【あらすじ】(番組ホームページより)
もうすぐ春休み。可奈(高橋愛)たちの高校で、裁判員制度導入のための模擬裁判が行われることになった。クラスの代表として想(中村蒼)が裁判員に選ばれた。しかし想はMITの研究プロジェクトの誘いを受けてアメリカに帰ることになり、模擬裁判の日が最後の登校になるという。
想が学校を辞めてしまうと知った可奈は、「燈馬君の人生なんだから。」とあっさり答えるが、本当は心穏やかではない。可奈も裁判員になり自分の頭だけで想と同じ答えが出せたら、想を止める権利が与えられるのだと衿子(ちかげ)に背中を押される。
ある春休みの日、模擬裁判が始まった。裁判長(田村亮)は「有罪を立証しない限り、無罪である」と可奈たち裁判員にルールを説明し、ある強盗致傷事件の審理が進められる。借金を抱えた青年が女性を殴り、現金を奪ったというが、事件そのものを目撃した証人はいない。検察官(飯田基祐)と弁護士(原千晶)が証言をめぐって尋問するのを目の前にして、可奈はなんとか自分の力だけで結論を導こうとする。評決で無罪に手を上げる可奈。果たして想は!?
==================================
最終回は裁判員制度の模擬裁判と、想がアメリカに帰ることになり、揺れる二人の気持ちがテーマ。
模擬裁判は面白かったです。
★裁判員制度のルール(裁判のルールと言った方がいいかもしれません)
(模擬裁判が始まる前に裁判長が説明した)
1.被告人は有罪判決が下るまで無罪と考える〔無罪推定の原則〕
2.被告人の有罪を証明する全責任は検察側にある(被告人は無罪であることを証明する必要はない)
3.有罪とするには「合理的疑いを挟まぬ証明がなされればよい」。(被告人が犯罪を行ったのは、まず間違いないと自分自身確信することができ、他の者もそう思うだろうなあと思える程度の証明)
裁判中に説明
4.黙秘権…質問に被告が答えたことは、被告にとって有利にも不利にもなるので、質問に答えない権利がある
★冒頭陳述 検察官
Ⅰ 被告の経済状況。鹿児島より上京後、コンビニ店員、ホストなど7度職を変え、収入が安定していない上、故郷の音楽仲間と再会し、バンドを組むことになり、ローンにてギターを購入、35万の借金があった。
Ⅱ 事件の状況。被害者を殴り、現金の入った銀行の封筒を奪おうともみ合いになる。通報で駆けつけた警察官が公園で被告人を発見、犯人と背格好が似ていたため職務質問をしたら、突然逃走した。捉えてみると、盗まれた銀行の封筒入りの現金15万円を持っていた
Ⅲ 被告人は身勝手な理由で、罪もない被害者を傷つけ、お金を奪った
★冒頭陳述 弁護人
動機の否定。被告人は自分のやりたいことを探すため、いろんな職に就いて頑張ってきた。今回、夢だった音楽を再びやろうと決心した。そんな矢先に犯罪など犯すとは思えない
盗まれたお金を持っていたのは、道に落ちていたお金を拾っただけ
被告人は無実だ
★証人尋問
1.木下(学生)の証言
部屋でインターネットをしていると、鹿児島なまりで「放せ、ババア!放せちゆうちょっとが」と男性の声が聞こえた。被告人の声だった。
[弁護人の質問]
・似た声は多い。外から聞こえてきた声を、被告人の声と断言できるのか?
・被害者の写真を見せ、この美しい女性を見て、「ババア」と言うか?
