英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2018竜王戦第7局【追記】 ~そもそもの裏目の手~  ≪補足あり≫

2018-12-22 17:24:42 | 将棋
「2018竜王戦第7局 ~何だか、良くないような……~」
「また獲ればいい… (2018竜王戦第7局)」の追記です。

 「また獲ればいい… (2018竜王戦第7局)」で羽生竜王の指し手の“裏目振り”について書いた。しかし、棋譜中継のコメント欄で、感想戦の検討が補足されており、それを読むと、更なる裏目と言うか、“そもそもの裏目”と言えるような解説(羽生竜王のコメント)が載っていた。
 それが下図。

羽生は「突き捨てが余計だったですか。筋と思って突き捨てたんですが」と振り返った。この△8六歩を入れずに△2七角成は有力だった。本譜は突き捨てを入れたことで、先手にある手段が生じることになる。
 その“手段”とは……

 8筋を突き捨てたために、この桂打ちが生じた。「打たれてみると、応接が難しかった」と羽生。
 ▲8五桂△6三金に、▲7三歩と垂らされ、羽生竜王は△7一歩と辛抱したが、前日の記事でも書いたが、利かされ過ぎ。7筋に歩が立たなくなり、攻撃の幅が狭まり、飛車の横利きもなくなってしまった。
 藤井猛九段は「後手ちょいよし」との見解。ここから△2五馬▲3六歩△8二飛▲6五歩△7六歩▲同銀△4五歩▲6四歩△6二金▲7一角△9二飛▲9三桂成△6一金▲9二成桂△7一金▲6三歩成△4四角という進行を有力と見ている。最後の△4四角が急所のラインで、△9九角成と△6六桂の狙いがある。
 感想戦で羽生竜王も「なるほど……難しそうですね。これもあったかもしれません」とのこと。


 ここ数年、“筋と思って”の「突き捨て」や「歩の叩き」が損だったということが良くあるように思う。
 以前は「なぜ、突き捨てを入れないんだろう?」と思うことが多かった気がする


 実は、「羽生王座失冠に思う」が「その7」で中断、放置状態。
 そのシリーズと内容は少し異なるが、「最近の羽生将棋について感じること」(仮称)というような感じで書こうと思っていますが、いつになることやら……
 最近でも「2018将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝 その2」「2018竜王戦第6局・その1」で放置状態で、まず、その続きを書かなければならないのですが…



【追記の補足】

 裏目図3で羽生竜王は△2二玉と馬筋を避けたが、これが敗着となったようだ。
 裏目図4と2三の地点を直撃されてみると、1手を掛けた価値がなかった。
 「△4三金▲2四歩△3四歩が調べられ、以下▲3四同銀△2四馬▲4三銀成△同銀▲3五金△4四歩▲2四金△4五歩▲3五桂△2四歩ははっきりしない」とのことだった。(棋譜中継、解説より)

 それにしても、3一⇒2二⇒1二⇒2二と動いた後手玉の動き、辺境で活躍できなかった後手の飛車と馬と成香、ぽろぽろ取られてしまった押さえ込みを図った金銀と、すべて裏目に出てしまった将棋だった。
 
コメント
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