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英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

禁止技・バックフリップ 減点2は甘すぎ、失格でよい

2024-03-30 01:30:35 | スポーツ
《今シーズン(2024~25年)から、バックフリップは禁止技ではなくなったようです》
2024世界フィギュアで、男子シングル・フリーで、アダム・シャオ・イム・ファが禁止技のバックフリップ(バック宙返り)を行った。

 欧州選手権優勝者の実力者だったが、ショートプログラムでは失敗し19位に沈んでいた。
 フリーでは、その鬱憤を晴らすかのように、次々と高難度のジャンプを決め、高得点を上げ(フリーだけでは2位)、総合3位に駆けあがった。

 しかし、私は彼を評価しない。彼は、禁じられているバックフリップを披露した。
 この技が禁じられている理由は
・危険
・リンクにダメージを与える

 が主な理由らしい。(普段の練習でも貸し切りでなければ、他のスケーターにも危険が及んだり、リンク破損による迷惑も掛かりそうだ)

 そういう理由もさることながら、私が問題だと感じるのは、禁止されている行為(プレー)を故意にしたこと。悪質である。
 そもそも、「減点2」は軽すぎる!
 彼のフリーのスコアは206.90。マイナス2点はその1%にも満たない。10%のマイナス20点ぐらいが妥当か。
 中継では「減点2」という解説しかされなかったが、技や表現の評価対象になるのだろうか?
《以下は私の推測や考察》
・禁止技なので基礎点は設定されていないだろう。表現技法のひとつとして。評価されるのだろうか?
・加点要素がなくても、会場が盛り上がって、多少ジャッジにプラスになる可能性はある。
・転倒したら、マイナス1点になると考えられる(ジャンプ以外の転倒もマイナス1。正確には3度目の転倒からは倍倍に減点される)
・バックフリップをジャンプと考えるのなら、一般的ジャンプ(アクセルやルッツなど)の試技数は一つ減らすべきだ


 スポーツである以上、どんな競技でもルールがある。そのルールで重要な一つが反則。
 他のプレーヤーに危害を与えるプレーや、技の取り決め制限を超える行為(バスケットでボールを持って3歩移動するなどのバイオレーションなど)、その質や程度によって、失格・退場、場合によっては出場停止などの重いモノから、相手に攻撃権が移るなどの軽度のモノもある。
 道具の規定違反などもある(ジャンプなどスキーのスーツやスキー板の長さなど、浮力に関する失格、柔道着の襟を窄め過ぎなど)
 競泳背泳ぎのバサロ(潜水)泳法は、現在飛び込みやターン後15mまでと規制されている。15mを超えると失格。

 バックフリップは競技中に他者に危害を与えるものではないし、得点にプラスになる可能性は分からないが、上述のように大きなプラスにはならないと思われる。体力や技術を考えると、リスクが大きい。
 しかし、問題なのはそういう次元ではない。
 禁止されている行為(プレー)を、故意に犯す。これは看過できない。

 実は、彼は昨年(2023年)10月の「上海トロフィー」や今年1月の「欧州選手権」でもバックフリップを実施ししている(優勝。2ポイント減点を受けていた)
 『Number Web 』の記事によると、
「シーズンの始めに、フリーでバックフリップをやったらどのくらいの減点になるのかチームで検討しました。アダムは常に新しいことに挑戦し、このスポーツを進化させたいと思っているんです」(振付師のブノワ・リショー)
彼自身も
「エキシビションでやるより、フリーでやる方がエネルギーは使います。でも調子が良かったので、試合だったけれど、観客のためにやりました」と述べている。

 世界フィギュアの演技後にも
「今日はとても満足している。人生で最高のパフォーマンスだったと思う。昨日は本当に腹が立っていたし、SPの後は自分にイライラしていた。
コーチからは、戦って攻めろと言われた。ネイサンのオリンピックの演技を思い出して、それもすごく助けになった」


 新しいことに挑戦することやスポーツの進化はけっこうなことだが、ルールーを守らないのはダメであろう。

 国際スケート連盟(ISU)もダメである。
 こういう違反行為を3度も「減点2」で済ませてしまっては!
 最初の「上海トロフィー」で黙認してしまったのが過ち(この大会後、警告でも出したのだろうか?)
 「上海でOK(失格にならならず、減点2)なら、欧州選手権でもOKだろう」「欧州選手権でOKなら、世界フィギュアでも」
 悪い前例を作ってしまった。
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五輪 バスケットボール女子 最終予選システムの問題点

2024-02-13 09:37:07 | スポーツ
第1戦 日本-スペイン第2戦 日本-ハンガリー第3戦 日本-カナダ

五輪出場権は日本、スペイン、カナダ
 第3戦のもう1戦のスペイン-ハンガリーも劇的だった
 ハンガリーが、一時、22点のリードを奪ったが、スペインが猛反撃、大逆転!
 ハンガリーは、1点及ばず、五輪に届かなかった。
 日本とスペインが2勝1敗で並んだが、日本-スペイン戦で日本が勝っているので、1位が日本ということになるのだろう。1勝2敗のカナダとハンガリーは、カナダが勝っているので3位で出場権を得た。

