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英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2023大相撲秋場所 雑感

2023-09-26 20:31:21 | スポーツ
「こんな相撲を見るために、15日間も観ていたわけではない」の続きのようなものです)
 引退や怪我などで横綱不在の場所が多い最近(照ノ富士は“致し方なし”のような気も…)……

【最近、感じること】
1.平幕力士の優勝が多い
 令和以降の平幕優勝は
阿炎………令和4年九州場所(11月場所)・西前頭9枚目・12勝3敗
玉鷲………令和4年秋場所(9月場所)・東前頭3枚目・13勝2敗
逸ノ城……令和4年名古屋場所(7月場所)・西前頭2枚目・12勝3敗
大栄翔……令和3年初場所(1月場所)・西前頭1枚目・13勝2敗
照ノ富士…令和2年名古屋場所(7月場所)・東前頭17枚目・13勝2敗
徳勝龍……令和2年初場所(1月場所)・西前頭17枚目・14勝1敗
朝乃山……令和元年夏場所(5月場所)・西前頭8枚目・12勝3敗
 と、異常に多い。一昔前は5年に1度くらいの頻度であった。ただ、過去にも平幕優勝が頻発する時期が散見できる。これは、横綱大関が怪我などで休場や不調が続いたせいだと推測でき、それはそのまま、現状に当てはまる。

 パターンとしては、もともと役力士であったが、直前の場所で星が上がらず、平幕に転落した実力者が、星を伸ばす。(怪我により、全休や2場所連続大負けし、幕内下位まで下がって、大勝ちするケースもこれに類する)
 それと、伸び盛りの若手が勝ち星を伸ばし、その勢いで優勝(若手ではないが、徳勝龍もこのパターン。この場所だけ強かった・笑)

2.立ち合いまでが非常に長い
 「制限時間一杯」が告げられ、身体を拭いた後。土俵中央に向かう時、塩をまく。
 そして、蹲踞(そんきょ)の姿勢(爪先立ちでかかとの上に腰を下ろし、膝を開いて上体を正す姿勢…剣道でも行う)を取る。
 そこからが長い!
 蹲踞の後、立ち上がる。そこから、ゆっくりと腰を割りながら状態を下げ、両手こぶしを仕切り線の上に乗せる。(足の構えや手の指の開閉は違うが)腰から上はクラウチングスタートの姿勢に似た構えを取る。そこから、行司の「八卦よい」の掛け声で前に踏み出すのだが……
 腰を割りながら状態を下げる動作に移るまでが長い!
さらに
 腰を割って、両手を仕切り線に付けるまでが、長い!

 そりゃあ、立ち合いが勝負を分ける大きなポイントなのだから、一番のタイミングで立ち合いを決めたい。
 “相手との呼吸を合わすため”というのもあるが、逆に、“相手の呼吸や気合を読んで、それを微妙に外すため”でもある。
 もちろん、この立ち合いの駆け引きも、相撲の奥の深さであり、面白さでもあるが、長い、長すぎる!

3.土俵際の逆転が多い(理由として次の4つを挙げる)
①体が大きいので、足を運んで押し切る(寄り切る)よりも、勢いのまま体を預ける方が楽
②皆が、最後まであきらめなくなった(捨て身の突き落としが増えた)
③勝ち負けの判定で、「体がない」を重要視しなくなった。
  「体がない」……土俵に留まることができない体勢。地面(床)に足や手や胴体がついてはいないが、押されて、土俵の外に身体が飛び出した状態。「残り腰がない」と表現される。
 以前は、突き落とされて、先に前のめりで身体が落ちても、相撲の流れを重視して、押している方を勝ちと判定した。
④ビデオ機器し進歩によって、押されている力士が俵を踏み越していないのが(わずかに踵や足の裏が浮いているのを、映像で確認できるようになった
 
【各力士の感想】
貴景勝
 押す圧力はトップクラス。万全な状態での強さで言えば、照ノ富士を除けば、1,2位。
 ただし、ケガで万全な状態で臨めることが少なく、押し切れず、相撲が長くなると、勝率がガクンと下がる。
 相撲を取り切るスタミナがない。それを自覚しているので、押しを受け止められた時、相撲が単調になる。
 一旦、動きを止め、身体全体でぶちかます。威力はあるように思うが、相手力士も、タイミングがわかるので対応しやすく、更に相撲が長くなり、敗れる。
 それと、押しを受け止められた時、分が悪くなると思うのか、張り手に頼る傾向もある。一度張り手を繰り出したら、4,5度繰り返す。「品格のない」相撲に陥る。
 今場所で言うと、対正代戦。張り手を何度も繰り出したが、張り手に拘り過ぎ、まともに正代の寄りを食らってしまった。
 解説者は、この一番での貴景勝の張り手を見て、「張り手を繰り出すと、状態が起きてしまうので、良くない。そこを正代に突かれた」と述べたが、確かに、そういう張り手の短所もあるが、《張り手に頼ろうとした》弱い気持ちと、張り手に固執した隙が、負けを呼び込んだのである。
 優勝決定戦での変化については、前記事で書いたので、書くまいと思ったが……優勝インタビューでの殊勝な言葉が評価されているのようなので……

「“絶対に負けられないという強い気持ち”で臨んだ」
 確かに、大関の立場で、《若い平幕力士に優勝をさせてはいけない》という気持ちは理解できる。しかし、《優勝決定戦で若い平幕力士相手に、最初から変化して勝ちにいく》という姿勢は全く評価できない。“絶対に負けられないという強い気持ち”という言葉の響きに、世間は(マスコミも)ごまかされているように思う。
(変化について聞かれて)
「右差しを徹底して封じようと思った。ああいう形で決まるとは思わなかったですけど、きちっと集中して自分のやるべきことをやりました」
 立ち合い直後、両手を上に挙げて、叩く動作に入っていたので、《右差しを徹底して封じよう》としたようには、全く思えない。
 熱海富士の状態が突っ込み過ぎていたのを瞬時に判断しての“はたき込み”だった可能性もあるが、立ち合い直後の動作開始だったので、最初から変化する気持ちが大きかったと考える。
 それに、《右差しを徹底して封じよう》と考えたのは事実かもしれないが、その考えと“はたき込み”は整合性が全くない。