・女性の悲鳴を聞かないのはおかしい
2.井端(保険外交員)の証言
午後5時ごろ、銀行前で様子のおかしい被告人を目撃した。
[検察官の主張]
・銀行の防犯カメラにはATMに並ぶ証人の姿と、その3人前に被害者が写っていた。被告人は被害者がお金を下ろしたのを確認し、あとをつけた計画的な犯行
[弁護人の主張」
・配置図を使って、被告人が座っていた銀行前の位置からでは、ATMコーナーは見えない。さらに、どの防犯カメラにも被告人が銀行内に入っている姿は認められない。被告人は、銀行の外にいて、被害者がお金を下ろしたのか、預けたのか、何をしていたのかは分からなかった
3.被告人の証言
・携帯電話は停められていたが、固定電話がある。家賃は滞納していたが、大家が待つといってくれていた。借金も少しずつ返していた。
[弁護人の主張]
・ローンがある(借金がある)だけで、犯罪者扱いするのはおかしい
[検察官の反論]
・携帯電話や家賃の他にも、お金がないと困ることはいくらでもある。
・お金を拾っただけなのに、警官から逃げたのはおかしい。「以前つかまったことがあるので信じてもらえないと思った」という被告人に対して、犯人に背格好も声も似た人物が、たまたま大金を拾ったというのは、(疑わしくて)信じるものはいないだろう
★論告求刑
[検察官の被告人の有罪立証の根拠]
① 被告人は動機があった (冒頭陳述のⅠ)
② 銀行前で被告人が目撃されている (証人尋問2)
③ 犯行現場での犯人の背格好、声、鹿児島なまり (冒頭陳述Ⅱ 証人尋問1)
④ 警察官から逃走し、盗まれた封筒入りの現金を持っていた(冒頭陳述2)
被告人が犯人であることは、疑いようのない事実だ。懲役6年を求刑する。
[弁護人の最終弁論]
⑤ 悲鳴は聞いていないのに、証人は本当に犯人の声を聞いたのか(証人尋問1)
⑥ 銀行で被害者がお金を下ろしていたとどうやって知ったのか(証人尋問2)
⑦ 警察官から逃げたのは、以前つかまったことがあるから(被告人の証言)
検察側の論拠は、「合理的疑いを挟まぬ証明」には至っていない。無罪である。
★評議
モルダー「有罪。なんとなく」
シルキー「無罪。音楽をやるやつに悪い奴はいない」
ホームズ「有罪。銀行にいたこと、背格好が似ていること、お金を持っていたこと。これらは状況証拠に過ぎないが、これだけ証拠が積み重なれば、合理的な証明と言える」
クイーン「無罪。有力な証拠と言えるのは、警察官から逃げたことと、お金を持っていたことだけ。これらの状況証拠2つだけでは、無実の一般市民を刑務所に送るのと同じ」
加奈「無罪。夢をつかもうと、これからと思ったときに、強盗なんかしない」
想「とても際どい立証だと思う」
★評決
有罪4人…モルダー、ホームズ、副?裁判長、裁判長 (想は手を上げかけるが下ろす)
無罪5人…クイーン、シルキー、副?裁判長、加奈、想(迷った末)
評決……無罪
放課後?想は裁判長に尋ねられる。
「実際の裁判でも、自分が担当して、有罪の判決を下している。また、今まで3回の模擬裁判でも有罪になった。判決には自信があり、自分の心証は完全に有罪。しかし、君(想)は、私の判断に強い関心を示し、君自身は確信を持って無罪にした。なぜか?」
想は「検察が大事な立証をしていないからだ」
Q1 なぜ、目撃者は被害者の悲鳴を聞いていないのか?
Q2 なぜ、被告人は銀行の中に入らなかったのか?
Q3 なぜ、犯人は被害者のことをババアと呼んだのか?
★想の推理
検察は被害者と被告人が顔見知りであることを見落としていた
A1 顔見知りだったから、被告人が近づいても悲鳴を上げなかった。
A2 給料日を知っていた
A3 ホスト時代に知り合っていて、表沙汰にはできない関係だった。
陰では被害者のことを「しつこいババアだ」と言っていたのかもしれない
「判決はまちがっていなかった。しかし、(合理的疑いを挟まぬ証明がされていないので)、僕は有罪だとは言えない」
裁判長「なぜ、その話を評議の時にしなかったのか?少なくとも、有罪に手を上げるべきではなかったか」
想「それはダメだ。立証責任はすべて検察だけにある。裁判官および裁判員は提示された証拠のみで判断する。裁判の鉄則です」
確かにそうかもしれません。でも、評議の場で自分の意見(推理)を言うのはいいと思うのですが。提示された証拠や証言をもとに、無罪か有罪を判断するのですから、現に、想も提示された情報だけで推理したのですから。
まあ、これは、作者(主人公)のポリシーですから、私が口を挟むことではないんでしょうね。
この裁判で、疑問に思ったことは、模擬裁判の場に被害者が立たなかった。被害者の証言がなかった。
これは、被害者が証言席に立つと、被害者と被告人の関係が露わになる可能性が高いからでしょう。
さて、今回のもう一つのテーマ「ふたりの気持ち」です。
評決の時、想が悩みに悩んだのは、加奈が「無罪」を主張したので、「有罪」と判断したが加奈の意見を尊重しようかどうか迷ったのかと思ったのですが、全くの的外れでした。
判断は想と同じでしたが、内容がまったく違うので、想に「アメリカに帰らないらで」とは言えず、「頑張ってね」と言う加奈はいじらしいですね。
翌日(想が帰る日)、父が言う
・大好きな剣道の稽古をしない
・夕べから何も食べない
・レストランの誘いを断る
・花見にも行かない
・仲の良い想の見送りにいかなかった
「これだけ状況証拠がそろえば「合理的疑いを挟まぬ証明」なされていると思うぞ」
おお!なかなか粋な指摘ですね。
いつも一緒にいた屋上で涙を流す加奈。
そこへいないはずの想が声をかける。
「やっと分かったんです。僕はお花見がしたくて日本に来たんだって。
お花見って、花の一つ一つを見るわけじゃないでしょう。形のない全体があって、それがあるだけで楽しくなる。
水原さんといると、毎日がお花見みたいなものなんです。この学校でお花見をすることに決めました。卒業するまでずっと」
加奈が笑顔になる。
その時、ガラスが割れる音が、
「事件よ、燈馬くん」
加奈が、燈馬の腕をぎゅっとつかみ、引っ張っていく……【終り】
いやいや、素敵なラストシーンでした。
想が、加奈を花見に例えてました。一つ一つの細かいところを見るのではなく、それらをひっくるめた加奈が好きなんだ。加奈といると楽しいという告白でしたね。
素敵なコンビでしたね。推理も面白かったです。
続編を期待します。番組の掲示板に書き込まなくては!