 ところで、私は小心者だ。
 羽生九段の順位戦でも、次の対局に負けた時を想定して、星勘定を検証する。
 先日、B級1組のラス前の対局があったが、その対局前の時点で、羽生九段の昇級の可能性はなくなっていた。となると、あとは降級の心配。残り2局を残した段階で5勝5敗(ランク6位)なので、連敗しなければ大丈夫なのだが、連敗した場合、どのくらい降級の可能性があるかなどと考えてしまう。(実際は、ラス前戦で糸谷八段に快勝して、残留を決めている)

 なので、今回の女子バレーの五輪最終予選でも、第3戦のカナダ戦に敗れた場合の星勘定をしてしまう…
 日本が敗れた場合、その後に行われるスペインvsハンガリー戦の敗者と日本が1勝2敗で並び、両チームの対戦で勝っている方が3位で五輪出場権を得る。
 日本はスペインに勝ち、ハンガリーに敗れているので、スペインが敗れて1勝2敗になれば日本が3位、ハンガリーが敗れれば日本は4位となる。
 実際はスペインが勝ったので、日本がカナダに敗れていたら4位となっていた。

 ……と、ここで問題になるのは仮に日本が第3戦で敗れた場合、その時点でハンガリーの立場で考えると、1勝2敗になった場合の競合チームが日本なので、スペインに敗れても3位になり出場権を得る(日本は4位)。
 つまり、《日本が第3戦に敗れた場合、その瞬間、ハンガリーの3位以上が確定する》のである。
 ハンガリーの五輪出場が確定しても、スペインがハンガリーに敗れれば、日本が3位になるので、五輪出場の可能性がなくなるわけではないが、ハンガリーの必死度が低下する。地元の声援やスポーツマンシップもあるので、ハンガリーがスペインに忖度するとは思えないが、その可能性はあるし、必死度の低下は多少はありそうだ。
 なので、第3戦は2会場にして同時に開始すべきだ。
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パリ五輪女子バスケット 最終予選 第3戦 日本-カナダ

2024-02-12 00:55:09 | スポーツ
第1戦 日本-スペイン第2戦 日本-ハンガリー

 厳しいリーグ戦(”死のグループ”と呼ばれていた)、厳しいゲームを戦い抜いた日本代表チームを讃えたい。
   ……つ、疲れた。お疲れさまでした。

 この試合に関しては、個々の選手についてのマイナス要素は書かないでおこう。
 でも、解説の矢野良子氏も口が酸っぱくなるくらい繰り返し指摘していたが、(ファールの笛が軽かったとはいえ)不用意なファールが多かった。
 あと、ゲーム終盤になるにつれ、シュートを打つのに躊躇が見られた点が不満(気持ちは分かる)。
 ベンチワークとしては、タイムアウトを温存し過ぎな点。

 全ての選手が素晴らしかったと思うが……
山本……3Pシュート、ドライブを要所で決めていた(このゲームだけでなく、3試合とも)。ゲーム終盤で、優位を決定づけたクラッチシュートは大きかった(そう言えば、エネオスも彼女のこのプレーに良くやられていたなあ)
宮崎……この試合でも、相手を置き去りにするドライブシュートは、凄かった
赤穂……彼女のリバウンドには本当に助けられた。果敢に挑んで決めるドライブシュートも頼もしかった
エブリン…前記事で、「3Pシュートは下手」みたいなことを書いて、ごめん!このゲームで決めた3Pシュートでカナダチームに与えたダメージは大きかった。ペイントで決め切ったシュートも見事だった

 おめでとう!
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パリ五輪女子バスケット 最終予選 第2戦 日本-ハンガリー

2024-02-11 12:04:27 | スポーツ
勝てた試合だったように思う。
 もちろん、ハンガリーは世界ランクは日本より低いが、身長、体力、技術、戦術、精神力などチームの総合力は高く、“勝てた試合”というのは日本を応援する気持ちから来ている部分も多い。
 それでも、開始直後の9-0のラッシュを含め第2Q半ばまでは、完全に日本ペースだったし、後半も第4Q序盤までは日本が勝ちそうな流れだった。実際、試合内容も6割ぐらい日本が優位だった。
 逆転されてからもよく粘り、最後までチャンスがあり、日本チームの健闘は大いに讃えたい

(第1戦の感想はこちら

【良かった点】
・山本の状況を的確に判断し、決断よく放った3Pシュートや切り込んでいったドライブは見事だった
・第1戦ほどではなかったが、赤穂はリバウンドをよく頑張った。機を見てのドライブシュートも光った
・第1戦ほどではなかったが、相手を翻弄した宮崎のドライブは光った
・ディフェンスもよく動き、相手へプレッシャーも掛かっていた。衆参も素早く。ダブルチームも機敏だった(時々、穴が生じたが…下記)
・林の3Pは健在だった(試投数は減った。もう少し打つべき)

【マイナス要素】
・スクリーンプレーなどでマッチアップする相手が変わった時(←うまく表現できていません)の対応が上手くできていなかった
・フリーで3Pシュートを打たせ過ぎた
・エンドラインからのスローインから容易に得点された
・シュートチャンスという時、決断できずパスを回してしまうシーンが目立った
・やはり、オフェンスが止まってしまうシーンが多かった
・オフェンスの時、ボード下をガードがエンドライン沿いに走り抜ける際、ラインを踏むことが数度あった(相手の身体が大きい為)
・凡ミスが多かった
・不用意なファールも減らすべき