熱海富士
 熱海富士の所作を見ていると、”わんぱく相撲”が、そのまま"大相撲”になった……そんな感じがする。
 猛稽古で、真っすぐな押し相撲に加え、天真爛漫さ魅力的。
 足腰もよく、体幹もしっかりしている。
 しかし、立ち合い前の足の裏で土俵を掃くようなダンスまがいのステップは、好きになれない。

阿炎
 “外連味(けれんみ)のない相撲”というような表現があるが、阿炎の相撲は外連味がたくさん。
 10%近くは、①最初から立ち合いの変化を考えている。20%は②取りあえず当たっておいて、どこかで“引こう”と。
 35%は③当たっておいて、相撲の流れによっては“引こう”
 35%は④強く当たって、押し切ろう(突き切ろう)……そんな感じがする。
 今場所の取り口を検証してみると……対朝青龍④、対若元春③、対大栄翔④、対霧島②、対貴景勝②、対明生③、対朝乃山②、対正代③、対翔猿④、対隆の勝①、対宇良③、対遠藤①、対琴ノ若②、対熱海富士①、対北勝富士②

 正攻法で押してほしいなあ。

錦木
 先々場所後半から覚醒した。先々場所後半~先場所前半までの期間がひと場所だったら、文句なし優勝だった。
 とにかく、低い重心から押し上げる圧力は随一。
 今場所は万全ではなかったのか、押す圧力も2割減で、しかも、前に落ちることが多かった。
 来場所に期待。

正代
 強い時の最大値だったら、角界一かも。
 大関時代は、粘り腰だけで相撲を取るようなヘナヘナさだった。大関陥落後の方が、相撲内容が良い。
 強い時の比率が増せば、大関復帰も大いにある。

翔猿
 外連味と言えば、翔猿も頭に浮かぶ(阿炎のそれとは、質が違う)
 やや小柄なので、それを補うために、あれこれ手を出し、動く。《何をされるか分からない》という警戒感から、相手が躊躇しているうちに、どんどん自分のペースに引き込む。
 とにかく、あれこれ動き、スタミナも相当ある。相手は精神的にも体力的にも消耗し、ついには、翔猿の軍門に下る…という展開が多い。

大栄翔
 突き押し相撲は魅力的。
 突こうとする気持ちが強すぎて、足がついていかないことがあり、前にバッタリ落ちてしまうことがよくある。
 あと一足分だけ足を前に出してつくことを心がければ、もっと勝てるはず。

高安
 何度も何度も優勝のチャンスがありながら、するりと逃がしてしまう……
 特に、若隆景との一番。激しい相撲の末、若隆景を追い詰め、賜杯を掴みかけたと思った瞬間に、粘り腰に合い、逆転負け……
 一度、優勝させてあげたい

豊昇龍
 足腰、反射神経の良さは抜群(気も強い)で、魅力ある相撲。
 いつも怖い顔をしているが、先場所の優勝インタビューで、家族の次に報告したのは「叔父さん」と言った時の、ニッコリ顔は素敵だった(ツンデレか?)

霧島
 足腰もよく、上半身の力もあるので、まわしを取ったら強い。
 うまさもあり、速い動きにも対応できる。万能タイプ。
 注目される前から、個人的には注目しており、《ブログに書けばよかった》と後悔している。

北青鵬
 長身で、腕力、握力が強そう。
 右上手一本で相手を振り回せる。
 なので、肩越しからまわしを取るような強引な取り口が多い。それでも勝ってしまう。(正攻法ではないが、魅力的)
 師匠は宮城野親方(白鵬)でなので、かなり肝が据わっている。
 親方も、敢えて、自ら口を出さないのだろう。
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こんな相撲を見るために、15日間も観ていたわけではない(2023年大相撲秋場所)

2023-09-24 18:31:57 | スポーツ
中継でリアルタイムで観た時間は少ないが(2日に一度、5時半ぐらいから30分)、それでも、深夜の『大相撲幕内の全取組』は毎日チェックしていた。
横綱・照ノ富士の休場、新横関・豊昇龍、大関2場所目のカド番大関・霧島の苦戦、平幕の熱海富士が星の差2つで快走するなど波乱が多かった秋場所だった。
だが、終わってみれば、大関貴景勝が優勝決定戦で熱海富士を破り、4度目の優勝
………結果だけ見ると、落ち着くところに落ち着いたのだが、とんでもない決着のつけ方だった。

 秋場所の終盤は優勝に手が届きそうなところまで来ていた熱海富士だったが、連敗し貴景勝に並ばれてしまった。ところが、翌14日目に貴景勝が敗れて、千秋楽を単独トップで迎えることになった。
 星一つ差の10勝4敗で、貴景勝、大栄翔、高安、北青鵬が続く。
 本割で熱海富士が勝てばすんなり優勝だったが、元大関・朝乃山に完敗し、上記4力士にも優勝のチャンスが巡ってきた。
 千秋楽の「これより三役」で北青鵬-豊昇龍、貴景勝-大栄翔、霧島ー高安と優勝に絡む4力士が土俵に上がるという最高の盛り上がり。
 北青鵬と高安が勝つと、貴景勝-大栄翔の勝ち力士、そして熱海富士の4力士で優勝決定戦を行うという可能性もあった。
 残念ながら、北青鵬と高安は敗れ、大栄翔を破った貴景勝と熱海富士の優勝決定戦となった。
  個人的には、高安と大栄翔のファンだったので、がっかり。しかも、貴景勝と熱海富士は嫌い(理由は後日)

 それでも、熱戦の期待して優勝決定戦を待った。
 しかし……

 しかし、貴景勝が立ち合いで大きく変化。
 思い切りぶつかろうとした熱海富士が前のめりになり、そこを貴景勝がハタキ、ばったり土俵に倒れる熱海富士。
 優勝決定戦で、しかも、大関が平幕相手に変化技……
 大関と言えば、“角界の顔”だ。多額の給料を貰っているはず。
 それが、大勢に相撲ファンの期待を裏切る所業。会場には大勢のファンが声援を送っていた。その声援を裏切る所業。
 大関をやめてしまえ!