【補足】
この模擬裁判の題材は、無罪か有罪か(無実か犯人か)、どちらにでも取れるようなシナリオを作ったものだと思っていました。それで、被告人が無実かどうかを真剣に考えず、無罪とするか、有罪とするかのほうに関心が行ってしまいました。
とは言え、想の感じた疑問を流してしまいました。一瞬、変だなと思ったのですが、不覚でした。
私が、あの模擬裁判の裁判員だったら、どう裁定するでしょうか。
被害者が給料を下ろした銀行の前にいたこと、被害者が襲われた付近にいてお金を拾ったこと、このふたつが両方起こるのは、「偶然」という範囲を超えているので、「犯人」だと推定します。
しかし、裁判員として裁定を下すとしたら、それだけでは有罪であると立証できたとは言えないので「無罪」とします。
想も言っていましたが、検察には「立証責任」があります。そもそも、あれぐらいの状況証拠で、立件するのは無理があります。私が検察(警察)の立場なら、想の疑問について、もっと突き詰めますし、被告人が現場付近の公園になぜいたのかや、被告人の銀行からの足取りを調べます。
そもそも、「ババア」という言葉は、実際にそういう風貌でないのなら、顔見知りだったと推量するのは容易だと思います。
裁判の場は、(ドラマなので見る限りなので本当のことは知りませんが)残念ながら「真実を明らかにする場」ではないようです。
弁護士は被告人の罪を軽くすることや無罪を勝ち取ることに全力を尽くします。
検察官も求刑を確定しようとするだけです。
そして、裁判官も、弁護士、検察官の示した論証をもとに、どう判決を下すのが妥当かを考えるだけのようです。
真実を明らかにすることまで求めるのは、無理なんでしょうね(無理なのでしょうか)。
もうすぐ春休み。可奈(高橋愛)たちの高校で、裁判員制度導入のための模擬裁判が行われることになった。クラスの代表として想(中村蒼)が裁判員に選ばれた。しかし想はMITの研究プロジェクトの誘いを受けてアメリカに帰ることになり、模擬裁判の日が最後の登校になるという。
想が学校を辞めてしまうと知った可奈は、「燈馬君の人生なんだから。」とあっさり答えるが、本当は心穏やかではない。可奈も裁判員になり自分の頭だけで想と同じ答えが出せたら、想を止める権利が与えられるのだと衿子(ちかげ)に背中を押される。
ある春休みの日、模擬裁判が始まった。裁判長(田村亮)は「有罪を立証しない限り、無罪である」と可奈たち裁判員にルールを説明し、ある強盗致傷事件の審理が進められる。借金を抱えた青年が女性を殴り、現金を奪ったというが、事件そのものを目撃した証人はいない。検察官(飯田基祐)と弁護士(原千晶)が証言をめぐって尋問するのを目の前にして、可奈はなんとか自分の力だけで結論を導こうとする。評決で無罪に手を上げる可奈。果たして想は!?
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最終回は裁判員制度の模擬裁判と、想がアメリカに帰ることになり、揺れる二人の気持ちがテーマ。
模擬裁判は面白かったです。
★裁判員制度のルール(裁判のルールと言った方がいいかもしれません)
(模擬裁判が始まる前に裁判長が説明した)
1.被告人は有罪判決が下るまで無罪と考える〔無罪推定の原則〕
2.被告人の有罪を証明する全責任は検察側にある(被告人は無罪であることを証明する必要はない)
3.有罪とするには「合理的疑いを挟まぬ証明がなされればよい」。(被告人が犯罪を行ったのは、まず間違いないと自分自身確信することができ、他の者もそう思うだろうなあと思える程度の証明)
裁判中に説明
4.黙秘権…質問に被告が答えたことは、被告にとって有利にも不利にもなるので、質問に答えない権利がある
★冒頭陳述 検察官
Ⅰ 被告の経済状況。鹿児島より上京後、コンビニ店員、ホストなど7度職を変え、収入が安定していない上、故郷の音楽仲間と再会し、バンドを組むことになり、ローンにてギターを購入、35万の借金があった。
Ⅱ 事件の状況。被害者を殴り、現金の入った銀行の封筒を奪おうともみ合いになる。通報で駆けつけた警察官が公園で被告人を発見、犯人と背格好が似ていたため職務質問をしたら、突然逃走した。捉えてみると、盗まれた銀行の封筒入りの現金15万円を持っていた
Ⅲ 被告人は身勝手な理由で、罪もない被害者を傷つけ、お金を奪った
★冒頭陳述 弁護人
動機の否定。被告人は自分のやりたいことを探すため、いろんな職に就いて頑張ってきた。今回、夢だった音楽を再びやろうと決心した。そんな矢先に犯罪など犯すとは思えない
盗まれたお金を持っていたのは、道に落ちていたお金を拾っただけ
被告人は無実だ
★証人尋問
1.木下(学生)の証言
部屋でインターネットをしていると、鹿児島なまりで「放せ、ババア!放せちゆうちょっとが」と男性の声が聞こえた。被告人の声だった。
[弁護人の質問]
・似た声は多い。外から聞こえてきた声を、被告人の声と断言できるのか?