【ベンチワークなどプレー以外の要素、敗因】
・第1戦に比べ、好調な選手が少なかった
・エブリン、ステファニーの動きが良くなかった
 エブリンは身体が重そう。3Pシュートのモーションはスムーズではなく、第1戦は通常より入った感がある。もう少し、ペイントゾーンでの奮闘が望まれるが、ブランクで完全復調していないのと、欧州選手の身体の大きさを警戒しているのかもしれない
 ステファニーのフェイダウェイシュートが出ない。ただ、海外でプレーして、なかなかうまく決められないという経験があるのかも
・ベンチの采配も疑問
 大きくリードしている時、相手が持ち直して反撃の気配や、こちらが上手くいかない兆しが見られた場合に傍観して、点差を詰められてしまうシーンが、以前から見られた。ゲームの流れを読めないことが多い。
 タイムシェアを重視しているが、それに拘り過ぎている気がする。第3Q(第4Qだったかも)のオフェンスで、パスが上手く回って、「さあ、3Pシュート」と思ったら、そこに居たのはエブリンだった。あの時間帯なら林だろう(林はベンチ)。
 開催国ハンガリーのホームコートアドバンテージが大きかった。声援、楽器(ブブゼラ)で、多少、気圧されていたようだ。
 ハンガリー寄りの笛(ジャッジ)も多かった。相手チームを躱してシュートを目指していた山本を、後方から抱えて制止したプレーは、絶対にアンスポーツマンライクファウルだった
 

 星が靭帯断裂でいないのと、平下が不調なのが痛い。
 渡嘉敷はやはり必要。町田(故障中)も欲しい……
 

 第2戦の結果、4か国すべてが1勝1敗となった。
 なので、最終成績は必ず2勝1敗が2チーム、1勝2敗が2チームとなる。
 2勝チームは当然、五輪出場決定。
 残りもう一枠は、1勝2敗同士の成績比較となるが、今予選では、2チームが同成績の場合は、直接対戦の勝敗が優先されるらしい。
 第3戦で日本がカナダに敗れた場合、スペイン-ハンガリーの敗者との競合となる。つまり、スペインが負けた場合は、スペインに勝っている日本が出場権獲得。ハンガリーが負けた場合は、ハンガリーが出場権獲得となる。

 
 ハンガリーの奮戦を期待したいが、日本はカナダに勝てばよい。
 100%の力を出せば、日本に分があると考える。
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パリ五輪女子バスケット 最終予選 日本-スペイン

2024-02-10 10:40:36 | スポーツ
これを書いている2月10日午前中時点では、第2戦は終了しているはずですが、結果を知りません。
昼食後と今夜、録画したものを見ようと思っているので、結果については触れないでください。
取りあえず、第1戦の感想を書きます。断片的な文章になるのをご了承ください。


4か国のリーグ戦で上位3チームが代表権獲得という数字的には広い門。
 スペイン(世界ランク4位)…第1戦
 カナダ((世界ランク5位)…第3戦
 日本(世界ランク9位)
 ハンガリー(世界ランク19位)…第2戦
   ハンガリーに勝てば、大丈夫かなあ……

第1戦 スペイン戦
・ゲーム出だしは相手ペースで主導権を握られそうな気配だったが、林の2本の3Pシュートで流れを押しとどめ、宮崎のドライブ、山本の3Pを含む7得点などで、得点的にリードしたのが大きかった
・ゲームのポイントとなったのは、第2Q残り3分半で13点あった差が、3点差に一気に詰められた時の林の連続3Pシュート。この時、赤穂がオフェンスリバウンドに飛び込んで、林に繋げたのが大きかった
・あと、第3Qの出だしで、宮崎の相手を置き去りにする超スピードのドライブシュート。これで、日本優位のムードを維持した
・エブリンがオフェンスが滞った場面で、3Pシュートやファールを貰っての3Pプレーで相手に精神的ダメージを与えた。彼女の歓喜で気勢も上がる
・いつもながらステファーニーは、やや強引なドライブでファールを貰うのが上手いなあ
・高田もきっちり役割を果たした。試合を決めた3Pシュートも光る
・しつこいディフェンスで相手にプレッシャーを与え続け、気持ちよくプレーをさせなかった。そのせいで、シュートミスも増えた(宮崎は、相手の顔先周辺をちょこちょこ触り(←ファールにはならない?)、相当嫌がられていた
・吉田は右腕を痛めているのだろうか?時折、腕をだらりと下げていたし、ベンチでも顔を歪めていたことがあった。シュートもやっと届く程度だった。
 ただ、吉田はベンチやコートに居るだけで、チームが落ち着く。ミスをしても「吉田がミスするのなら、私がミスしてもOK」となる(←私は吉田ファン)
【反省点と言えば……】
・オフェンスが止まった時に、迷いが見られ、うまくいかないことが多かった
・リバウンドで劣勢になるのは仕方がないが、ルーズボールを取れなかったことが多かった
・オフェンスリバウンドに絡めないことが多かった。(赤穂はよく絡んでいた)

 初戦から強敵で苦戦しそうとは思っていたが、勝つ可能性は低くないと思っていた。負けたとしても、内容が良ければ、1勝はできるだろう。1勝でも3位以内に入る可能性は高い(後述)。第2戦も敗れて連敗となると、第3戦はカナダなので相当ヤバくなる。