 過去に、横綱・日馬富士、横綱・鶴竜も優勝決定戦か優勝を決める一番(本割)で、大変化をしたと記憶している。(他にも、あったかも)
 
 熱海富士は優勝目前に足踏みを繰り返したものの、気持ちを立て直して優勝決定戦に臨み、思い切りぶつかろうとした。
 熱海富士は好きではないのだが、気の毒に感じた。
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2023バレーボールワールドカップ……“落ちぶ…” "成り下…”

2023-09-23 12:14:52 | スポーツ
不適当な表現だが、“落ちぶれた”、“成り下がった”という言葉が出てしまう。

 オリンピック、世界選手権と並ぶ“3大大会”とし位置づけられていたが、2015年大会からワールドカップにおけるオリンピック出場枠を3→2となり、徐々に権威が低くなっていった。
 そして、2019年大会は同大会による五輪出場権を獲得できなくなった。さらに、2020年9月、FIVBより「ワールドグランドチャンピオンズカップとともに当大会を廃止」と発表された(ウィキペディア記載より)

 ……それで、五輪予選として、開催国フランス以外の世界ランキング上位24か国が、3グループに分けられ、8か国リーグ戦の上位2か国(計6か国)が五輪出場権を獲得することになった。
 で、日本で開催される五輪予選を“ワールドカップ”と称することになった…らしい

 参加がたった八か国で、日本の他の強豪国が取ることブラジルしかいない……しょぼい大会になったなあと思ったら、それ以下の状況であった。
 五輪予選のひとつのリーグに過ぎない、“ローカル大会”に落ちぶれてしまっていた。
 何とか、“ワールドカップ”という名称は残ったが、完全に名前負けである。



 日本チームは5戦全勝と快調だが、下位チーム相手なので順当と言える。
 チーム力も近年では最強。
 アウトサイドヒッターは、古賀、井上ともに決定力が高く、セッター対角(オポジット)の林も攻守万能。
 控えの石川、和田はパンチ力がある。(サーブも協力)
 ミドルブロッカー陣も、攻撃力、ブロック力もここ数年では最高クラス。(もっと宮部を育ててほしい。かなり戦力になっているが、ポテンシャルはもっとあるはず)
 関のトス回しも安定している。
 リベロの福留は、手の届く球は全部上げるというイメージだ。

 これまで5戦は、第1セットを競り勝ったのが大きい(第1セットを落としていたら、危なかったと感じる試合もあった)。勝負強さがあると評価できる。
 問題は残り2試合の対トルコ(世界ランク1位)、対ブラジル(世界ランク4位)戦。((ランキングは9月8日時点)
 連敗したら、出場権はほぼダメ。
 1勝1敗の場合……
(トルコ、ブラジルが日本戦以外の試合に勝つと仮定)
 トルコに勝ち、ブラジルに敗れた場合、3か国の“三すくみ”となるが、ここまで日本は1セットも落としていないので、やや有利。
 セット率より勝ち点が優先され、ブラジルはブルガリア戦は3-2での勝利で勝ち点2しか得られていない(3ー0や3ー1なら勝ち点3)。さらにトルコにストレート負けしているので、かなり苦しい。日本はトルコに勝てば、ブラジルに負けてもストレート負けしなければ、ブラジルを上回りそうだ。
 トルコに敗れ、ブラジルに勝った場合は、勝利数で2位確定(日本6勝1敗、ブラジル5勝2敗以下)。

 トルコに勝てば、五輪出場はほぼ確実。トルコに負けてもブラジルに勝てばよいという状況。
 ただし、チーム力は日本がやや低い。ランクも8位。しかし、今大会の好調さを考えると、連敗の可能性は高くはない。
 《やってみなければ分からない》というのが、正直な予想(予想とは言えない)
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翔猿の“ゆるふん”疑惑 2023名古屋場所13日目 翔猿ー宇良

2023-07-22 17:53:20 | スポーツ
 昨日(13日目)の翔猿ー宇良戦。翔猿のまわしが取組開始後にすぐに緩んだ。
 画像では、緩んだ瞬間が身体の陰で確認できなかったが、緩む原因となる著しいまわしの掴む所作は宇良にはなかったように思う。
 投げの打ち合いで決着がついたが、裏が掴んでいたまわしが伸びていた分、不利で、翔猿に軍配が上がった。

(画像が不鮮明で申し訳ありません。実際の動画はこちら←動画がいつまで視聴できるかは不明です)
 翔猿のまわしと言えば、照ノ富士-翔猿(2023大相撲名古屋場所3日目)。
 今回のまわしの緩み方……“ゆるふん(緩い褌)”疑惑が大きくなった。

 皮肉なことに、今日(14日目)では、翔猿の相手力士の千代翔馬のまわしが緩んで、“まわし待った”が掛かった。
 
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伸びたまわし 照ノ富士-翔猿 2023大相撲名古屋場所3日目

2023-07-12 12:23:04 | スポーツ
 照ノ富士-翔猿は、照ノ富士に何度も勝機があった。しかし、何をしてくるか分からない翔猿を警戒して決めきれない。
 その内、徐々に体勢も体力も厳しくなり、敗れてしまった。

 この相撲で気になったのは、翔猿の伸びたまわし。
 照ノ富士の掴んだまわしは1枚のみ。所謂、”1枚まわし”。この1枚まわしは伸びやすい。この相撲も例に漏れず、胸のあたりまで伸びてしまっていた。ほとんど機能しない状態だった。
 この状態だけでは、“まわし待った”を掛けるかは微妙だが、この相撲の場合は、結び目がほどけてしまっていて、更に状態が悪かった。
 当然、“まわし待った”を掛けるべきなのだが、行司・伊之助は放置。結局、かなりの時間最悪のまわし状態で最後まで取り続けた。