・被害者の写真を見せ、この美しい女性を見て、「ババア」と言うか?
・女性の悲鳴を聞かないのはおかしい
2.井端(保険外交員)の証言
午後5時ごろ、銀行前で様子のおかしい被告人を目撃した。
[検察官の主張]
・銀行の防犯カメラにはATMに並ぶ証人の姿と、その3人前に被害者が写っていた。被告人は被害者がお金を下ろしたのを確認し、あとをつけた計画的な犯行
[弁護人の主張」
・配置図を使って、被告人が座っていた銀行前の位置からでは、ATMコーナーは見えない。さらに、どの防犯カメラにも被告人が銀行内に入っている姿は認められない。被告人は、銀行の外にいて、被害者がお金を下ろしたのか、預けたのか、何をしていたのかは分からなかった
3.被告人の証言
・携帯電話は停められていたが、固定電話がある。家賃は滞納していたが、大家が待つといってくれていた。借金も少しずつ返していた。
[弁護人の主張]
・ローンがある(借金がある)だけで、犯罪者扱いするのはおかしい
[検察官の反論]
・携帯電話や家賃の他にも、お金がないと困ることはいくらでもある。
・お金を拾っただけなのに、警官から逃げたのはおかしい。「以前つかまったことがあるので信じてもらえないと思った」という被告人に対して、犯人に背格好も声も似た人物が、たまたま大金を拾ったというのは、(疑わしくて)信じるものはいないだろう
★論告求刑
[検察官の被告人の有罪立証の根拠]
① 被告人は動機があった (冒頭陳述のⅠ)
② 銀行前で被告人が目撃されている (証人尋問2)
③ 犯行現場での犯人の背格好、声、鹿児島なまり (冒頭陳述Ⅱ 証人尋問1)
④ 警察官から逃走し、盗まれた封筒入りの現金を持っていた(冒頭陳述2)
被告人が犯人であることは、疑いようのない事実だ。懲役6年を求刑する。
[弁護人の最終弁論]
⑤ 悲鳴は聞いていないのに、証人は本当に犯人の声を聞いたのか(証人尋問1)
⑥ 銀行で被害者がお金を下ろしていたとどうやって知ったのか(証人尋問2)
⑦ 警察官から逃げたのは、以前つかまったことがあるから(被告人の証言)
検察側の論拠は、「合理的疑いを挟まぬ証明」には至っていない。無罪である。
★評議
モルダー「有罪。なんとなく」
シルキー「無罪。音楽をやるやつに悪い奴はいない」
ホームズ「有罪。銀行にいたこと、背格好が似ていること、お金を持っていたこと。これらは状況証拠に過ぎないが、これだけ証拠が積み重なれば、合理的な証明と言える」
クイーン「無罪。有力な証拠と言えるのは、警察官から逃げたことと、お金を持っていたことだけ。これらの状況証拠2つだけでは、無実の一般市民を刑務所に送るのと同じ」
加奈「無罪。夢をつかもうと、これからと思ったときに、強盗なんかしない」
想「とても際どい立証だと思う」
★評決
有罪4人…モルダー、ホームズ、副?裁判長、裁判長 (想は手を上げかけるが下ろす)
無罪5人…クイーン、シルキー、副?裁判長、加奈、想(迷った末)
評決……無罪
放課後?想は裁判長に尋ねられる。
「実際の裁判でも、自分が担当して、有罪の判決を下している。また、今まで3回の模擬裁判でも有罪になった。判決には自信があり、自分の心証は完全に有罪。しかし、君(想)は、私の判断に強い関心を示し、君自身は確信を持って無罪にした。なぜか?」
想は「検察が大事な立証をしていないからだ」
Q1 なぜ、目撃者は被害者の悲鳴を聞いていないのか?
Q2 なぜ、被告人は銀行の中に入らなかったのか?
Q3 なぜ、犯人は被害者のことをババアと呼んだのか?
