英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒season12』 第19話(最終話)「プロテクト」

2014-03-21 16:31:27 | ドラマ・映画
最終回スペシャルに相応しかったのは、キャストだけ。
小野田官房長に瀬戸内米蔵、それから甲斐峰秋。
ゲストに大物の中村嘉葎雄さんを起用、官房長の従弟で新浜市役所の雁屋氏(中村高志)も味があった。次男の弁護士・悠二役の篠田光亮さんの雰囲気も良かった。

★レギュラーの1時間枠で良かった内容
 最終回スペシャルの2時間9分枠であるので、余計、がっかり感が大きいのかもしれない。
立て籠もり劇も杜撰。真一は舎弟を使わず、切れ者に見えた次男の悠二も凡人並の働き。小野田流“証人保護プログラム”で守っていた智三を探し出して危険にさらさなくとも、立て籠もった真一の粗雑振りを考えると、瀬戸内を保釈して人質を交換した時点で真一確保の手段を講じた方が合理的。
 智三が死んでいたという事実(フェイク)を突き止めたが、真一が納得しないという理由で嘘をつき、それが、康次郎(中村嘉葎雄)の言葉の信用性を薄くさせてしまった。SITも監視スコープを発見されてしまう迂闊さ。
 右京の対応を含め、ストーリーにグダグダ感が強く、残念な最終回だった。

★複雑で、ままならない父子愛(ママならないから父なんだけど……失礼しました)
「これはおれの役目なんだよう。この手で智三ぶっ殺して、お父ちゃんの喜ぶ顔が見たいんだよう!」
「僕は愛したんだよう!息子を、三人三様に。でも、差が出る」


 父・康次郎に気に入られようと何でもする長男・真一
 一方、康次郎は三男・智三を溺愛(長男、次男にも愛を注いだが)
 しかし、智三は親の悪行を嫌い、悪事を告発して、去って行った

 康次郎は峰秋の心を見透かしたように言葉を放つ。
 甲斐兄弟は、長男は父に気に入られるような東大・エリートコース。次男・享は父を毛嫌いしている。
 峰秋は上面はともかく、享のことを……(笑)

★矛盾する右京の信念
「(小野田官房長は)掟破りの手法ですからねえ。ルールを完全に無視しています」
「仮にも権力者たる者が私情によって法律を蔑ろにするということに、僕は如何なる事態であっても、賛同することはできません。たとえ、それがどんなに美しく気高い私情であったとしてもです」


 いったい、どの口がこのセリフを吐いているのか?
 警察庁次長に強権を発動させ、瀬戸内、さらに康次郎まで一時保釈させたのは誰なんだ?


☆(なぜか)心に引っ掛かったセリフ
「一番目同士の組み合わせでは、ダメなんでしょうか?」(右京)
 「2番ではいけないでしょうか?」ちょっと内容は違うが、思い出してしまった。

「なんなら、彼(参事官)と直接話そうか?」(峰秋)
 峰秋の指示を、オウム返しのように参事官に命令する内村刑事部長に対して、峰秋がチクリと。


【ストーリー】番組サイトより
 闇社会の大物・御影康次郎(中村嘉葎雄)の死刑が確定した。有罪の決め手になったのは、彼の三男・智三(冨田佳輔)の証言だった。出所したばかりの長男・真一(阿部進之介)と弁護士の次男・悠二(篠田光亮)は、父親を裏切った弟・智三が許せないため探そうとするが、どうしても見つからない。
 どうやら、警察がアメリカの“証人保護プログラム”に似た個人情報の書き換えをおこなったからなのではないか。悠二はそれを主導したのが、今は亡き元官房長・小野田公顕(岸部一徳)ではないかと踏んでいた。
 ちょうどそのころ、亡き小野田官房長による一億円の使途不明金事件が明るみになった。まさに智三の行方がわからなくなった時期と同じころだ。事件が事実なら、小野田のことなので何か必要なことに使ったに違いないという右京(水谷豊)。
 真相を突き止めるため、康次郎は同じ拘置所内で拘留中の元衆議院議員・瀬戸内米蔵(津川雅彦)に接触する。瀬戸内が小野田と昵懇だったのは下調べ済みだ。
 看守らを巻き込み瀬戸内を巧みに強請る真一。瀬戸内は、右京に連絡を取り、智三の行方を探る事を依頼する。ただ、別人になっている智三をどうやって探せばいいのか。米沢(六角精児)らの協力を得て、右京と享(成宮寛貴)は雲をつかむような捜査に臨むのだが…。
 果たして右京と享は智三を見つけ出すことができるのか?!

ゲスト:中村嘉葎雄、津川雅彦、阿部進之介

脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『福家警部補の挨拶』 第1... | トップ | 順位戦 C級1組 解析その1 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何がいいたかったのか不明 (かみしろ)
2014-03-29 07:51:17
右京の遵法主義は最早冗談だと思わないと、右京がまともに接するべき人間ではなくなってしまう。右京が超然としたキャラであるだけに、自分の主義の根っこが全くダブルスタンダードであることに気付いていないとしか見えません。気付けない、感じることができないというのは、その点について「つける薬がない」タイプの馬鹿ということで、最早どんなシナリオライターの腕をもってしても悪い冗談にしかならないでしょう。
「三人とも愛したが、どうしたって差はでる」
みたいな台詞が強調されていて、
その差が三人の人生の差となって顕れてしまった、ような感じにしたいのかな、と思ったのですが、
「どう考えたって一番悪いのはやくざの親分の息子だったということ」
その条件下で
「持って生まれた資質と性格」
により生じたようにしか見えない。

次男の弁護士が単独、自分だけで兄に協力していたとこから見ると、どうやら普段はまともな弁護士として活動(違法行為に協力を頼める人間が周囲にいない)しているらしく(まあ微妙ですが)、出自を考えれば大成功といえるでしょう。
長男だけ親離れに失敗した結果「粋がっているのがローティーンの男の子なら可愛げもあるが、三十路を迎えてあれでは」という失笑ものの人間になってしまったのは、親からの愛情の差、という前提で成立させようとしたのでしょう。
でもその前提条件が全く成立していない~。結果スカスカな内容になってしまったと思われます。
返信する
残念な最終話 ()
2014-03-29 10:33:42
かみしろさん、こんにちは。

>右京の遵法主義は最早冗談だと思わないと、右京がまともに接するべき人間ではなくなってしまう。
>自分の主義の根っこが全くダブルスタンダードであることに気付いていないとしか見えません。

 せめて、他人に遵法を強いる時には、違法捜査をしないでほしいですね。
 あと、右京の違法捜査を指摘するのが、相棒としての享の役目だと思います。

>長男だけ親離れに失敗した結果「粋がっているのがローティーンの男の子なら可愛げもあるが、三十路を迎えてあれでは」という失笑もの

 犯人が幼稚、立てこもりも杜撰、右京の対処も不合理と、残念な最終話でした。
返信する

コメントを投稿

ドラマ・映画」カテゴリの最新記事