△5六同馬の新手から、柔らかい指し回しで、未知の将棋を切り開いていく羽生名人。しかし、郷田九段も何とか踏みとどまり追走していく。
△4六桂と先手の要の金に取りをかけ、金引きに飛車の王手。これに対し合駒をせずに▲6七玉とかわす手が成立したことが、羽生名人の誤算で、つまづきの始まり。以降、よろけ始める羽生名人とは対照的に、持ち時間が切迫していた郷田九段の方が確かな足取りで、背後に迫り、攻防の▲9六角で、一気に抜き去ってしまった。
将棋の流れは、竜王戦第七局とそっくり。竜王戦は渡辺竜王も誤り、ギリギリの死闘が続いたが、本局では郷田九段は更に▲6三成香の妙手を繰り出し、羽生名人を突き放したかに見えたが、最後の最後で、後手玉に積みありと錯覚し、まさかのどんでん返しとなった。
ただ、対局中や終局直後では、羽生名人の「最後のお願い」風の王手に合駒をすれば簡単に勝ちだったという印象だったが、正確に指せば先手の勝ちの様だが、相当難しいので、持ち時間が切迫していたので、勝負はわからなかったというのが妥当なのかもしれない。
竜王戦でも感じたが、羽生名人のスタミナ不足の傾向がある。
以前は、終盤の入口で遅れを取っていても、最後の直線で並びかけ、更に加速して突き放して勝つというイメージだったが、最近は、逆によろめいてしまう。
手の震えも心配。勝ちを確信した時の緊張感(高揚感)が原因ではないかと言われているが、単に、疲労からきているように思えた仕方がない。あるいは、あまりに脳を使いすぎて、低血糖のような症状を引き起こしているのではないだろうか。
時間の使い方、特に、終盤に入り、残り1時間ちょっと残している時に、割と時間をかけて読んでいる割には、最善手を逃し、決めきれずに時間も切迫するというパターンが多い。
心配のし過ぎ出だろうか?
★その他、第三局で感じたこと
①やはり山崎七段の解説は面白い。今度は、佐藤九段との掛け合い?を見たい
②鈴木環那女流初段の聞き手として指し手を頭に入れているのは、すごく良い。
ただ、飛車を「シャ」と発音する(聞こえる)のが不満。他にも「シャ」と聞こえる女流棋士がいるように思う。
③終盤、▲4五銀の飛車金両取り。聞き手としてのサービスかもしれないが、鈴木女流初段の評価がやたら高かった。
④解説の森内九段。第1日の△5五飛(松尾流)が意外とか、△4五桂と捨てての△4六角の動きを疑問視し、先手が指しやすいと断定。
2日目の午後、後手よしの声が多い中、「どちらかと言えば、後手を持ちたい」という表現。
また、最終盤の先手の王手に対し、「桂合をすれば、はっきり先手の勝ち」と言い切っていた。
羽生名人の指し手に関して、森内九段は「冷たい」と感じるのは、私だけ?
△4六桂と先手の要の金に取りをかけ、金引きに飛車の王手。これに対し合駒をせずに▲6七玉とかわす手が成立したことが、羽生名人の誤算で、つまづきの始まり。以降、よろけ始める羽生名人とは対照的に、持ち時間が切迫していた郷田九段の方が確かな足取りで、背後に迫り、攻防の▲9六角で、一気に抜き去ってしまった。
将棋の流れは、竜王戦第七局とそっくり。竜王戦は渡辺竜王も誤り、ギリギリの死闘が続いたが、本局では郷田九段は更に▲6三成香の妙手を繰り出し、羽生名人を突き放したかに見えたが、最後の最後で、後手玉に積みありと錯覚し、まさかのどんでん返しとなった。
ただ、対局中や終局直後では、羽生名人の「最後のお願い」風の王手に合駒をすれば簡単に勝ちだったという印象だったが、正確に指せば先手の勝ちの様だが、相当難しいので、持ち時間が切迫していたので、勝負はわからなかったというのが妥当なのかもしれない。
竜王戦でも感じたが、羽生名人のスタミナ不足の傾向がある。
以前は、終盤の入口で遅れを取っていても、最後の直線で並びかけ、更に加速して突き放して勝つというイメージだったが、最近は、逆によろめいてしまう。
手の震えも心配。勝ちを確信した時の緊張感(高揚感)が原因ではないかと言われているが、単に、疲労からきているように思えた仕方がない。あるいは、あまりに脳を使いすぎて、低血糖のような症状を引き起こしているのではないだろうか。
時間の使い方、特に、終盤に入り、残り1時間ちょっと残している時に、割と時間をかけて読んでいる割には、最善手を逃し、決めきれずに時間も切迫するというパターンが多い。
心配のし過ぎ出だろうか?