【1勝2敗で4位(最下位)になるケース】
 勝ち負けが同成績の場合に、直接対決の勝敗が優先なのか、得失点差で順位を決めるのかは分からないが(ネットで調べようとすると、第2戦の結果が分かってしまいそう)、1勝2敗で最下位になるケースは……
・2勝1敗2チーム、1勝2敗2チームのケース。直接対決優先ならば、競合チームに負けていたら最下位。得失点差優先なら、得失点差で劣っていれば最下位
・3勝0敗1チーム、残りの3チームが1勝2敗ならば、得失点差で劣るチームが最下位となる
   得失点差については、当該チーム同士(この場合、1勝2敗3チーム間の試合限定)が対象になる場合、全試合対象になる場合が考えられる。

最上位のスペインに勝ったので、かなり五輪に近づいたが、第2戦も勝って五輪出場を決めたいところだ。
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パリ五輪卓球女子代表 伊藤美誠が外れたことについて

2024-02-07 17:14:11 | スポーツ
2月5日、パリ五輪女子の代表候補予定選手3人目(団体戦メンバー)として、15歳の張本美和が選出された。伊藤美誠(スターツ)は落選となった。
(“代表候補予定選手”というモヤッとした表現なのは、パリ五輪な団体戦の出場枠が、世界卓球選手権・団体戦(2024年2月16~25日・韓国釜山)でベスト8に入らないとパリ五輪の団体戦出場を得られないから)

 この世界卓球の女子代表(五輪代表ではありません)は、早田ひな(パリオリンピックシングルス選考ポイント1位・世界ランク5位)、平野美宇(選考ポイント2位・世界ランク18位)、伊藤美誠(選考ポイント3位・世界ランク10位)、張本美和(選考ポイント4位・世界ランク16位)、木原美悠(選考ポイント5位・世界ランク25位)の5名。(世界ランクは2024年1月30日 発表のモノ)。
 世界卓球代表(五輪の代表ではありません)の選考方法は、《パリオリンピックシングルス選考ポイント上位から出場選手4名を選出し、最後の 1 名は強化本部推薦》

 この世界卓球は団体戦だけなので、“伊藤美誠にとっては酷な戦いだな”と思ってしまう。
 個人戦で、五輪代表漏れの鬱憤を晴らすことはできないし、チームとして代表選手たちと共に戦うのは辛いのではないだろうか?他のメンバーもやりにくいかもしれない。


 それはさておき、五輪代表の選考についてだが……個人戦代表(団体戦も出場)は、早田が選考ポイント独走状態で早くから確定させていたが、二人目は選考対象大会の最終戦の日本選手権までもつれ込んだ。わずかに平野がリードしていたが、伊藤はベスト8以上に進出した上で、平野より良い成績を上げれば(例えば、「伊藤ベスト4、平野ベスト8」とか「伊藤ベスト8、平野ベスト16」)、伊藤が逆転するという際どい状況だった。
 結局、伊藤は6回戦で敗れ(ベスト32)、その時点で個人戦出場はなくなった。平野はベスト8止まり、決勝で張本を破った早田が連覇を果たした。

 代表3人目(団体戦のみ)は、選考ポイントやダブルス適正(早田や平野とダブルスを汲んだ時の相性など)や中国戦での勝利可能性などを考慮して選出することになっていた。
《張本を選出した理由》として
①選考ポイント4位(3位の伊藤よりは下位)
②15歳という伸び盛り
③国際試合での戦績など

 (②③は渡辺武弘監督の言)
が挙げられている。
 上記は、発表会見を観たわけではなく、ネットや新聞記事を見てのモノで、実際はもっと語られていたのかもしれない。

 昨年11月の選考会(全農カップ大阪)で伊藤、早田らを破って優勝。先頃の全日本選手権では準優勝。
 国際大会では、WTTスターコンテンダー ゴア準優勝。また、アジア大会団体で王曼昱、WTTファイナルズでは孫穎莎に敗れはしたが、手ごたえを感じさせる内容だった。
 そして、これらが昇り龍の勢い。
 日本選手権において、優勝した早田と対戦した選手は、苦労を重ねてやっと早田から1点を上げていた感じがあったが、張本だけは普通に打ち合って点を取っていた感があった。結果的には0ー4のストレート負けだったが、第1ゲームで張本が9-5とリードした時、このゲームを取り切っていたら、“もしかしたら”があったかもしれない。
 その後は、ゲームの流れを早田に支配されていたが、個々のプレーでは早田に引けを取らない内容だった。現在の実力では、平野より上というのが私の見解(ゾーンに入った時の平野も強力だが)。

 とは言え、純粋にシングルス選考をするのなら、やはり、伊藤を選ぶのが妥当だろう。
 しかし、3人目の代表は、個人戦ではなく団体戦のみの出場。そしてダブルスの適性も重要な要素となる。
 団体戦の形式は、シングルス4試合、ダブルス1試合が基本(世界選手権はシングルス5試合)。
 試合順は東京五輪は第1試合がダブルスで、その後シングルス4試合(リオ五輪までは、単単複単単だったと思う)。どちらかのチームが3勝目を上げた時点で終了。

ABC・XYZ方式(東京五輪)
第1試合(ダブルス) :BC vs YZ
第2試合(シングルス):A vs X
第3試合(シングルス):C vs Z
第4試合(シングルス):A vs Y
第5試合(シングルス):B vs X