 “まわし待った”を掛けなかったのは、なぜか?
①相撲を取るのに差し支えないと判断した
②結び目が解けていたことに、気づかなかった
③動きが止まらず、待ったを掛けるタイミングがなかった
④わざと掛けなかった
(これは有り得ないと思うが、可能性として)

 ①……胸のあたりまで伸びていて、"まわし”として機能していなかった。
 ②……胸のあたりまで伸びていたので、行司としては結び目の状態を注視すべきで、気づかないというのは、行司の技能不足である。
 ③……完全に動きが止まらなかったが、止めるタイミングは2,3度あった。

 この行司・式守伊之助は“軍配差し違え”が多い(他に、”疑惑の二”も有名)が、私が問題に感じているのは、《立ち合い不十分》と判断し、やり直しを命じることが頻繁にあったこと。素人の私の見解が間違っているのかもしれないが、やり直しすべきほど、呼吸が合っていなかったり、立ち合いの手のつき方が不十分だったとは思えないことが多かった。

 今回のまわしの対処は、問題にすべきであろう。


疑惑の二番【Wikipediaより】
2022年5月場所8日目 小結豊昇龍-大関正代戦
正代が豊昇龍を寄り倒さんとしたが、土俵際で豊昇龍が突き落とし、正代の足の甲が返るのがやや早かった。しかし伊之助の軍配は正代に上がり、物言いがつかなかったためそのまま正代の勝ちとなった。
同年同場所9日目 関脇若隆景-大関貴景勝戦
取組中に若隆景が右手を土俵についたように見えたが、行司も審判も止めなかったため、勝負は続行。その後若隆景が貴景勝を叩き込み、伊之助は軍配を若隆景に上げた。この一番でも取り組み後に物言いをつける者はいなかったため、そのまま若隆景の勝ちとなった。

上記の二番はその後すぐさま誤審騒動となり、問題となった。
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2023全日本体操種目別選手権……“代表選考会”の意味がない

2023-06-12 16:40:55 | スポーツ
これまでに、全日本選手権+NHK杯体操で男子は上位の橋本大輝、萱和磨、三輪哲平の3選手、女子は宮田笙子、岸里奈、深沢こころ、渡部葉月の4選手が選出されていた。

男子は残り2枠
 床で種目別4連覇し跳馬も優勝の南一輝、あん馬とつり輪と平行棒で質の高い演技をした千葉健太が選出された。千葉選手は、これまでずっとあと一歩で代表を逃していたので、個人的には嬉しい。谷川翔は惜しくも及ばなかった。
 あと、北園丈琉と谷川航を推していたが、振るわなかった。谷川航は、何か故障でもしたのだろうか?(誰か、教えてほしい)
 
女子は残り1枠
 21年世界選手権種目別平均台金メダルの芦川うららが選ばれた。

 女子の選考には大きな疑問を感じた。
 芦川選手の平均台は相当のレベルの高さであるのは間違いない。
 しかし、決勝ではふらつきが目立ち、更に、落下までしてしまい4位(12.700)に沈んだ。
 対抗と目された坂口彩夏は床で13.449(2位)、平均台で13.133(3位)、床で13.166(3位)と高得点・好成績を並べた。


《選考会の意味がない!》
【選考要素】は、大まかに言うと
①決定済みの代表選手と団体を組んだ場合に貢献度が高い選手
②過去の実績、最近の成績
があるが、いろいろ細かい選出方法があるようだ

 まあ、重視されるのは上記の①。簡単に言うと、既に代表になっている選手の苦手種目(得意の選手がいない種目)が重要視される。
 女子の場合、平均台の高得点が見込まれる選手が有力となっていた。(これも運か?)

 しかし、代表決定の決勝とも言える舞台で、その種目を失敗したのだから、選出するのはおかしい。
 それに、坂口選手が平均台が苦手で、欲しい平均台での得点が期待できないというのならともかく、種目別決勝で芦川選手を上回る得点を上げているのだから、坂口選手が選ばれないのは不合理としか言えない!

      …………“代表選考会”の意味がない!
コメント (8)
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石川佳純選手、引退

2023-05-01 18:00:09 | スポーツ
 石川佳純選手が引退を表明した。
 自身のインスタグラムで「私、石川佳純は、4月のWTTチャンピオンズ・マカオ大会をもちまして現役を引退することを決めました」と発表。
 唐突だったが、ここ数大会は、引退を心に秘めてのゲームだったという。


 全日本選手権では準決勝進出。
 3月のWTTシンガポールスマッシュ2023の3回戦でチュ・チョンヒ(韓国)に敗れ、WTTチャンピオンズ新郷2023の2回戦で陳夢、 WTTチャンピオンズマカオ2023の2回戦でも陳夢に敗れていた。

  ………《まだまだやれる》とは感じたが、早田と陳夢戦は完敗。勝つ要素が少なかった。
 韓国のチョンヒは無名だが、最近、ぐんぐん力をつけてきており、石川を破った後、孫穎莎をあと一歩のところまで追いつめていた。
 早田、陳夢、チョンヒは負けても仕方がない相手ではあるが、“勝てる感触”を感じられなかったのだろう。
 その4戦をすべて観たが、確かに完敗で、石川選手が引退を決意しても仕方がないと感じる内容だったが、石川選手が衰えたとは感じなかった。
 精神的なモノを充実させて、戦術をもう少しだけ精錬すれば、もっと上に行ける…と期待していた。