★その他、第三局で感じたこと
①やはり山崎七段の解説は面白い。今度は、佐藤九段との掛け合い?を見たい
②鈴木環那女流初段の聞き手として指し手を頭に入れているのは、すごく良い。
ただ、飛車を「シャ」と発音する(聞こえる)のが不満。他にも「シャ」と聞こえる女流棋士がいるように思う。
③終盤、▲4五銀の飛車金両取り。聞き手としてのサービスかもしれないが、鈴木女流初段の評価がやたら高かった。
④解説の森内九段。第1日の△5五飛(松尾流)が意外とか、△4五桂と捨てての△4六角の動きを疑問視し、先手が指しやすいと断定。
2日目の午後、後手よしの声が多い中、「どちらかと言えば、後手を持ちたい」という表現。
また、最終盤の先手の王手に対し、「桂合をすれば、はっきり先手の勝ち」と言い切っていた。
羽生名人の指し手に関して、森内九段は「冷たい」と感じるのは、私だけ?
ボクシングで言えば、世界タイトルマッチを1年間で7回やったと同じように、疲労から来る物だと思います。更に年齢の影も忍び寄っているのかもしれませんね。
でも、きっと復調すると信じています。
確かに、1年で7回のタイトルマッチですよね。しかも、タイトル戦は転戦ですし、タイトル挑戦までの道のりも大変です。
この際、七冠独占して、タイトル戦だけに集中しましょう。
解説は森7段で、福井のアマ強豪連の指し手
(候補手)に森7段が検討するという形式で進行しました。
▲45銀を打たせるのは、まず後手が勝てないだろうというのが解説会での意見で、
▲29香(△45金▲28香△36金▲22香成△同金▲45銀が本譜の進行)△36金▲28香△38飛でどうかというのが多数意見でした。(まったく感想では触れられていませんでしたが)
また、▲73成香△84飛▲96角◎と絶好の角を打たれましたが、O滝6段指摘のように▲73成香の前に一旦△82歩▲同馬を利かせば△84飛回りの際に馬に当たるので▲96角がなかったとか色々と変化はあるようで、かなり難しい終盤でした。
それもこれも、羽生名人の中盤の△76歩の垂らしが良く言えば「力を溜めた手」でしょうが、福井の解説会では△76香から攻めれば後手相当でした。この辺が昔の羽生名人とは違う印象でした。
>▲29香(△45金▲28香△36金▲22香成△同金▲45銀が本譜の進行)△36金▲28香△38飛でどうか
なるほど、桂を抜くより一手早い方が優りそうですね。
>▲73成香の前に一旦△82歩▲同馬を利かせば
△8二歩は利けばいいのですが、受け一方の手なので一手の価値が薄いかもしれません。
△8二歩を利かすタイミングは2箇所。
①▲8三香成に△8二歩は、▲7三成香△同銀▲6五桂△6二銀▲4四歩。
②▲8三香成△7九香成▲7三成香に△8二歩は、▲7四歩または▲4四歩が考えられます。(全く自信ありませんが)
いずれにしても、難解な将棋でした。