★想の推理
検察は被害者と被告人が顔見知りであることを見落としていた
A1 顔見知りだったから、被告人が近づいても悲鳴を上げなかった。
A2 給料日を知っていた
A3 ホスト時代に知り合っていて、表沙汰にはできない関係だった。
陰では被害者のことを「しつこいババアだ」と言っていたのかもしれない
「判決はまちがっていなかった。しかし、(合理的疑いを挟まぬ証明がされていないので)、僕は有罪だとは言えない」
裁判長「なぜ、その話を評議の時にしなかったのか?少なくとも、有罪に手を上げるべきではなかったか」
想「それはダメだ。立証責任はすべて検察だけにある。裁判官および裁判員は提示された証拠のみで判断する。裁判の鉄則です」
確かにそうかもしれません。でも、評議の場で自分の意見(推理)を言うのはいいと思うのですが。提示された証拠や証言をもとに、無罪か有罪を判断するのですから、現に、想も提示された情報だけで推理したのですから。
まあ、これは、作者(主人公)のポリシーですから、私が口を挟むことではないんでしょうね。
この裁判で、疑問に思ったことは、模擬裁判の場に被害者が立たなかった。被害者の証言がなかった。
これは、被害者が証言席に立つと、被害者と被告人の関係が露わになる可能性が高いからでしょう。
さて、今回のもう一つのテーマ「ふたりの気持ち」です。
評決の時、想が悩みに悩んだのは、加奈が「無罪」を主張したので、「有罪」と判断したが加奈の意見を尊重しようかどうか迷ったのかと思ったのですが、全くの的外れでした。
判断は想と同じでしたが、内容がまったく違うので、想に「アメリカに帰らないらで」とは言えず、「頑張ってね」と言う加奈はいじらしいですね。
翌日(想が帰る日)、父が言う
・大好きな剣道の稽古をしない
・夕べから何も食べない
・レストランの誘いを断る
・花見にも行かない
・仲の良い想の見送りにいかなかった
「これだけ状況証拠がそろえば「合理的疑いを挟まぬ証明」なされていると思うぞ」
おお!なかなか粋な指摘ですね。
いつも一緒にいた屋上で涙を流す加奈。
そこへいないはずの想が声をかける。
「やっと分かったんです。僕はお花見がしたくて日本に来たんだって。
お花見って、花の一つ一つを見るわけじゃないでしょう。形のない全体があって、それがあるだけで楽しくなる。
水原さんといると、毎日がお花見みたいなものなんです。この学校でお花見をすることに決めました。卒業するまでずっと」
加奈が笑顔になる。
その時、ガラスが割れる音が、
「事件よ、燈馬くん」
加奈が、燈馬の腕をぎゅっとつかみ、引っ張っていく……【終り】
いやいや、素敵なラストシーンでした。
想が、加奈を花見に例えてました。一つ一つの細かいところを見るのではなく、それらをひっくるめた加奈が好きなんだ。加奈といると楽しいという告白でしたね。
素敵なコンビでしたね。推理も面白かったです。
続編を期待します。番組の掲示板に書き込まなくては!
【補足】
この模擬裁判の題材は、無罪か有罪か(無実か犯人か)、どちらにでも取れるようなシナリオを作ったものだと思っていました。それで、被告人が無実かどうかを真剣に考えず、無罪とするか、有罪とするかのほうに関心が行ってしまいました。
とは言え、想の感じた疑問を流してしまいました。一瞬、変だなと思ったのですが、不覚でした。
私が、あの模擬裁判の裁判員だったら、どう裁定するでしょうか。
被害者が給料を下ろした銀行の前にいたこと、被害者が襲われた付近にいてお金を拾ったこと、このふたつが両方起こるのは、「偶然」という範囲を超えているので、「犯人」だと推定します。
しかし、裁判員として裁定を下すとしたら、それだけでは有罪であると立証できたとは言えないので「無罪」とします。
想も言っていましたが、検察には「立証責任」があります。そもそも、あれぐらいの状況証拠で、立件するのは無理があります。私が検察(警察)の立場なら、想の疑問について、もっと突き詰めますし、被告人が現場付近の公園になぜいたのかや、被告人の銀行からの足取りを調べます。
そもそも、「ババア」という言葉は、実際にそういう風貌でないのなら、顔見知りだったと推量するのは容易だと思います。
裁判の場は、(ドラマなので見る限りなので本当のことは知りませんが)残念ながら「真実を明らかにする場」ではないようです。
弁護士は被告人の罪を軽くすることや無罪を勝ち取ることに全力を尽くします。
検察官も求刑を確定しようとするだけです。
そして、裁判官も、弁護士、検察官の示した論証をもとに、どう判決を下すのが妥当かを考えるだけのようです。
真実を明らかにすることまで求めるのは、無理なんでしょうね(無理なのでしょうか)。
英さんがどんな風に分析してくれるのかと
楽しみに待ってましたよ(笑)
想と加奈も最後お互いの気持ちを分かり合えたし、模擬裁判も勉強になってよかったかな。
最終回でちょっぴり寂しいけど
とてもいいドラマだったなと。
また私が見ていて英さんが分析してくれるようなドラマ・・またあるといいですね。