 平野早矢香、福原愛時代からずっと日本のトップを引っ張ってきて、やり切った感があったことが一番の引退の理由かもしれない。
 お疲れさまでした。

 印象に残っているゲームは多いが、2021年日本選手権決勝の伊藤美誠戦に競り勝ったゲーム。最後の2本は素晴らしかった。
 悔しいというか、運がないなあと思ったのが、リオデジャネイロ五輪での女子シングルス準々決勝のキム・ソンイ戦。
 《こんな強い選手がいたのか》……キム・ソンイはカットマンであるが攻撃力も相当。彼女の情報を得ていたのかは分からないが、初対決で対応するのは難しかった。
 2ゲーム連取した時は、このまま順当勝ちするだろうと観ていたが。第3ゲームから、急に手強くなった。《強い…これは強い》
 石川選手も対抗して大接戦となったが、3-4で敗れ、シングルスでのメダルは消えた……
 中国2選手を除く、当時の”世界八強”相手だったら、石川選手は勝っていたであろう。そして、準決勝で中国の丁寧や李暁霞相手に勝つのは容易ではないが、負けるにしても、準決勝を中国選手と戦いたかっただろう。
 負けても3位決定戦を勝てば銅メダル……その可能性は高かった。(キム・ソンイが3位決定戦で福原愛を4-1で破って、銅メダル獲得)

 その2年後の世界選手権・女子団体の準決勝。
 日本の相手は、準々決勝の韓国-北朝鮮の勝者のはずだったが、突如、この2か国が合同チームを結成し、準決勝に相対してきたのだ。
 そんな馬鹿な!というインチ○……

 その時の石川選手の相手がキム・ソンイ。フルセットの大接戦となったが、ファイナルゲームのマッチポイントがどちらに行くかという場面で、2度もソンイ選手がエッジボールで得点。心が折れそうな展開だったが、これを跳ねのけて、石川が勝利!……このゲームも忘れられないなあ……
 ………引退の報を聞いて、いろいろ思い出した。
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スクリーンプレーについて (22-23 Wリーグ  ファイナル ENEOS vs トヨタ自動車)

2023-04-21 16:48:19 | スポーツ
トヨタのオフェンスのスクリーンプレーで山本がフリーになり、要所で3Pシュートを決める……そんなシーンを何度も目の当たりにした。
ENEOS vs トヨタ自動車戦においても同様だったので、第2戦の記事で言及した。
そのせいもあって、第3戦では馬瓜のスクリーンプレーに注意が向いてしまった。
そして、第2戦で書いた手前、スクリーンプレーに関するルールも確認してみた……

  ………すると、新たに気がついたこと、気になったことがあったので、それについて書きます。


スクリーナーに関する主な制限ルール
(『考えるバスケットの会』「【保存版】バスケのスクリーンを徹底解説!一気に上達する為に必要な完全版練習メニューを教えます!」より)
①スクリーナーは止まってること
②両足が床についていること
③必要以上に手や足を広げない
④相手の視野の外(真後ろなどの完全な死角)にセットしてはいけない
⑤動いている相手に対しては、相手が避けられるだけの距離を置かなければならない


 ①~③については、中継で良く語られるルール。
①スクリーナーは止まってること
 ルール①に反して、スクリーナーが動いてしまうことを、「ムービングピック」や「ムービングスクリーン」や「イリーガルスクリーン」と言われている。(「イリーガルスクリーン」は“ムービングピック”のみを言うのではなく、正規でないスクリーンすべてに対して言うと私は解釈している……私は今回記事を書くのに調べてみて、《へえ~、“イリーガルスクリーン”と言うのか》というレベルである)
 ディフェンダーの動きを妨げる意思が強いと、スクリーナーはつい、上半身(肩など)をデディフェンダーの方に寄せてしまう(当然、上半身だけでなく、身体ごと動くのもダメ)。スクリーンプレーに関して、一番、ファールを取られる行為であろう。

②両足が床についていること
 ルール①があるので当然で、このルールは言及しなくてもいいような気がする。
 ①であっても②ではない例はないことはない……《片足で立って止まっている》《逆立ちして止まっている》など考えられるが、意味のない動作である。
 あと、考えられるのは、片足で静止していて、オフェンス側の選手に衝突され、倒された場合、それが、不当なオフェンスのアタックによるものなのか、片足で立っていることが原因なのか特定されない。つまり、仮に、片足でスクリーンを掛けた場合、オフェンス選手の不当な衝突であっても、正規のスクリーンではないので、オフェンスファールにはならない……という事なのだろうか?
 そもそも、しっかり両足を床に付けないと、衝突が起こった時、危ない。

③必要以上に手や足を広げない
 《プレーヤーがコート上で普通に立ったとき、そのプレーヤーが占めている位置とその真上の“筒状の空間”》から手や肘などを突き出してはいけない。
 下腹部付近で腕を組んでスクリーン態勢を取るが、肘が肩幅より突出しているとファール。
 あと、①にも抵触するが、相手ディフェンダーがすり抜けようとした時、ススっと肘を出す行為でファールを取られるのも良く目撃する。
 脚も突出してはいけない。ファイナルで渡嘉敷がスクリーンプレーでファールを取られていた。(渡嘉敷が足を大きく広げ、これに、トヨタの選手の足が引っ掛かった)

④相手の視野の外(真後ろなどの完全な死角)にセットしてはいけない
 ”完全な死角”の判断が難しいが、“真後ろ”と考えればよいのだろう。スクリーンの標的の相手ディフェンダーはマークする相手に正対しており、スクリーナーは真横に位置することが通常。なので、相手ディフェンダーがマークする相手に集中するあまり、スクリーナーが“心理的に死角”になるのはOKか。
 まあ、上記のような状況(スクリーナーと相手ディフェンダーの位置)を考えると通常なら真後ろにセットすることはないと思う。漫画などで、相手を痛めつけるために死角にセットすることは、あるかもしれない(←アニメの見過ぎ)

⑤動いている相手に対しては、相手が避けられるだけの距離を置かなければならない
 止まっている相手に対しては、すぐ近くにセットしてもOK。
 動いている選手は、障害物(スクリーナー)をよけにくいし、運動エネルギーも大きいのでぶつかった時の衝撃も大きい。

