英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

A級順位戦 プレーオフ1回戦 広瀬八段×久保九段

2015-03-14 15:52:27 | 将棋
 2回戦まで終わりましたが、思いっきり予想が外れてしまいました。

1回戦 広瀬八段×久保九段
 後手の久保九段のゴキゲン中飛車は予想された戦法。
 対する広瀬八段の対策が▲5八金右。超急戦に誘導した。大切なプレーオフに登用するからには、≪何らかの新対策が用意されているはず≫と注目した……

 図の4手前に▲7五角と打ち、1一の龍と協力して後手の3一の銀に狙いをつけたのに対し、△2一歩の犠打に▲同龍△3二銀と先手を取って受けたのは定跡。
 ここで、従来は▲1一龍とかわしていたが、広瀬八段は▲1二龍と、二段目に龍を据えた。
 「この進行になったらやってみようと思っていました」(『週刊将棋』)と温めていた一手。ところが……
 △8九馬と指され、この局面で広瀬八段の指し手が止まり、1時間ほど考えている(△8九馬までの消費時間は、▲広瀬51分、△久保2時間13分)。何か、誤算があったのか?

 中継解説(追記)によると
「この手が読みから抜けていて、△7四歩か△9九馬なのかと思っていました」(広瀬)(週刊将棋にも「△8九馬はすごく自然な一手ですが、抜けていました」とある)
「最初はこの手で△7四歩を考えていたのですが、考えているうちにこの△8九馬の方がいいように思いました。もちろん△9九馬も考えました」(感想戦後の久保)
 しかも、『広瀬章人の一喜一憂ブログ』では、
「積極的にいったつもりでしたが本局ではそれが仇となってしまいました。△5四銀と打つ形は深く研究しておらず、数手後に変化した▲1二竜が敗着級の大悪手で以下は自然に対応されいいところなく負かされました」と述べている。

 ≪え~ぇっ!それなら、何も超急戦を仕掛けなくても≫
 この大事な一局に、この超急戦を採用するというのに、「△5四銀と打つ形は深く研究していない」とは……。しかも、この△5四銀は、B級2組の▲畠山七段-△北浜八段戦で指されており(今年の2月4日)、先手の畠山七段が為すすべなく敗れていた(私の印象)。

 その程度の研究の割には、指し手が早かったのも疑問。

 まあ、私が突っ込まなくても、本人が一番、後悔しているだろう。広瀬八段にとって、大きな悔いの残る一局となってしまった

 △8九馬以降、先手玉の上部から迫る久保九段に対し、横から攻める広瀬八段の攻めが遠く、響きが小さかった。

 図では、普通は▲1三角成と逃げて馬を作って粘るところだが、▲1三角成は△5七歩▲同金左△同桂成▲同馬△5五銀▲同歩△4五桂▲5六馬△5七金で堪えきれない。
 そこで、▲3二とと攻め合ったが、△5七桂成▲同金直△3二飛と冷静に対応され苦しい戦いが続いた。
 以下、怪しく勝負手を繰り出すが、久保九段が確実に寄せ、快勝した。

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