面白かったぁ。ありがとね、英さん。
面白いものがあったら、教えてください。
書き漏らしたことがあったので、補足をするつもりです。よろしかったら、ご覧下さい。
ストーリーは原作16巻と27巻の二つを組み合わせ、16巻の花見の話では何とかいう財閥の(ありがちですが学校にそこのお嬢様がいた。ただ登場はこの一回きり)スカウトを受けるという話で、原作では名前も形もないもの、という主題が、可奈と想の関係、高校生、というだけで、具体的には将来何者になりたいかも曖昧な者達に触れていたいという想の想い、ドラマには登場しない定年退社しようとしている会社員(会社員でなくなることでそれまでのものが全部消えてしまう気がしていたが、名前も形もない何かが残った気がする)の、恐らく人生に於いて明確な意味や名前のないもの、などでした。
アメリカに帰る云々は原作には積極的に想が帰る意志を見せたことはないです。そういう誘いや、何れ日本かアメリカか国籍を選択する(成年に達した時)ことになることを知って可奈が色々思うエピソードはかなりありますが。
これは最終回で盛り上げたいのでそうしたのでしょう。
さて、模擬裁判について、ですが、原作では、過去の模擬裁判でも全て無罪になっており、それに関しては素人が有罪を下すのは真理的に難しいのでは、くらいで流されます。
> 真実を明らかにすることまで求めるのは、無理なんでしょうね(無理なのでしょうか)。
真実の意味合い個人差があるのですが、一般には二通りかと思います。
一つは物理的にただただ実際に起こった、嘘のない事実。
一つはその背景にある、人の感情などを含んだ(真の正義云々という時に真実を使うときはほぼこちら)、事実の上位概念的なもの。
後者は裁判においては情状酌量、になりますが、この手の真実は人の数だけあるので、基本的に明らかにはなりません。
で、本当にあった事実、ですが、こちらも明らかにするのはほぼ不可能なので、有罪判決を下すのに必要なのが、合理的疑いを超える立証になっています。真実を明らかにできるなら、真実が明らかにできなければ無罪、です。
もし、真実を明らかにする場、というのに、裁判官、検察、弁護士が手を取り合って一つの答えを出そうとするのを望むのだとしたら、それは容易に冤罪を生じせしめる制度になるだろう、ということで、現在の検察と弁護人がそれぞれの立場で闘い、裁判官が裁定する、という制度はできました。三権分立の一つ司法でも三権分立することで、不正を防ごうという制度(どの程度機能しているかは別として)です。今回のドラマでも、心象に於いては三つの立場の人間皆が、黒だ、と感じています。これがそのままに突き進んだなら、事実に関係なく有罪が下されることは避けがたいといえます。
私が想像する作者の意図は、制度ありきではなく、裁判というものがどういう制度か自体をある程度勉強してね、というものではないかな、というものです。
裁判も、人が行う以上何らかの理念がなくてはルールがつくれない。なのでどのような理念で現在の司法制度が策定されたのか、今回裁判員制度を導入することにはどんな意味があるのか・・・などを考えてみましょうといった。
ま、その理念が見えないんですけどね、今回の制度。
ドラマと詳細な原作の相関関係、ありがとうございました。
裁判官、検察、弁護士がそれぞれの立場で、その役割を全うするのが原則で、そうすることによって公正な裁判が行うことができるということは、一応理解していたつもりです。私の言葉が足りなかったのを、補足していただきありがとうございました。
で、私が言いたかったのは、被告人が実際に罪を犯して、そのことを弁護士も知っていても、証拠が不十分で、罪を犯したことを立証されるのが困難だと判断した時に、無実を主張する。
あるいは、意思(殺意)を持ってその行為をしたと知っていても、罪を軽くするため、事故や正当防衛(過剰防衛)を主張することがあるかもしれないことです。
でも、実際問題として、被告人や弁護人が正直に罪を認めるなんて考えられないので、裁判官、弁護人、検察官の三者が、それぞれの役割を全うすることで裁判の公平性を保つしかないのかもしれませんね。勝つか負けるかを争うのが裁判と割り切るべきなのでしょうね。
しかし、罪を軽くする、あるいは責任能力がないとして罪を逃れるため、ドラえもんを口に出させるのは、弁護士としての正義を疑いたくなります。
話が戻りますが、弁護側が真実を隠して罪を軽くしようとする可能性があるので、裁判官は提示された証拠のみで判断するのは、真実と違う裁定を下してしまう危険性があるのではないかと思ったわけです。だから、ある程度(その基準が難しいですが)弁護人も無実の証明が求められてもいいのではないかと思いました。
> 裁判も、人が行う以上何らかの理念がなくてはルールがつくれない。なのでどのような理念で現在の司法制度が策定されたのか、今回裁判員制度を導入することにはどんな意味があるのか・・・などを考えてみましょうといった。
ま、その理念が見えないんですけどね、今回の制度。
