英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『週刊将棋』4月4日号 詰将棋入門 解答

2012-05-25 21:00:20 | 詰将棋
『週刊将棋』4月4日号 詰将棋入門の解答です。


 初手は、まず▲2四桂と開き王手。


 これに対し、△3四歩と普通に合駒するのは


 ▲4三馬(または香成)で詰みます。


 そこで4三に利かせて△3四銀打と打ちますが

 やはり▲4三馬とされると、


 3七の香が利いていて、△4三同銀とできません。(△3四銀打の代わりに△3四角と引いても同じです)

 ところが、初手の▲2四桂の開き王手には△3四銀と

 2三の銀を移動させて受けるのが好手(好守)です。
 この手の意味は、2三に空間を空け、玉の逃げ道を作ることにあります。つまり、これまでと同様に▲4三馬とする手に、△2三玉と逃げることができ

 以下、▲3二馬と追っても、△1三玉でつかまりません。

 では、玉を2三に逃がさないぞと、△3四銀に対し▲3二馬とすると

 4四の香車が浮いてしまい△4四玉でこれも失敗です。

 と言うわけで、初手▲2四桂は好守の△3四銀があって、惜しくも詰みません。
 そこで、今度はズバッと▲3二馬はどうでしょうか?

 詰将棋では、こういった捨て駒は常套手段で、中級者以上はまずこの手が浮かぶのではないでしょうか?特に、本問ではこの手によって両王手が出来そうです。開き王手も厳しいのですが、両王手はもっと厳しく、必殺技と言って良いでしょう。特に3手詰や5手詰のフィニッシュに多く用いられます。
 さて、この▲3二馬は只なので、攻め方の意図を汲み取って、△3二同玉と取るのが礼儀?です。
 そこで、待ってましたと▲2四桂と両王手!

 これで詰んでいます。まさに必殺技です。

 次に両王手は嫌だと、▲3二馬に△3二同銀と取ってみましょう。
 しかし、今度は2四の地点が弱くなり、▲2四銀成が生じます(詰み)。


 最後に、初手▲3二馬を取らずに△3四玉と脱出を試みます。
 只の馬を取れないのは、悔しいのですが、攻めるほうも只捨ての駒を取らない手が読み抜けていることが多いのではないでしょうか。
 実戦で、決めたつもりで逃げられてしまったり、事なきを得ても内心ドキリとすることは多いのではないでしょうか。

 もちろん、本問の場合は、大丈夫。
 中空に逃がしてしまった感じもありますが、▲4三馬で捕まっています。


 本問は、初手の紛れと、この変化の味(いったん玉の尻に入り、3四に逃がして1六の角の利きを玉で遮断しておいて▲4三馬で詰み上げる)がよく、作品の質を高めていると思います。

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