 ④⑤についてあまり意識していなかったが、なるほどと思う。とにかく、危険度の高いプレーはダメだという事なのだろう。


 ……で、トヨタ自動車の馬瓜選手のスクリーンプレーについて
ア.上半身を動かすことが割と多い……スッという感じで緩やかに動く
イ.ぶつかった相手選手を抱きかかえることも多い……衝突のショックを和らげたり、相手選手の転倒を防ぐという意図もあるかもしれないが、相手の動きを抑制する意図が強いように感じた
ウ.相手選手と軽い接触があった場合、さり気なく腕をつかんで相手プレーヤーの動きを阻害することが多かった

エ.第2戦の記事で書いた「パターン2」のケース
   ……相手ディフェンダーとスクリーナーの馬瓜との距離が短いが、衝突を回避できる距離はある。そもそも、馬瓜の方がずっとその位置にいるので、問題とはならないと考える。山本&馬瓜の絶妙なコンビと考える

 ファールもある程度の許容はあるだろうが、ア~ウは「ファールじゃないのか!」と思うことが多かった。エネオスファンなので、欲目かもしれない。 
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22-23 Wリーグ プレーオフ ファイナル ENEOS vs トヨタ自動車 第3戦

2023-04-20 08:12:13 | スポーツ
 何度、《もう駄目か?》《負けかなあ》と思ったことか……
 第1Q~第2Q前半は完全にトヨタのペースで、エネオスが何とか得点し追いつくといった展開。確率の非常に低かった林と宮崎の3Pが決まるとか、時折、爆発する藤本の活躍、第2Qだけで8点を上げた渡嘉敷の奮戦など、“奇跡的”と呼ぶのは失礼だが、思いもよらぬ得点で、前半をエネオス31-28トヨタと3点リードで終えることができたのは不思議だ(バスケットの内容はトヨタの方がかなり良かった)。
 
 第4Q終盤、延長戦序盤~終盤はトヨタに先行を許し、《残り数秒でブザービーターを決められ敗戦》というシーンがよぎった。おそらく、通常の試合や、この試合でも第3Q終了時ぐらいだったら、シュートを決められただろう。まあ、エネオスも、《宮崎のドライブシュート(だったと思う)~渡嘉敷リバウンド→シュート》も、何で外すんだぁ!と思ったが。
 白熱の攻防でダブルオーバータイムに突入(1993年NBAファイナルのサンズvsブルズのトリプルオーバータイムを思い出した)。解説の原田氏も指摘していたが、渡嘉敷は勿論、他のエネオスのメンバーも足が動かなくなっていたので、更なる延長戦はエネオス苦しいと思ったが、極限の戦いは、体力ではなく精神力……否、精神力では片づけられない何かが、エネオスサイドに傾いたのだろう。

 ポイントとなったプレーや賞賛したいプレーなどを交えて、詳細なゲーム展開を書きたいが、時間とエネルギーが足りない(根性がないです)ので、チームの戦術や各選手の感想のみになりそう(許してください)。
 あと、前記事でスクリーンプレーについて述べたが、スクリーンプレーのルールで知らないことがあったので、それを含めて述べるつもり。
 このゲームの得点経過などの詳細は、『BASKETBALL KING』サイトの記事「ENEOSが2度の延長戦となった死闘を制す…トヨタ自動車を退けて4年ぶりに王座奪還/WリーグPO」をご覧ください。


ENEOS サンフラワーズ  10 21 11 11 8 11  72
トヨタ自動車 アンテロープス 10 18 14 11 8  3   64


【 ENEOS サンフラワーズ】
 リング付近の渡嘉敷をオフェンスの起点としようとした方針は間違いだった
 トヨタディフェンスは渡嘉敷にタイトに当たるというモノだった。まず、シラ(或いは梅沢)がマークし、他のディフェンダーも渡嘉敷との距離を縮めて、《ボールを楽に通さない》《ボールが入ったら、即ダブルチーム》する。
 そんな状況で、渡嘉敷にボールを入れるのは難しいし、普段の渡嘉敷ならともかく、疲労が蓄積している渡嘉敷では、トヨタのディフェンスに抗してゴールを狙うのは難易度が高かった。
 渡嘉敷を起点にするというヘッドコーチの指示だったので、まず、それを第1オプションにしたが、渡嘉敷にパスを出してオフェンス失敗するか、諦めて他のオフェンスを選択しようとしたが、それからオフェンスを転回するのはスムーズにはいかないし、シュートクロックが迫った状態になってしまっていた。
 ポイントガードが、そういう状況を打開できれば良いが、ボールが止まった状態からドライブシュートを決めるのは難しい。パスを回しながら3Pシューターの林にパスを出すのもうまくいかない(おそらく、平下が徹底的にマークした)。
 宮崎に関しては、以前から《オフェンスが停滞した時に打開できない》という不満はあった(それと、利き腕でではない腕でのドリブルが苦手のようなのも気になる)。ファイナルは相手ディフェンスを切り裂くドライブシュートも影を潜めていたが、第3戦はかなり積極的に仕掛けていた(17得点)。渡嘉敷へのナイスパスもあった。
 岡本がいれば、何とか出来たような気がする。宮崎も岡本なら精神的にもボールを託しやすいし、うまくフリーになってパスを受けて3Pシュートを決めたり、動きの中で渡嘉敷にパスを通すのも可能だ。
 シューティングガードのは、3Pシュートもドライブインもできる優れたプレーヤーだが、渡嘉敷にパスをすることに拘り過ぎたきらいがある。《渡嘉敷を起点》という縛りがなかったら、星ももっと果敢にゴールを狙えたのではないだろうか?上述したが、時間的にもオフェンスの選択肢も幅があったはずだ。
 長岡は一人でも打開できるパワーと技術があり、頼もしかった。渡嘉敷とのプレーの相性も良い。それと、相手に身体を寄せてプッシングを誘い、《突き飛ばされた…ああぁ~》と飛ばされる演技が絶品だ(実際、プッシングされているが、審判も笛を吹きやすいのだろう)。プレッシャーのかかる場面での3Pシュートを決めるてくれるのも嬉しい。
 渡嘉敷は疲労困憊のうえ、厳しいマークを受ける中で、20得点、13リバウンド(3ブロック)は頭が下がる。ただ、あと2本ほどフリースローを決めて欲しかった(実際は4-9)
 苦しい状況を救ったのは高田。ディフェンスも頑張り、オフェンスも果敢にリングに向かっていった(11得点)。