 通常、エースがシングルス2試合、他の2選手はシングルス1試合、ダブルス1試合だが、エースが必ずシングルス2試合戦うA や Xでなくてもよい。
 相手チームの相性を考えて、エースをA ( X)から外すこともある。相手チームのエースがやたら強い場合、第2試合のエース同士の試合でこちらのエースがやられてしまうのを回避する戦略も考えられる。世界選手権はシングルス5試合(ダブルス無し)なので、時々あるようだ(女子団体で日本が用いた記憶がある)。ただし、五輪はダブルスがあり、ペア変更になるので難しい。
 
 エースを早田固定と考えられるので、ダブルスは「平野&伊藤」または「平野&張本」となる。
 「平野&伊藤」はかって「美宇、美誠」ペアで国際大会デビューという経験があるので、ありかもしれない。ただし、長らくペアを組んでいない。伊藤の打球の回転が特殊なので、ペアは大変とも言われているが、伊藤は女子ダブルスでは平野、早田と、混合でも水谷らと組んで実績を残しているので、杞憂かも。
 「平野&張本」は組んだことがあるのかな?…すいません、調べていません。Tリーグの所属チームが同じなので、ペアの経験はあるかも。

 ペアとしての相性は、当人同士やコーチの目から見ての判断しかないが、ダブルスとは別の観点で、伊藤選出に関しては不安要素がある。
・マイナスなコメントが多い
 「代表選考対象大会として、国内大会(選考会やTリーグ)が増えたので、国際大会を戦う選手は負担が大きい」(←意訳)というような不満や、大会後のインタビューで「体調が悪い中で…」「満身創痍状態だったが…」という言葉が多かった。
 さらに、日本選手権の6回戦、3-1で迎えた第5ゲームを10-8から4連続失点で落とし、第6、第7ゲームを落とし敗れる。
 試合後、「最終試合(6回戦)は一番勝ち試合だったところを、フルセットにしてしまった。3-3になるまでに仕留めるべきだった。たどりつかなかったです」
 「床でやる3試合は全ての選手がきつくて、私も去年の全日本で腰を痛めてしまった。再発しないように気を付けていたけれど、床で全部フルセットで、正直、結構体にはきていた。でも他の選手はちゃんと乗り越えていました」
 さらに、会見で
 「東京オリンピックが終わってからは、オリンピックを目標にしてても『やめておけば良かったな』と思う瞬間がいっぱいあって。『卓球は大好きだけど、オリンピックを目標にするのはやめておけば良かった』って思う瞬間がいっぱいあった」
 「私はずっとシングルスで優勝したいっていうのを目標にしていて、シングルスで(優勝を)成し遂げたいっていうのがあったので。団体戦に選出されても、出るかどうかはちょっとはっきり決まっていないのですが、まずは落ち着いてどこまでやるかをしっかり考えて」
 大切な試合での逆転負け。心中察するに余りあるが、《う~ん》と思ってしまう。気持ちはよくわかる。よく分かる……
 伊藤が団体戦で代表に選ばれたら、チームとしてはやりにくいような気がする……

・コンディションの不安
 あちこち故障するなどコンディション不良の状態が続いていて、今後、良くなる可能性はあるが、悪化する可能性も低くなさそう。


 「個人戦出場選手とダブルスが組め、団体戦でシングルスおよびダブルスにて活躍が期待できる選手1名を強化本部が決定する」となっているので、選考ポイントを最重視する必要はない。
 私は、3人目の代表は伊藤が選ばれても妥当だと思うし、張本が選ばれても妥当だと思う。
 なので、伊藤ー張本の代表決定戦をすればいいと思っている。できれば、3試合マッチで。
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大相撲雑感  2024初場所6日目まで

2024-01-20 10:24:37 | スポーツ
 【6日目までの成績上位者】
6勝0敗 朝乃山(西6)
5勝1敗 照ノ富士(横綱) 霧島(大関) 琴ノ若(関脇) 王鵬(西11) 琴勝峰(東14) 阿武咲(西14) 大の里(西15)
4勝2敗 豊昇龍(大関) 大栄翔(関脇) 北勝富士(西3) 平戸海(西8) 明生(西9) 隆の勝(東12) 美ノ海(西13)


朝乃山(西6) 6勝0敗
 横綱をも嘱望された元大関なので、本来の姿になっただけ。6枚目の位置なら当然の成績。勝ち星だけでなく、内容も良いので、優勝争いの主役となりそう。ただし、今後、上位との対戦が見込まれるので、そこからが勝負。

照ノ富士(横綱) 5勝1敗
 蹲踞(そんきょ)の時、膝を深く曲げていないのを視ても、完調ではないと考えられる(サポーターで強く固めているせいなのかもしれない)
 前を出ることを心がけており、多少バタつきは見られるが、慌てずに対処している(慌てた若元春戦は苦杯)。地力があるので、故障が悪化しなければ、優勝争いはできそう(ただし、上位陣相手に抗せるだけ回復しているかは不明)
 昨日、拙ブログの「翔猿の“ゆるふん”疑惑」のアクセス数が三桁になったが、これは、照ノ富士-翔猿戦で、照ノ富士が怒りをあらわにした為か。
 翔猿を土俵外に突き出す時、荒く激しい突きだったのと、その後の怒りの表情が凄かった。
 「伸びたまわし 照ノ富士-翔猿 2023大相撲名古屋場所3日目」で、照ノ富士の長期休場の一因となった因縁や、昨日の一番で、立ち合い時の張り手(横綱は“指が目に入って、カッとなってしまった。恥ずかしい”と)や、二度にわたる“けたぐり”(故障している膝への攻撃)などの理由が考えられる。
 ちなみに、翔猿のまわしは、今場所もゆるい。(北青鵬のまわしもゆるい)

