英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

渡辺名人、終盤での長考。その真相は? 2023年度名人戦第3局

2023-05-14 20:55:04 | 将棋
 77手目、終盤戦。ABEMATVの示す渡辺名人の勝利パーセントは97%。
 渡辺名人の残り時間は2時間16分、藤井六冠は28分。


 ここで、渡辺名人が長考に入った。
 これを書いているのが午後7時24分。既に、1時間23分が経過し、残り時間は53分。まあ、1時間ぐらいは考えるかもしれない(それでも残り1時間16分)。なにせ、相手は藤井六冠。彼の強さを世界で一番味わっている棋士だ。(←もしかすると、豊島九段が異を唱えるかもしれない)
 ちなみに、勝利確率97%は名人が最善手を指した場合で、次善手だと60%に落ち、3番目の手だと34%に落ちてしまう。

 午後7時32分、依然考え続けている。残り時間は44分となった。外した眼鏡を吹きながら、横や斜め上に顔を向け、目を閉じ、やや眉間にしわを寄せて、考えている……
 さすがに考え過ぎではないだろうか。何を考えているのだろうか?
①念には念を入れ、盤の裏側まで見透かすほど考えている(勝ち筋の確認)
②勝ち筋が見えていなくて、必死に勝ちを探しているか。不利と思っていて、必死に粘る手や勝負手を考えている。
③せっかく勝ちになったので、勝利に浸って指している時間を少しでも長く指したかった。
④こちらが指さずに考えている間、藤井六冠は“ない勝ち筋”を考えなければならない。もちろん、考える義務はなく、離席するのも構わないが、盤面&渡辺名人と相対する時間が大部分。時間が経過するほど、負けを実感する時間も長くなる。
 こうして、自分(渡辺名人)に対する負けのイメージを植え付けておく。(嫌がらせ)


 眼鏡を拭いてから1、2分後に、最善手を指した。考慮時間は1時間33分(残り43分)。


………午後8時20分、藤井六冠、投了。87手、消費時間は渡辺8時間29分(残り31分)、藤井8時間58分(残り2分)。

【追記】
 局後のインタビューで、長考について訊ねられて
「踏ん切りがつかなかっただけだった。決断ができなかった」と。
「普通なら、1分で指せる」とも。
(局後のインタビューは聞かなかったので、“1分で指せる”云々は、解説の深浦九段の言葉かも)

 直前の藤井六冠の一手がノータイムだったので、《最善手を指したら自玉が摘んでしまうのではないか?》と心配したという。やはり、藤井六冠の威光は強い。特に、渡辺名人は対藤井戦は3勝18敗なので、尚更だ。

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