【公式サイト 作品概要(Introduction)】より
『秋期限定栗きんとん事件』(第11話~第17話)
『冬期限定ボンボンショコラ事件』(第18話~第25話)
の2部構成
作品の本質や作品自体の質は、おそらく、変わっていない。
1.『秋期限定栗きんとん事件』(連続不審火事件)――緻密というか、綿密というか……
《大きな足跡を残したい》という野心満々の新聞部員1年生(新年度になり2年生に)の瓜野が、この事件の真相を追う記事を連載。
抜群の行動力(小山内にもアタックし、つきあい始める)と、物おじしない性格で、放火犯の犯行パターンを分析した。
ヒロイン・小山内は陰で新聞部に関与。部長(後に、引退)の堂島は、瓜野が暴走しないよう注視。
好奇心旺盛な主人公・小鳩は、事件の経緯や、小山内、瓜野を観察、真相を推理……という展開。
視聴者は、ストーリー進行の主役の瓜野目線に近いが、小鳩目線の情報もあるが、小山内の真意は不明。
《ここからは、ネタバレ》
この作品、視聴者にいろいろ多くの情報(手がかり)を提示して、真相を推理させるが、第1シリーズの時もそうだったが、視聴者や瓜野に見せない事実を隠し、フェイクの真相に誘導する。
瓜野(視聴者)は見事に作者(小山内)の罠にはまり、《放火犯は小山内である》という結論を出してしまう。
………かなり意地悪。小山内の行動の動機・目的は非道(3倍返し)
それと、この作品の傾向として、登場キャラに対して“使い捨て”感が強い。
瓜野は小山内に仕返しされた(やり込められた)後は、登場なし。放火犯も捕まるシーンや、その動機を語る場面もなし(大方の想像はつく)
瓜野や小鳩の情報や推理を進めていく綿密さ(視聴者を引っ掛ける綿密さ)は面白い。
特に、新聞部員に協力させて、各クラスごとに少しずつ記事の内容を変化させて、犯人を絞り込むところなどは、感心。(協力させられた部員は、その手間が大変だったと思う)
2.『冬期限定ボンボンショコラ事件』(不連続?ひき逃げ事件)――まだるっこしさと、やはりフェイクが……
3年前の事件と現在の事件をリンクさせていた。情報を小出しにしている点と、追想シーンが多いので、臨場感も薄く、進展感も薄かった。わかりにくかったのも一因。
こちらは《ああ、そうだったのか!》という感心が大きかった。
《ここからは、ネタバレ》
やはり、この作品は視聴者をミスリードさせるのが最重要事項だ。
二つのひき逃げ事件は似ており、何か関連がありそうと、(視聴者は)誰もが思う。
《ひき逃げ事件に興味を持った小鳩が、遠慮なく関係者の内側に入り込んだ》
《ひき逃げの被害者は飛び降り自殺を図った?》
《今回は、小鳩がひき逃げの被害者》
↓
《飛び降り自殺を図った級友の家族が小鳩に復讐》 という図式が浮かび上がる
一番のフェイクは、撥ねられた級友が死んでいなかったこと。
自殺(死亡)したかのように思わせる演出(堂島からの情報やその態度など)。さらに、《実は生きているのでは》と思うこともあったが、その真相を語ってくれそうな堂嶋は「見舞いに行けない、すまない」という伝言。
ちょっと、薄情だなと思ったが、作者の都合だった。小山内が夜にしか病院に訪れないのも不自然。
【入院中の小鳩を看護する看護師について】
・小鳩に正体を悟られないよう「ナースステーションの前を通らない」「ネームプレートを外す」「水に睡眠薬を入れて、自分がいない夜間は熟睡させた」などの小細工には、かなり無理がある
・確かに、小鳩はズカズカと人の内側に入り込む無神経さは腹が立つと思う。小鳩の無神経な行為が、弟の自殺の原因になったのなら、殺意も湧くかもしれない
・しかし、殺意の標的としては、小鳩よりもひき逃げ犯ではないのか?
犯人が語る小鳩を轢こうとした一番の動機は、小鳩の行為による弟の自殺行為と、轢かれた弟が《姉と会っていたこと》を必死で隠していたのに、それを小鳩が暴いて両親に知られてしまったことにより、両親の仲直りのチャンスが消えてしまったこと。
《両親の仲直りのチャンスが失われてしまった》というのが動機というのは、もう逆恨みに近いぞ!