霧島(大関) 5勝1敗
 ポテンシャル、巧さ、ピンチの時の相撲の反射神経、精神力など総合力は一番だろう。
 場所の終盤になればなるほど充実してくるので、優勝候補の一番手。ただし、綱取りの重圧もあるのが不安材料。
 正攻法で好きな力士なのだが、最近、張り手が増えてきたのが残念。
 常々感じるのだが、実況アナウンサーが、張り手を“激しい取り口”とプラス評価をする。昨日の霧島-豪ノ山戦、霧島が立ち合い直後の張り手後、充分な体勢を築き、一気に寄り切る快勝した相撲を「厳しい相撲。力の差を見せつけました」と評価。快勝したのは、立ち合いの強烈な張り手が大きな要因。張り手をプラス評価するのは如何なものか?

琴ノ若(関脇) 5勝1敗
 どっしりした相撲で、相手の攻め手にも慌てず対応。前への圧力もあり、安定感は随一。優勝、大関昇進も十分考えられる。

阿武咲(西14) 5勝1敗
 土俵際の詰めが甘く、よく逆転負けを食らっていた阿武咲だが、今場所はよく足が出ている。もともと上位で活躍できる力士で、今場所は楽しみ。

大の里(西15) 5勝1敗
 アマチュア横綱2連覇。5月場所(夏場所)では、幕下10枚目格付出で6勝1敗。翌7月場所(名古屋場所)で東幕下3枚目で4勝3敗で、十両昇進。9月場所(秋場所)で12勝3敗、さらに11月場所(九州場所)でも12勝3敗(優勝決定戦で琴勝峰に敗れる)で入幕を果たす。
 体も大きく前へ出る相撲。今後、上位との相撲が楽しみ。

豊昇龍(大関) 4勝2敗
 4連勝と快調だったが、ここにきて連敗。連勝中も危ない相撲を持ち前の反射神経で逆転という内容。
 場所前に、腰に続いて膝も故障。その割に、動けている。今後、優勝争いのカギを握りそう。

大栄翔(関脇) 4勝2敗
 大関昇進の一番手と言う状態から、先を越されっぱなし。
 押し込むが、躱されたり、バタッと手を突くことが多い。
 押すこと(突くこと)に集中し過ぎて、足が伴わない。足を前に出す、身体全体で押すことを心がけるべきだろう。

明生(西9) 4勝2敗
 下から突き上げる押しが素晴らしい。連敗後4連勝と上り調子。

貴景勝(大関) 2勝2敗2休
 首の故障が悪化し、休場。

高安(小結) 2勝2敗2休
 場所前は絶好調で期待されたが、2日目取組前に腰痛を発症。2日目の敗戦後、休場届。
 意外と早く回復し、6日目から再出場。
 一番優勝してほしい力士。

正代(西4) 3勝3敗
 大関時代は覇気のない相撲を取り続けた。大関陥落後の方が相撲内容は良い。
 もともと地力は十分にあるので、ツボにはまった時は大関以上の強さを発揮する。
 今場所も、正代の交通事故ごとくの災害に遭う成績上位力士が出そうだ。

錦木(西5) 3勝3敗
 前に出る圧力は角界一。
 この力士の圧力に屈してしまう被害者も出てくるかもしれない。
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2024春の高校バレー決勝戦 駿台学園-福井工大福井 ~まるで、『ハイキュー!!』の強豪チーム~

2024-01-13 11:36:54 | スポーツ
男子決勝 駿台学園-福井工大福井
 工大福井は初の決勝進出。福井県勢としては、これまでベスト8が最高で、初のセンターコートとなった準決勝では、鎮西(熊本)を3-0で破っての快挙だった。
 アウトサイドヒッターで主将の強打の堤を軸に、対角エースの能美の的確な打ち分け、オポジットの山本のキレのあるスパイクは、攻撃力抜群。ミドルブロッカーの長谷川と吉田のブロックも要所で決まっていた。セッターの丸山も巧みなトス回しで、多彩な攻撃を演出していた。リベロの伊藤も、スーパーレシーブでピンチを救っていた。
 準決勝まですべてストレート勝利。《これなら、優勝も》と期待を膨らませた…はずだった。
 ……しかし、もう一方の準決勝・駿台学園(東京)-昇陽 (大阪)で、駿台学園の絶対的な強さを見せつけられると、そんな期待も吹き飛んでしまった。
 
《強すぎる駿台学園》
 どのくらい強いのかと言うと……私があれこれ言うより、この記事を引用した方が的確。  私が楽(ラク)したいだけ(笑)

「マジで高校生のレベルじゃない」日本代表も絶賛…春高バレー連覇・駿台学園が強すぎる理由「僕たちは高校バレーの考え方を変えた」(Yahoo!ニュース)
・春高バレーに先立ち、昨年12月に開催された天皇杯で対戦したウルフドッグス名古屋の日本代表リベロ・小川智大も絶賛する。
 「個の力も高いし、組織力もあって、ミスが少ない。マジで高校生のレベルじゃないし、めちゃくちゃレベルが高いです」

