英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

方向性が違うのではないか? ……日大アメフト薬物事件の大学理事会、第三者委員会

2023-11-01 14:42:44 | 時事
昨日、日大アメフト薬物事件の第三者委員会の会見が開かれた。
 少し前に、《部内に薬物が蔓延している》ことが明らかになったが、私はその頃は他にイロイロ興味が向いており(スポーツや将棋などだと思う)、アメフト部については聞き流していた。
 その後、日大理事会の隠ぺい云々……《沢田副学長の隠ぺい疑惑》《副学長は学長に報告したが、林理事長への報告はかなり後だった》《理事長が副学長に早く退任するよう勧めた》《理事会の警察への報告も遅かった》……などに報道の関心が向けられ、私もそれらの報道を小耳にはさんだ。
 私としては、理事会の隠ぺい云々についても気になるが、前の事件後、林真理子氏が理事長に就任した後、《薬物使用など部の退廃に対する予防措置を執ったのか》が知りたかった。(私の興味が薄かった時期に、いろいろ報道されていたのかもしれません)

 しかし、この第三者委員会は、《理事会が薬物蔓延情報を掴んだ後の、理事会の対応が適切だったかの検証》が設置の目的のようだ。
 まあ、それならそれでいいが、この第三者委員会の会見に関する報道や記事について、方向違いを多々感じた。

 第三者委員会がどういうモノなのか知りたかったので、大学が公表した
『日本大学アメリカンフットボール部薬物事件対応に係る第三者委員会』の報告書の「当委員会設置の経緯」を読んでみると
(日大理事会の決議によって)「アメフト部員による薬物事件に係る本法人内部の情報伝達、法人としての判断や対応等における問題点およびそれが生じた原因や背景の検証を委嘱した」とある。

 (この報告書の内容は膨大で、『要約』だけでも25枚に及ぶ。なので、以下の記事は、報道やネットの記事を参考にするにとどめています。ご了解ください)
以下は『讀賣新聞オンライン』の「日大アメフト部違法薬物、第三者委が調査報告…「空白の12日間」が信用失墜の最大の原因」の記事によると
 《昨年10月以降、アメフト部内での大麻使用の情報があったにもかかわらず、同部は組織的な対応をせず、日大上層部にも報告していなかった。綿引委員長は「基本的な判断基準の誤りがあった。この時点でもう少し早い対応があれば、本日のような事態は回避できた」との見方を示した》(←引用)
 おそらく、その通りなのであろう。ただし…
《元検事の沢田康広副学長が、アメフト部の寮を調査し、植物片を発見してから、警視庁に連絡するまでの「空白の12日間」について、「社会から日大の 隠蔽体質を疑わせ、その信用を著しく失墜させた最大の原因だったと考えている」と厳しく指摘した》
 この「社会から日大の 隠蔽体質を疑わせ、その信用を著しく失墜させた最大の原因」という言葉は、いったい何なのか!
 この文前半では、《日大理事会が“隠ぺい体質”ではないのに、隠ぺい体質であるような疑いを持たせてしまった》という主張である。もちろん、《副学部長だけが隠ぺい行為を行った》ということなら、その主張は妥当であるし、《(理事会の関係が少しはあったとしても)大部分が副学長の隠ぺい行為だった》というのなら、多少は理解もできる。
 しかし、今回は理事長や学長も隠蔽に類する行為をしているようなので、《理事会が隠ぺい体質ではないのに、副学長のせいでその疑いが持たれててしまった》という主張をするのは無理がある。しかも、理事会側の弁明ではなく、第三者委員会がそう断言するのは明らかにおかしい!
 さらに、後半部分の「その信用を著しく失墜させた最大の原因」であるが、第三者委員会は《薬物事件に関する対応などの問題点》の検証が目的であるはずだが、「信用を失墜させたこと」に対して糾弾しているのである。目的がズレてしまっている。
 報告書の前文を読まずに、この部分だけを批判するのは不完全な私の判断かもしれないが、上記の点に関しては、副学長だけに責任を押し付けているように思えてしまう(副学長が悪くないと言っているわけではありません)


 こういう“第三者委員会”に判断を任せることが多いが、第三者委員会ではなく“調査委員会”の方がすっきりすると考える。
 “調査委員会”が“第三者委員会”とどう違うのかと言うと、聞き取り調査や書類調査などを行い、事件(騒動)の全容を解明するだけで、判断はしない。
今回の第三者委員会は綿引万里子・元名古屋高裁長官など3名の委員のみで検証し判断を下している(他に、事実関係や調査資料の整理に3名、音声データなどを文書に起こす作業や報告書作成に4名の補助者)。
 3名という少人数の判断にゆだねるというのは疑問であるし、この三人の選考は誰が行ったのだろうか?

 今回の騒動については、他にもいろいろ疑問を感じた。
 副学長の行為にはいろいろ問題があったと考えるが、林理事長が副学長に退任(辞任)を勧めた際、「副学長が在籍したままだと、騒動がさらに大きくなる。ひいては、国からの大学補助金がもらえなくなる」(←意訳、『ミヤネ屋』視聴の私の記憶)というような言葉を発している。(この会話を副学長が録音し、他所に漏洩したらしい)
 《補助金の為に副学長を切るのか?》という問いかけに、「補助金がないと、学生が充分な教育を受けられなくなる」(理事長の言葉かどうかは不明)と答えたが、これは明らかに詭弁。
 補助金を貰えなくなるような行為をしておいて、《学生のために補助金が必要》だからと補助金を優先するという考え方は、歪んでいるとしか言えない! 

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