憶測だが、小鳩が《級友が彼の恋人ではない誰かと一緒に歩いていた》という事実を突き止めるというのが、このエピソードの肝だと作者が考えて、この事件(エピソード)の流れを決めたのかもしれない。(あくまで私の憶測)
面白かったのは、小山内が犯人の弟を呼び、姉の復讐行為を止めさせたこと。
「小山内さんは、相手が一番、ダメージを受ける仕返しを考える。犯人にとって一番最悪な事象は、復讐(殺人)行為を弟に知られることだ」(←意訳)
と、小鳩が指摘。小山内もそれを素直に認めた。
……あまりに小山内らしいので、ニヤリとしてしまった。
下衆、外道なふたりだった。
堂島が「(小鳩は)友達じゃなく、“腐れ縁”だ」と言い張るのも、わかるなあ。
あと、今回、小鳩の彼女になった仲丸十希子も好きになれない。
小鳩の態度も態度(全然、真剣にならない)だが、自分の不義理さを棚に上げて、激怒するのもどうかと思う。
個人的嗜好得点……707点(1000点満点)
第1期より、大きくマイナス。二人の外道度が上がったのは許容できるが、動機やエピローグに納得のいかないところが多かった。
わたし、知りたかったの。
恋とはどんなものかしらって。
たがいに助け合う“互恵関係”を解消した、高校二年の小鳩くんと小佐内さん。
小佐内さんは、新聞部一年の瓜野くんとつきあいはじめる。瓜野くんは在学した証しを残し、小佐内さんにいいところを見せるため、市内で起きた放火事件を学内新聞で取り上げようと奮闘する。
一方、小鳩くんはクラスメイトの仲丸さんとつきあいはじめる。平穏な日々を過ごすなか、河川敷で放火現場に遭遇し……。小鳩くんと小佐内さんの小市民としての再出発は、はたしてどうなるのだろうか。
原作は、『氷菓』をはじめとする〈古典部〉シリーズの作者にして直木賞作家・米澤穂信が生み出した、シリーズ累計110万部を突破する大人気ミステリ。
〈小市民〉シリーズ初のアニメ化に向け、『さらざんまい』『アンデッドガール・マーダーファルス』の制作スタジオ・ラパントラックのもとに神戸守監督をはじめとする実力派スタッフが集まった。
充実の布陣による、スイートでちょっとビターな学園ミステリが、再びはじまる。
恋とはどんなものかしらって。
たがいに助け合う“互恵関係”を解消した、高校二年の小鳩くんと小佐内さん。
小佐内さんは、新聞部一年の瓜野くんとつきあいはじめる。瓜野くんは在学した証しを残し、小佐内さんにいいところを見せるため、市内で起きた放火事件を学内新聞で取り上げようと奮闘する。
一方、小鳩くんはクラスメイトの仲丸さんとつきあいはじめる。平穏な日々を過ごすなか、河川敷で放火現場に遭遇し……。小鳩くんと小佐内さんの小市民としての再出発は、はたしてどうなるのだろうか。
原作は、『氷菓』をはじめとする〈古典部〉シリーズの作者にして直木賞作家・米澤穂信が生み出した、シリーズ累計110万部を突破する大人気ミステリ。
〈小市民〉シリーズ初のアニメ化に向け、『さらざんまい』『アンデッドガール・マーダーファルス』の制作スタジオ・ラパントラックのもとに神戸守監督をはじめとする実力派スタッフが集まった。
充実の布陣による、スイートでちょっとビターな学園ミステリが、再びはじまる。
『秋期限定栗きんとん事件』(第11話~第17話)
『冬期限定ボンボンショコラ事件』(第18話~第25話)
の2部構成
作品の本質や作品自体の質は、おそらく、変わっていない。
1.『秋期限定栗きんとん事件』(連続不審火事件)――緻密というか、綿密というか……
《大きな足跡を残したい》という野心満々の新聞部員1年生(新年度になり2年生に)の瓜野が、この事件の真相を追う記事を連載。
抜群の行動力(小山内にもアタックし、つきあい始める)と、物おじしない性格で、放火犯の犯行パターンを分析した。
ヒロイン・小山内は陰で新聞部に関与。部長(後に、引退)の堂島は、瓜野が暴走しないよう注視。
好奇心旺盛な主人公・小鳩は、事件の経緯や、小山内、瓜野を観察、真相を推理……という展開。
視聴者は、ストーリー進行の主役の瓜野目線に近いが、小鳩目線の情報もあるが、小山内の真意は不明。
《ここからは、ネタバレ》