《まるで日本代表のバレーボールのよう》
 まず、ボールがコートに落ちない。相手の強打や軟打に対してもブロックで塞ぐべきコースを封じ、ブロックを抜けたボールはアウトサイドヒッターの主将・亀岡聖成(3年)やリベロの谷本悦司(2年)がレシーブで“拾う”のではなく“つなぐ”。上がって終わり、ではなく、攻撃に展開できるボールをつなぎ、多彩な攻撃陣がやみくもに打つだけでなく、状況を見極めて無理に勝負しないほうがいいと判断すれば、リバウンドを取ってから攻撃を展開する。
 二段トスの精度や、レシーブの質。細かな一本一本の完成度も高く、まるで男子バレー日本代表を彷彿させる戦いぶりで相手を圧倒した。すべてのチームが「打倒・駿台」を掲げて臨んだ春高バレーで、インターハイに続く二冠を達成するという、まさに“絶対王者”と呼ぶにふさわしい戦いぶりを見せた。
(リンク記事の解説)

 とにかく、相手のスパイクをきっちりマークし、ワンタッチする。弱まったスパイクを想定コースで待ち構えたレシーバーがセッターにパス(レシーブから攻撃が始まる)。
 相手スパイカーがブロックを避けてスパイクを打つと、そのコースも想定していて、レシーブを上げる。相手も全国の強豪なので、駿台の攻撃を拾い、スパイクで返すが、レシーブ~スパイクの精度が高い駿台が、結局、ポイントを上げる……
 その上、駿台の強さを後押しするのが、精密なデータ。試合前のデータ分析もさることながら、試合中のプレーも逐一蓄積し、相手チームの攻撃のクセ、守備の穴を突いてくる。

 そんな“強すぎる駿台学園バレー”に、工大福井はよく戦った!
 何度撥ね返されても、スパイクを打ち続け、ついには、駿台守備を突き破っていた。
 第1セットは競り合い、うまくいくとセットを取れたかもしれない。第1セットを先取したとしても、徐々に駿台ペースになってしまう気もするが、超高校級と言っても高校生なので、“もしかしたら”があるかもしれない。
 第2セット、第3セットもよく食らいついていったと思う。
 しかし、亀岡がいた……

……「何でそこに居るんだ亀岡!」 と実況アナウンサーに叫ばせたプレー
 ラリー中、工大福井のオープントスを堤が強打。それを駿台がブロックタッチしたボールが、駿台コートエンドラインの後方に……そこに居た、亀岡が!
 ……エンドラインから2メートル後方に亀岡がレシーブ態勢で構えていたのだ。
 工大福井のリベロが駿台の強打をダイビングレシーブ。それをオープントスでエース・堤に託したのだが、それを駿台コート内後方にいた亀岡が視て、スススッとエンドライン後方2mに移動したのだ!


……漫画(アニメ)のようなシーンだった。
 そう、アニメなのだ!
 駿台学園は、バレーボール漫画(アニメ)『ハイキュー!!』の強豪チームの白鳥沢と稲荷崎をミックスしたようなチームだ。

 上記で引用した記事では
 高川学園(国体優勝)のエース・門田凌也が
「もともと僕たちはリバウンドを取るチームじゃなかったけれど、駿台を見本にして、リバウンドを取ってから切り返すようにしました。練習中も『駿台だったらこうしてくる』とよく名前を出していたし、ブロックとレシーブ、守備の連携もお手本にしていました」
 ライバルであるだけでなく、同じ高校生からお手本と言われる。しかし、そこから留まることなくアップデートを遂げていった点も、駿台学園の凄みだった。

 さらに
 主将の亀岡も
「今の高校バレーの勝ち方、考え方を変えたチームだと思っているんです。この春高も自分たちと同じような戦い方をするチームが増えると思っていたんですけど、僕らが第一人者というか、最初に始めたチームだったので、リバウンドの精度や細かいプレーが他のチームと違うと見せつけたかった。それができて本当に嬉しいし、自信になりました」


 おそらく、彼の言葉を否定する者はいないだろう。
 ただ、『ハイキュー!!』を思い浮かべると、彼ら自身も、『ハイキュー!!』に影響を受け、登場人物、登場チームのハイレベルのプレーを目指した……ような気がする。
コメント (2)
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2023皇后杯全日本バスケットボール 決勝 ENEOS サンフラワーズ vs デンソー アイリス

2023-12-18 17:42:01 | スポーツ
衝撃の試合だった!
第3Qは、ENEOSサンフラワーズがたった6点!…6-25!

(以後、“ENEOS”または“エネオス”と表記。 “デンソー アイリス”も“デンソー”と表記します)

 これまでも、第1Qでは、そんなスコアもあったが、後半巻き返して逆転。逆転まではいかなくても、反撃し相手に冷や汗、あるいは大汗をかかせるのが常だった。
 この試合は、前半を終わって、 ENEOS 27-41 デンソーデンソーがゲームを支配し、内容的にも得点もデンソーが優位に立っていた。それでも、《後半はENEOSが巻き返し、最低、勝てないまでも熱戦にはなるだろう》と見ていた。
 しかし、それどころか……第3Q、ENEOSのオフェンスは完全に押さえ込まれ、逆に、デンソーの放ったシュートは、面白いようにネットに吸い込まれていった。……俗な言葉だが、“タコ殴り”状態だった。


 ……ゲームの感想の前に……高田選手、おめでとう!
 これまで何度も決勝で敗れ、喜ぶENEOS選手の様子を見ていた。
 日本代表としては、五輪銀メダルなど、アジア優勝など、歓喜の渦の中にいることは多かったが、《デンソーとしてWリーグや全日本で優勝の笑みを浮かべることはないだろうなあ》などと思っていた。
 高田の喜ぶ顔を見て、私も嬉しくなった。おめでとう!

