム・アクロバット飛行だそうです。
 生半可の外来語知識だと「ハーティカルキューピッド」と言いたくなりますが、「バーティカル」は「垂直の」という意味。また、ウィキペディアによると、「キューピッド (Cupid) は、ローマ神話の神クピードー (Cupido) の英語読み。しばしばキューピットとも表記される」とのこと。俗に言うキューピットがハートを垂直に射抜く様子を表した名前だと推察。
 星型の軌跡を描いた飛行は「スタークロス」と言って、一番人気のあるアクロバット飛行だそうです。
 私が好きなのは、2機が絡み合う「コークスクリュー」。すごいと思ったのは、「ダイヤモンド・テイクオフ」。あの4機の密集度がすごい。それと、2機が逆方向からぎりぎりですれ違う飛行もすごいです。(「すごい」の連発ですね)


【ストーリー】番組サイトより
2011年2月 ――
リカ (新垣結衣) が空自担当を外れて半年が過ぎた。リカは今まで以上にガツガツと新企画の立ち上げなど仕事に打ち込み、空幕広報室のメンバーもそれぞれ頑張って仕事をしていた。

ある日、芸能事務所に企画の売り込みに行った 空井 (綾野剛) は、以前ドラマの撮影で出会った人気俳優・キリー (桐谷健太) と再会する。ドラマの撮影がきっかけで空自の大ファンになったというキリーから、ブルーインパルスに乗せてもらいたいと言われる。早速、鷺坂室長 (柴田恭兵) はじめ広報室メンバーが動き出した。一方で、リカは 阿久津 (生瀬勝久) から鷺坂が3月に退官することを知らされる…。

いよいよキリーが松島基地でブルーインパルスに乗る日がやってくる。そこには、鷺坂が… さらには、リカの姿も… !?

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4 コメント

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もうすぐ終わるって (将棋を知らない母)
2013-06-19 21:28:06
もうすぐ終わるって感じでしたね~
残念だけど楽しみです(*´∀`*)

片山のボケぶり、面白かったですが・・・いつのまに付き合ってたの??と母もボケてました(´ω`;)j
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柚木と槙 ()
2013-06-20 15:48:04
将棋を知らない母さん、こんにちは。

 柚木と槙の仲ですが、リカと柚木が飲んでいるとき、柚木と槙が同じ物(何だったか忘れました)を持っているのに気づき、問い詰めたら「恥ずかしくて、言えな~い」とのろけていたシーンがありました。
 もう少し、おっさん振りした柚木がうろたえるシーンが見たかったですね。
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十文字 (せろり)
2013-06-23 01:28:10
バーティカルキューピッドの解説、ありがとうございます。
「垂直に」というのがあったせいか、去来の句を連想してしまいました。
ちょうど今頃の句でしょうか

郭公なくや雲雀と十文字

ホトトギスの鳴き声を水平に、ヒバリのを垂直に捉えて、十文字をなしているという句なのだそうです。

なぁんて、関係ないことをいいました。

明日で終わりなんて淋しいです。

待ちきれなくて、本屋さんで最後の短編部分を立ち読みしてしまいました。
目頭があつくなって、思わず目元を押さえてしまったのですが、立ち読みしながら涙ぐんでるオバさんって、どう思われたんだろう?恥ずかしい。

全然、話は違いますが、私は少し前に出ていた防衛省マスコット「ピクルス王子・パセリちゃん」のストラップを持ってます。紐の部分が革でマスコットが銀色です。絶対どこかにあるはずなのですで、探しているのですがまだ見つかりません。どこ、やったのかなぁ。

返信する
素晴らしい感性 ()
2013-06-23 09:41:17
せろりさん、こんにちは。

>郭公なくや雲雀と十文字

>ホトトギスの鳴き声を水平に、ヒバリのを垂直に捉えて、十文字をなしているという句なのだそうです。

 なるほど、鳥の鳴き声の方向性は考えたことがなかったです。言われてみれば、そんな気がします。鳴き声を水平と垂直で「十文字」と捉えるとは、素晴らしい感性ですね。
 去来の師である芭蕉も
「ほととぎす声横たふや水の上」
と、ほととぎすの鳴き声を水平と捉えていますね。
 ちなみに、「ほととぎす」と「かっこう」は似ています(種的にも近い)が、別の鳥です。しかし、過去には「ほととぎす」を「郭公」と表記していたこともあったようです。

>私は少し前に出ていた防衛省マスコット「ピクルス王子・パセリちゃん」のストラップを持ってます。紐の部分が革でマスコットが銀色です。絶対どこかにあるはずなのですで、探しているのですがまだ見つかりません。どこ、やったのかなぁ。

 見つかるといいですね。
 少なくとも、私の家にはないようです(笑)
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