この作品、視聴者にいろいろ多くの情報(手がかり)を提示して、真相を推理させるが、第1シリーズの時もそうだったが、視聴者や瓜野に見せない事実を隠し、フェイクの真相に誘導する。
瓜野(視聴者)は見事に作者(小山内)の罠にはまり、《放火犯は小山内である》という結論を出してしまう。
………かなり意地悪。小山内の行動の動機・目的は非道(3倍返し)
それと、この作品の傾向として、登場キャラに対して“使い捨て”感が強い。
瓜野は小山内に仕返しされた(やり込められた)後は、登場なし。放火犯も捕まるシーンや、その動機を語る場面もなし(大方の想像はつく)
瓜野や小鳩の情報や推理を進めていく綿密さ(視聴者を引っ掛ける綿密さ)は面白い。
特に、新聞部員に協力させて、各クラスごとに少しずつ記事の内容を変化させて、犯人を絞り込むところなどは、感心。(協力させられた部員は、その手間が大変だったと思う)
2.『冬期限定ボンボンショコラ事件』(不連続?ひき逃げ事件)――まだるっこしさと、やはりフェイクが……
3年前の事件と現在の事件をリンクさせていた。情報を小出しにしている点と、追想シーンが多いので、臨場感も薄く、進展感も薄かった。わかりにくかったのも一因。
こちらは《ああ、そうだったのか!》という感心が大きかった。
《ここからは、ネタバレ》
やはり、この作品は視聴者をミスリードさせるのが最重要事項だ。
二つのひき逃げ事件は似ており、何か関連がありそうと、(視聴者は)誰もが思う。
《ひき逃げ事件に興味を持った小鳩が、遠慮なく関係者の内側に入り込んだ》
《ひき逃げの被害者は飛び降り自殺を図った?》
《今回は、小鳩がひき逃げの被害者》
↓
《飛び降り自殺を図った級友の家族が小鳩に復讐》 という図式が浮かび上がる
一番のフェイクは、撥ねられた級友が死んでいなかったこと。
自殺(死亡)したかのように思わせる演出(堂島からの情報やその態度など)。さらに、《実は生きているのでは》と思うこともあったが、その真相を語ってくれそうな堂嶋は「見舞いに行けない、すまない」という伝言。
ちょっと、薄情だなと思ったが、作者の都合だった。小山内が夜にしか病院に訪れないのも不自然。
【入院中の小鳩を看護する看護師について】
・小鳩に正体を悟られないよう「ナースステーションの前を通らない」「ネームプレートを外す」「水に睡眠薬を入れて、自分がいない夜間は熟睡させた」などの小細工には、かなり無理がある
・確かに、小鳩はズカズカと人の内側に入り込む無神経さは腹が立つと思う。小鳩の無神経な行為が、弟の自殺の原因になったのなら、殺意も湧くかもしれない
・しかし、殺意の標的としては、小鳩よりもひき逃げ犯ではないのか?
犯人が語る小鳩を轢こうとした一番の動機は、小鳩の行為による弟の自殺行為と、轢かれた弟が《姉と会っていたこと》を必死で隠していたのに、それを小鳩が暴いて両親に知られてしまったことにより、両親の仲直りのチャンスが消えてしまったこと。
《両親の仲直りのチャンスが失われてしまった》というのが動機というのは、もう逆恨みに近いぞ!
憶測だが、小鳩が《級友が彼の恋人ではない誰かと一緒に歩いていた》という事実を突き止めるというのが、このエピソードの肝だと作者が考えて、この事件(エピソード)の流れを決めたのかもしれない。(あくまで私の憶測)
面白かったのは、小山内が犯人の弟を呼び、姉の復讐行為を止めさせたこと。
「小山内さんは、相手が一番、ダメージを受ける仕返しを考える。犯人にとって一番最悪な事象は、復讐(殺人)行為を弟に知られることだ」(←意訳)
と、小鳩が指摘。小山内もそれを素直に認めた。
……あまりに小山内らしいので、ニヤリとしてしまった。
下衆、外道なふたりだった。
堂島が「(小鳩は)友達じゃなく、“腐れ縁”だ」と言い張るのも、わかるなあ。
あと、今回、小鳩の彼女になった仲丸十希子も好きになれない。
小鳩の態度も態度(全然、真剣にならない)だが、自分の不義理さを棚に上げて、激怒するのもどうかと思う。
個人的嗜好得点……707点(1000点満点)
第1期より、大きくマイナス。二人の外道度が上がったのは許容できるが、動機やエピローグに納得のいかないところが多かった。
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