【 トヨタ自動車 アンテロープス】
 ペネトレイトにジャンプシュート、そして、アシストパスにリバウンドと変幻自在の大活躍の馬瓜(20得点)。さらに、山本が要所でシュートを決め(14得点、6アシスト)、ディフェンスの的を絞らせない。更に、川井のドライブも油断できない(15得点、8リバウンド、5アシスト)。シラも渡嘉敷を良く防ぎ、6得点、5リバウンドの数字以上に働いた。(ただし、ディフェンスの時、リバウンドなどでジャンプ後、着地する際、“不可抗力”とばかり、相手オフェンスにぶつかってしまうことが多い)
 平下は得点0だったが、シュートアテンプトは3Pシュートの1回のみ。如何にディフェンスに特化していたかがわかる。リバウンド6でプレータイムはフル出場の50分(山本も50分)。
 オフェンス、ディフェンスの内容はトヨタの方が良かった。なぜ負けたのだろうか?不思議だ。
 敗因を上げるとしたら、前半早々で梅沢とシラが3ファールのファールトラブルに陥ったこと。二人のプレータイムが減ったが、それほど劣勢には感じなかった(渡嘉敷も攻められなかった)。ただ、どちらかのプレータイムがもう少し長かったら、もっと第2Qでリードできたであろう。
 それと、3Pの成功率が4-21と低かったのも一因

 3連戦でダブルオーバータイム。プレータイム40分以上は、山本、平下に加えて、エネオスは長岡(48分06秒)、林(42分46秒)、渡嘉敷(47分41秒)、宮崎(44分)、トヨタは馬瓜(45分18秒)、川井(42分27秒)。
 上記の選手だけでなく、すべての選手の健闘を讃えたい。
(スクリーンプレーについては、次回に書くつもりです)
コメント (3)
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22-23 Wリーグ プレーオフ ファイナル ENEOS vs トヨタ自動車 第2戦

2023-04-17 22:55:39 | スポーツ
(ENEOSは“エネオス”、トヨタ自動車を“トヨタ”と表記します)
 エネオスの気迫の勝利だった(もちろん、“トヨタの気迫が足らなかった”と言う訳ではありません)
 エネオスが得点を上げリードを広げると、トヨタも反撃し差を縮める。ジリジリするせめぎ合いが続き、闘志と技術がぶつかり合う好勝負だった。

 第1Q、2分40秒までで8-2とリードする上々の出だし。一旦、トヨタに差を詰められたが、長岡の3Pシュートが決まり、残り3分で20-10と10点リードするも、山本に3Pシュートを2本決められ、第1Q終了時には22-20と、結局2点差。
 第2Qは、2分30秒までは1~2点のリードを奪い合う展開から、エネオスが5点差までリードを広げる場面が3度あったが、その都度、トヨタが押し返す……。
 残り2分13秒で宮崎が3Pシュートを決め、36-32と4点差にしたものの、その後、平下3Pシュート、馬瓜2Pシュートとトヨタが反撃、逆に1点のリードで前半を終えた。トヨタ37-36エネオス
 特に、平下の3Pシュートは、あと少しでスチールできたこぼれ球を、24秒バイオレーション寸前に決められたもので、エネオスとしては《4点差を広げるぞ》という矢先だった。
 1点差なので、気にする必要はないが、かなり嫌な前半の流れではあった

 第3Qもエネオスが先手を取って8点連取。
 残り6分42秒、これまで決まらなかった林 の3Pシュートをネットに沈める。更に、高田も3Pシュートを決め、47-39とリード(トヨタは馬瓜の2点のみ)。
 しかし、ここで馬瓜が暴れる?3Pシュートを決め、次のオフェンスではファールをもらいながらシュートを決める3点プレー。エネオス47-45トヨタ。
 この後は、シラが6点を挙げる活躍。エネオスは高田が2本目の3Pシュートを決めたが、第3Qは51ー51の同点で終了
 得点は互角だが、流れはトヨタ。さらに、トヨタはチームオフェンスが機能しているのに対して、エネオスは個人の力で得点……内容に差がある。
 渡嘉敷の疲労の色が濃いのも不安


 第4Q、暗雲を吹き払うように、林が2本シュートを決める(1本は林のスティールから)。エネオス55-51トヨタ。
 しかし、この後、長岡が立て続けのファールで4ファールとなり、ベンチに下がり、再び暗雲が……残り8分30秒
 4点のリードと代わってコートに入った中田のアグレッシブさに期待するしかない。
 この後は守り合いなったが、エネオスは渡嘉敷4点、林2点を上げ、トヨタを馬瓜のフリースロー2本に抑え、61-53と8点差に広げる(残り6分56秒)。
 しかし、トヨタも良く守りエネオスに得点を許さず、山本、馬瓜が各2得点で、61-57と4点差に詰め寄る。観ていて、本当に力が入る……

 ここで、均衡を破ったのが高田。3Pシュートを決めた後、スティールからファールをもらい2本フリースローを決め、66-57。
 高田のフリースロー時に、4ファールの長岡もコートに復帰(残り3分44秒)。長岡不在の間に、逆にリードを広げたのは大きい。
 しかし、楽をさせないのが山本。3Pシュートをサクッと決める(エネオス66-60トヨタ、残り3分21秒)
 ならばと、渡嘉敷がファールをもらいフリースロー1本(1本外す)と、2Pシュート2本を気迫で決める(エネオス71-60トヨタ、残り2分18秒)
 トヨタも平下が3Pシュートを決めるが、長岡が3Pを入れ返し、勝利をほぼ決定づけた(エネオス74-63トヨタ、残り2分18秒)