まったく、おっしゃるとおりです。
死刑廃止に関しては、私はかなり肯定的、それでうまくいく社会であって欲しいですし、少なくとも端から否定するような意見ではないと思います。ただ、それを宣伝する為に有名になった裁判に首を突っ込んで、失笑するしかないような出鱈目を言わせるのは目的による手段の正当化で、勿論裁判官も取り合わずその主張の論理的破綻をきっちり示して否定しました。
ただ、流石にあれは特殊な事例で、ああいうことを言われてそれを真に受ける裁判官がいた場合は制度というより個人の問題(あの弁護士も)な気がします。
> ある程度(その基準が難しいですが)弁護人も無実の証明が求められてもいいのではないかと
これをやるとしたら、検察の側により重い有罪の証明、証拠が本当である証明を課さないと検察側が強くなりすぎる気がします。
裁判員制度導入にあたり、取調べの一部始終を録画し、関係者の閲覧に供すべき、との意見に検察は強硬に反対しています。自白を引き出しにくくなる、という理由ですが、見せられないような取調べで得た自白を信用してくれというのは、個人的にはできません。この世に訪問販売やキャッチセールスが存在し、真理実験では多数の人々が権威者の命令により危険な領域まで電流のレベルを上げ、オレンジジュースを他の五人がリンゴジュースと言えばそれに話を合わせる結果が出ています。
まあ人が人を裁くという難しい問題ですから簡単ではないですね。
ふと思ったのですが
体罰の問題で、体罰絶対反対と言う人は、死刑も絶対反対なのかな? 実際には体罰は絶対だめだが死刑はいいという人もいると思うが、そこはどう理論の整合性を保っているのか聞きたい気がします。
ドラえもんの例は極端でしたが、まあ、そういう心配(真実とズレた弁護や裁定)をしているわけです。
取調べの録画ですか。基本的には、なされるべきだと思っています。
自白は引き出しにくいとは思いますが、自白に頼る捜査はなくなります。言い逃れできない証拠を示す必要になります。
また、録画することで、自白を引き出すテクニックも使いにくくなりますね。
神代さんのおっしゃる誘導や強要や長時間の尋問は論外ですが、「故郷のおふくろさんが…」とか、囚人のジレンマ(共犯者の自白に関する揺さぶり)などですね。
死刑については、よく分からないというのが、正直なところです。
さて、総が自分の推理を示さなかった理由です。
それは詰まり、裁判制度の、立証責任は全て検察のみにある、ということの理由ということになります。それは近代司法の原則である
「真犯人(真実)を明らかにするよりも、冤罪(真実とはことなる社会的事実)を産み出さないことを優先する」
に集約されます。
では、仮に総のように検察が見落としたポイントに気がついた者がいた場合、それを指摘すべきか否か。
その行為が「冤罪を誘発」するかどうか、が問題になります。
フィクションの場合、フィクションの真実は創作者が規定するものであり、真実に至るのも冤罪も誘発するのも創作者の意図により、殆どが真実に至るので、多くは主人公がルールを破っても問題がない風に見えます。
しかし現実にはそうではありません。
検察以外の人間の指摘を検討するとして、検察以外のどの範囲の人間の指摘を受け付けるのか。その指摘が検討に値するものかどうかを誰が判断するのか、という問題が生じます。もしそれが検討に値するものだとなった場合、その時点でその裁判は中断し、再捜査されるべきでしょう。
また、検察以外の指摘を受け付けるとなると、弁護士以外の弁護も受け付けるのが筋です。それらを検討に値するかどうかの判断をきちんとしなければ有効には機能しないし、またそれを簡単にきちんと判断するような能力は人間にはないのです。
裁判のルールは、その都度だけ有効性だけではなく、権力の腐敗を予防する意図が含まれています。
例えば総のような明晰な頭脳の持ち主の指摘を取り入れるとして、それが冤罪を誘発しないよう取り入れられるには、
「明晰公正な裁判官(裁判員)」
「公正な価値観、判断力の検察、弁護士」
「同じく同様の資質の国民」
理想的にはこれだけのものが必要です。
ですがそんなものが全部揃うなんてことは夢物語で、現実的には誰もが(当人以外は)やっていい筈がないと思う検察による「作文」や、金儲けや目立つ目的を最優先する弁護士(確か橋下がその為に政治家や弁護士になるのだ、と自身の著書で記していたように思います)が存在します。
裁判というものを真実を追求することを第一の目的にするには人間はまだまだ力量不足ということでしょう。
追記 「冤罪はあってはならない」というのは思考停止に陥る言葉。「冤罪を少なくするにはどうしよう、冤罪がなくならないであろうことをどうとらえよう」と考えるのが思考。
3.有罪とするには「合理的疑いを挟まぬ証明がなされればよい」。(被告人が犯罪を行ったのは、まず間違いないと自分自身確信することができ、他の者もそう思うだろうなあと思える程度の証明)
原則は冤罪を生まないのが第一、ですが、この3番のルールは原則を妥協した、実際に運用する為のものです。
