英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『八重の桜』 第22話 「弟のかたき」

2013-06-03 17:32:11 | ドラマ・映画
覚馬と三郎の死の報せに悲しむ八重たち
 「人違いだしぇ」
 三郎の死を否定する八重。しかし、「どこにでもあるこんな軍服が三郎の物であるはずがねえ」とその否定の拠り所にしようとしたが、八重が縫い付けた南天の刺繍があった……
 さらに、覚馬は薩摩藩に捉えられ処刑されたと聞き、悲しみに打ち沈む家族。


 静かに、間をおいて話す様子が、悲しみを深く感じさせる。

戦に対する考え方
 戦に関して、いろいろな考え方が示されていた回でもあった。
「ならぬことはならぬ」
 という会津武士道の礎、会津の信念があり。
 それを根本として、自ら戦を仕掛けはしないが、「必要ならば」という容認派、それどころか肯定派さえいる会津藩。


佐川官兵衛「勝てばよいのですう!勝てばすなわち官軍!」
 強さが正義とまでは言わないが、戦い勝つことで利が得られると。武闘派の典型。

神保内蔵助「戦に敗れたままで武士の一文が立ちましょうや。云われなき朝敵の汚名を被り恭順したままで、会津の面目が立ちましょうや」
 武士の面目が大事。汚名を着て腹を詰めた息子のことで、会津も道連れに?

松平容保「会津はあくまで恭順を貫く。もとより朝廷に歯向かう心はない。ただし、攻めてくるならば、全藩をもってこれと戦う」
 一応の理や義を通そうとするが、結局、自分のエゴを通すバ○殿。今回の言葉も、「あくまで」や「貫く」という強い意志を「ただし」という一言で否定。
 筋を通そうとする、或いは、筋を踏まえた上で敢えて我を通すので、家臣としては反論しづらく、迷惑な人。しかも殿様という地位にいるので、始末が悪い。
 奥羽鎮撫参謀・世良修蔵が「降伏の条件は容保の首を差し出すこと、只、それのみ」と人相凄まじく、断言していたが、「それで会津が救われるのなら、そうしろよ」と言いたくなった


西郷頼母「今、会津は薩摩長州相手に戦するには、あまりにも無勢でござります」
 戦争慎重派。現状の彼我の武力を考え、戦に反対する。
 しかし、容保の「軍制改革をする」という言葉に反論を躊躇う。
 容保の京都守護職を拝命の際、強硬に反対したが、今回はその時より明確で強い反対要素(会津が火の海)があるにも拘らず、あっさりと引き下がった。付け焼刃の軍制改革で形勢を挽回できるとは到底思えないが。

 そして、山本家
権八「討ち死には武士の本懐。未熟者だけども、お役に立ったならば、三郎は本望だべ。
 覚馬は無念であったべ。目を傷めたのが戦ゆえなら、止むを得ねぇ。
 両名とも山本家の男として恥ずる処はねえと存ずる」

 悲しみを押し殺し、武士の本懐と、言い聞かせるように言う。我が子を喪っても尚、戦を否定しない。

八重「仇はわだすが討つ!」
 そして、ある日、銃を手に表に飛び出し、
「三郎の仇を討つんだしぇ」

尚之助「どこへ行くんです?誰を討つ気ですか?…しっかりしなさい!」
八重「(戦には)わたすが行けばよかったんだしぇ。三郎よりわたすの方がずっと強えんだから。戦にはわたすがぁ………三郎!(絶叫)わあぁぁぁああぁあぁぁぁ………………」
 戦には自分が行けばよかった……あくまで戦は否定しない

 庄之助が「誰を討つ気か?」と言うように、弟の仇を討つ術はない。
 初回の冒頭シーンで、八重が敵将を撃ち「命中」と嬉々として?呟くのは、会津を守るのではなく、復讐心からだったのか?
 まあ、その真偽は後に分かるとして、ヒロインは現在、復讐心に凝り固まり、頼母も、他所から来て頭脳明晰、冷静な尚之助さえ、戦は否定しない。………きれいごとで済まさない制作サイドの意志が感じられる。


会津以外の人物は
 勝海舟は、「江戸で戦が起これば江戸が火の海になる。家や命を奪うのか?」と訴える。本心からか、交渉の切り札に使ったのかは不明だが、戦争回避主義か。

 西郷吉之助は、勝の言葉に心を動かし、江戸城総攻撃を中止。この件では、西郷は民のことを考えたと言える。
 また、覚馬の嘆願書を読み、覚馬の処刑を止める。覚馬は「万国公法」(…敗者が恭順を示している時、これを殺すことは世界の法に背く、勝も訴えていた)を訴える。覚馬の「俺を斬って、会津を助けてくれ!」という叫びに西郷は心が揺れるが、情勢が許さなかった。

 新政府・朝廷派(大久保、木戸、岩倉)は、勝利が第一らしい。

江戸城無血開城……しかし、その矛先が…
 勝が決死の覚悟で西郷に談判し、江戸城総攻撃は回避された。
「振り上げた拳をば、何処へ下ろすかじゃがなあ」
という西郷の呟きに、会津に思い、≪また、やっちまったか?≫という表情の勝が笑える(笑うところではないが)。

ついに白虎隊
 玄武隊・青龍隊・朱雀隊・白虎隊と年代別に分けられたが、その意図・目的は?歳の経たものから突撃する?

フランス式体錬
 確かに肉体や精神を鍛える効果はあると思うが、まず、優先しなければならないのは、銃の調達。旧式銃でのハンデをカバーできるだけの銃の修練ではないだろうか?
 もちろん、会津の無謀さを表現する狙いだが、滑稽だった。

西洋かぶれの山川大蔵
 帰国後、芸風?が大きく変化したが、それが、回を追うにつれ進行している。
 容保規範の折りも「ギャーダヴ(気をつけ)」「サルー(敬礼)」って乗り過ぎなんじゃないだろうか?
 フランス式体錬の時も、庄之助よりもハイカラ。

【ストーリー】番組サイトより
 八重(綾瀬はるか)のもとに、弟・三郎(工藤阿須加) と兄・覚馬(西島秀俊)が落命したとの知らせが届く。しかし、三郎は遺髪や形見の衣服があるのに覚馬の遺品がないことを不思議に思った八重は、「あんつぁまは死んでいない」と言い張る。
 その後は気丈にふるまっていた八重だったが、鉄砲を習う少年に三郎の姿を重ね、こらえていた悲しみがあふれ出す。尚之助(長谷川博己)は、泣き崩れる八重を温かく見守る。
 そのころ覚馬は、薩摩藩士に捕らえられ獄中にいた。視力を失いながらも、何度も会津救済を願い出る覚馬。しかし、すでに西郷(吉川晃司)ら東征軍は江戸へと兵を進めていた。江戸城総攻撃は勝海舟(生瀬勝久)と西郷の会談により中止されたが、そのことで攻撃の矛先が会津に向かうこととなる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 耐えられない手順、悲し過ぎ... | トップ | 『空飛ぶ広報室』 第8話「運... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ドラマ・映画」カテゴリの最新記事