 エネオス74ー65トヨタで、エネオスが勝利、第3戦に持ち込んだ。


エネオス
渡嘉敷……疲労が蓄積していて、リング下では苦戦していた。それでも、リバウンドや要所で2Pシュートをねじ込む。ミドルレンジからのジャンプシュートも冷静に決め、17得点(14リバウンド、2ブロック)
長岡……渡嘉敷が競り合ってこぼれた球を長岡が確保。ディフェンスで相手の素早い動きにも対応、3Pシュート3本も大きかった
高田……ゲームの流れを変える(踏みとどまる)3P3本は光る(15得点も大きい)。そして、山本を良く抑えていた。
宮崎……3Pシュート1本(4本外したのは許容範囲)の他、ドライブも決め、8得点。気迫のスティール3本と勝利に貢献。停滞するオフェンスを打開できなかったことと、スクリーンに引っかかり過ぎ。単独で山本に置き去りにされるシーンも気になった
……彼女ならではの難しいドライブシュートを決めきった(時折、無理攻めになったが)。渡嘉敷へのパスは拘り過ぎだが、通してもいた。
中田……多少、アグレッシブさで墓穴を掘るが、彼女のアグレッシブさは頼もしい
 
トヨタ
山本……敵に回すと本当に嫌な選手だ。要所で4本3Pシュートを決め、22得点。このゲームではリバウンド1本だったが、第1ゲームでは8リバウンド。
馬瓜……運動能力が高く、攻守にオールラウンドに活躍。19得点、5リバウンド(第1ゲームは10R)、7アシスト。そして……《後述》
シラ……ポテンシャルは高い。特に、反射速度が速く、手がよく出る。その素早さに、渡嘉敷が苦労している。
川井……ほんと職人。プレーの潤滑油で、5リバウンド、5アシスト、4得点(第1ゲームは11得点)、3スティール。
平下……流れを変える3Pシュート2本。2本中2本決めたのは良いが、アテンプトはもっとあっても良いのでは?このファイナルは、ちょっとおとなしい。

《トヨタの戦略》
《渡嘉敷を抑える》ことを徹底
 リング付近に渡嘉敷がいる場合は、身体を寄せて自由にさせない。特に、シラがいると、不用意に渡嘉敷にパスは入れられない(高さもあり、手も速い)。
 リングとは少し離れた位置だと、渡嘉敷にボールは入るが、その途端、ダブルチームでプレーをさせない。渡嘉敷はセミファイナルからの疲労がに加え、更に蓄積。
 吉田がいたら、ホットラインパスを通したかもしれないが……それでも、17得点14リバウンドの渡嘉敷には恐れ入る

トヨタのオフェンスシステム ~山本&馬瓜の巧さ~
 このカードに限らず、山本や他の選手が要所で3Pシュートを決めている
 エネオスの場合、宮崎のディフェンスのまずさもあるかもしれない。とにかく、よく振り切られていた。宮崎は抜かれることを警戒するのか、山本に対して1、2歩下がって対している。しかし、それが災いしているように思える。(あと、宮崎はスティールを狙いすぎる気がする)
 宮崎はともかく、あまりに山本がフリーになるのが不思議。少し検証してみたところ、4パターンあった(もっとあるかもしれない)。

―パターン1―
リング
         馬瓜
       (ボール保持)
                  ↑                    
        宮崎  山本 
 3ポイントライン付近でリングとは逆向きで馬瓜がボールを保持している
 山本が馬瓜の前方を横切る動きをする。
 山本をマークしている宮崎も山本と並行して動く。



 山本が馬瓜に最接近する地点でボールをパス。
 宮崎はさらに山本を追うが、馬瓜に遮られ、山本がフリーでシュート!



―パターン2―


 ボールを保持する馬瓜ステファーニーの近づきながら、馬瓜かパスを受け、ドリブルして馬瓜の横を抜ける。
 山本をマークする宮崎は馬瓜の背面を通って山本を追う。




 宮崎が馬瓜を抜けた直後、ターンしてドリブルで元の方向に移動する。
 宮崎も山本を追うが、馬瓜がスクリーンとなって負えない→山本がフリーでシュート!

 (山本のターンまでの距離が短いので、宮崎と馬瓜の距離が短く、宮崎は馬瓜をかわすスペースがない)



―パターン3―
リング
         馬瓜
       
                  ↑                    
        宮崎  山本(ドリブル又はボール保持)

  リングの方を向いている馬瓜が、相手ディフェンダーを注意しつつ攻撃を仕掛ける素振りを見せながら、やや後ずさりをする。
 そのタイミングで山本が馬瓜の後方をドリブルで動く。
 マークしていた宮崎も追うが、馬瓜がスクリーンとなる形となり、山本がフリーでシュート!

 馬瓜をスクリナーとして視るなら“ムービングピック”と見なされるが、この場合はどうなのだろう?

―パターン4―
 山本がリング前付近にいて、マークマンの宮崎も対面してマークする。
 ボール保持者は3Pラインの45°付近にいる。
 山本は、いきなりダッシュ、大きい弧を描くように動き、保持者とは逆の3ポイントライン45度付近まで動いてパスを受ける。
 宮崎は振り切られており、ノーマークでシュート!
(追いかける過程で、他の選手が壁になることが多い)



 このようにして、山本フリー状態を作るが、フリーになるには山本も俊敏な動きが必要で、そのうえで3Pシュートを決めるのは容易でない。
 トヨタのシステムオフェンスにしてやられる宮崎だが、高田は山本をよく抑えていたので、宮崎にも原因があるのかもしれない。


 ここまでは、第3戦の前に書いたもの。
 実は、馬瓜のスクリーンプレーに注意して、ファイナル第3戦を観戦したが、ある点に気がついた(第3戦の記事で書くつもりですが…)
 第2戦も高レベルの好ゲームだったが、第3戦はとんでもないゲームとなった!
コメント (2)
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