まず合理的疑いを挟まぬ証明というのは、その他の可能性が考えられない、ということではありません。ある程度可能性が高ければいい、ということです。また、日本の制度だと、そう思う基準は個々の裁判官と裁判員にまかされているので、思い込みが激しい人と、自分の考えに慎重な人ではかなり差がでることを認めています。
冤罪はないのがいいのに決まっていますが、それは人間には不可能です。直接証拠でさえ、有罪とされた判断が間違いであった事例が近年続いてます。まして間接証拠の積み上げでの冤罪は、ルールで認められてさえいるのです。
近代司法というのは飽くまで「できる範囲で真実を追求する」もので、その様々な制限は多く「でも真実を明らかにする能力など人間にはないことを忘れるな」というメッセージを含んでいると思います。
3年もまたいでのコメントに、驚きと感謝です。また、この記事が3年前というのにも、時の速さに驚きを感じました。
>「真犯人(真実)を明らかにするよりも、冤罪(真実とはことなる社会的事実)を産み出さないことを優先する」
なるほど。
私なりに冤罪について、単純計算的思考を試みます。
①非常に怪しいが犯人と断定できないので、「疑わしきは罰せず」に従って、無罪とした。
この場合、被告が犯人だったとします。とすると、犯人を裁かず、危険人物を世間に解き放ったというマイナスがあります。
②冤罪
この場合、被告は無実だったとします。とすると、真犯人はやはり裁かず世間に放置。その上、無実の人間を罰してしまうので、①より更に大きいマイナスとなります。
よって、冤罪を生むのは避けなければならない。……というふうに考えられます。
>裁判というものを真実を追求することを第一の目的にするには人間はまだまだ力量不足
>冤罪はないのがいいのに決まっていますが、それは人間には不可能です
>近代司法というのは飽くまで「できる範囲で真実を追求する」もので、その様々な制限は多く「でも真実を明らかにする能力など人間にはないことを忘れるな」というメッセージを含んでいると思います。
ええ、そう思います。
ただ、検察と弁護士の主張の綱引きのみで罪を決定したり、裁判に勝てば真実なんてどうでもいいという考えは、止めてほしいです。
真実を追究する姿勢は、持っていて欲しいです。
ちなみに、今、放送されている『リーガル・ハイ』の主人公は、「(真実を明らかにしようとするのはおこがましい)裁判の結果がすべてだ」という主義でした。(多少、私の曲解が入っているかもしれません)
冤罪を出さない方を優先するのは、歴史的には「権力者の横暴」を防ぐ為であるようです。国民主権の場合、多くは国民自身への自戒になるでしょう。
今回の小沢一郎の無罪判決ですが、法律的には証拠不足で無罪です。でもまあ誰が見たってあやしい、だから「どうして無罪なんだ」という世論が強いですが、これが証拠不足で有罪になったら、小沢一郎に比べて金も権力もない普通の市民を有罪にするのに、証拠なんて不要という社会になっても不思議ではない。
オウム信者ということで正当な理由なく逮捕するということを国民が赦したことがありましたが、その前例から選挙のチラシを投函していただけで逮捕されるということにつながりました。無許可だったそうですが、以前なら到底逮捕などできないし、したら大きな非難を浴びたでしょう。
小沢一郎の件に戻ると、「政治資金規正法」がざる法なのです。おかしいのは無罪判決ではなく、法律の方ですね。
キャラクター作成として、極端に〇〇を一つ二つ(多くしすぎると単に破綻したキャラになる)くっつけると楽、というのがあります。
同時にそれを物語のテーマに絡ませるとお話つくりがちょっと楽になる。
テーマが決まっていれば、そういう特徴の主人公をおくことで、対立するキャラも立て易くなるしで多く使われるパターンですね。
「真実を明らかにしようとするのはおこがましい」
というのが直接セリフであったかどうかはわかりませんが、そのような表現がドラマにあったのだと思います。これは納得できますし、「自分が思っていた判決が出ると人はそれを真実と簡単に言ってしまう」というような現実を踏まえてのものでしょう。それに対して
「裁判の結果がすべてだ」
ものすごく短絡的な結論ですね。
普通のパターンとしては、この結論に至る背景が最終回までに語られ、それを肯定するなり否定するなりする形で、物語で最も言いたいこと、が語られます。
この主人公が魅力的になるかならないかは、ほぼそこに集約されて、「う~ん」と考えさせられることができれば、成功といえるでしょう。
実際でも、人間はメタ認知に至らないことは中々人に説明できないので、説明できる論理から結論が飛躍していることは珍しくありません。思考を続ければメタ認知が広がり、それが更に結論を有機的に変化させ、認知範囲を広げていきます。
キャラクターが単に思考停止している場合は非常にがっかりします。
毎回同じ結論にならない結論で終わる酒飲みの議論を素面で聞かされたように。