 準決勝は、ENEOSは"シャンソン化粧品 シャンソンVマジック”に、デンソーは"富士通 レッドウェーブ”に快勝。
 ENEOSは渡嘉敷が絶好調。さらに、宮崎もその渡嘉敷に絶妙なアシストパスを送っており、100点ゲーム(100-69)でフィールドゴールの確率も驚異の約60%(第4Qは控えメンバーを出したので60%を切った)
 デンソーは、馬瓜エブリンの加入で、ペイントゾーンは高田、エブリン、赤穂ひまわりと超強力(赤穂さくらが控えに回るなんて)。富士通は町田が欠場ということもあり通常のオフェンスを組み立てられないこともあり、85-63と厳しいゲームとなった。
 共に快勝だったが、ENEOSは盤石の勝利、デンソーは町田を欠いた富士通相手だったので、決勝の予想は立てにくかった。
 スタメンの5人のポテンシャルの合計はほぼ互角のようだが、デンソーのペイントゾーンは超強力なので、ENEOSが苦労しそう。それを、肉弾戦での渡嘉敷の強さと宮崎の爆発力、チームとしての集中力や勝ちへの執念で打ち破ることができるかの勝負か?……予想が完全に外れた

 以下は、決勝戦の雑感です
・2年前に宮澤、昨年は梅沢、今年も林が移籍し、長岡の加入や星の成長などがあるモノの戦力ダウン。選手層も薄くなった。(私見だが、宮澤⇔長岡はプラス)
・デンソーの[高田、エブリン、ひまわり]に対して、ENEOSは[宮崎、高田、星]のスリーガードで、「渡嘉敷、長岡」のふたりでは駒が足りない。どうしても、ひまわりに対すしてミスマッチが生じてしまい、攻守とも苦しい。
渡嘉敷は奮闘したが、デンソートリオが余力を持って対応するので、通常通りのプレーができない。頼みは長岡だが、このゲームは冴えない日。なので、余計、苦しいプレイが続く。宮崎がドライブインなどでデンソーディフェンスを切り裂くシーンも見られない。ドライブのトライ数も少なかったので、デンソーディフェンスの隙がなかったのかもしれない。期待のも封じ込まれた。
・そんな中でも、前半は中に攻め込んで外郭へのパスを出すなど、オフェンスは機能していたが、シュートが入らなかったのが、痛かった。外郭シュートが入れば、ディフェンスももう少しシューターへのマークを強めなければならず、渡嘉敷や長岡ももう少し楽になったはず。
・その意味で、岡本が完全復調していなかったのも響いた。
・"ないものねだり”してはいけないが、吉田(←復帰していたのか:アイシン)のキラーパスや牽引力、岡本の勝負所で決める3Pシュートやドライブシュート、間宮(大崎)のツボを心得たプレー、矢野良子や田中利佳のミラクルプレーなど、渡嘉敷以外に一人で苦境を打開できるプレーヤーがいない。

 ほぼ、ボヤキになってしまったが、デンソーは素晴らしかった。ペイントトリオに加え、木村亜美、赤穂ひまわり、本川紗奈生らも大活躍。3Pも12/22(54.5%)、その他のシュートも打てば入るような印象。ENEOSを完膚なきまで叩きのめした。

ENEOS  13 14 06 23  56
デンソー   21 20 25 23  89
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相撲雑感 2023九州場所6日目まで

2023-11-18 17:07:02 | スポーツ
(「相撲」が「相棒」に見えるのは、私だけなのだろうか?)
 照ノ富士は今場所も休場(やはりあの相撲が……)
 横綱不在とは言え、3大関(貴景勝、霧島、豊昇龍)、3関脇(大栄翔、若元春、琴ノ若)が充実しているので、面白い場所になりそうだと思っていた。
 3日目までは特に充実していて、6力士の合計成績は20勝1敗!(若元春が高安に敗れただけ)。相撲内容も良かった。
 とは言え、地力があり、充実していても、一瞬のスキや、動きに遅れ・迷いを見せれば、黒星がついてしまう。
 6日目を終わって、貴景勝5勝1敗、霧島4勝2敗、豊昇龍5勝1敗、大栄翔4勝2敗、若元春3勝3敗、琴ノ若6勝0敗と、やや減速。
 優勝争いに目を向けると、6戦全勝が琴ノ若、一山本、5勝1敗が貴景勝、豊昇龍、翠富士、熱海富士、美ノ海。

(以下は覚え書き程度だと思ってください)
貴景勝……状態が回復してきているようだ。前に出る圧力も増してきているが、相手に耐えられた時が、やはり問題。体力・持久力の問題もあるが、ムキになったり、焦るのが欠点。墓穴を掘るシーンが今後あるかもしれない。
霧島……取りこぼしが見られるが、後半調子を上げてくるだろう。
豊昇龍……気の強さが長所だが、気が強すぎて墓穴を掘りそう。豪ノ山戦は何が癪に障ったのだろうか?相手が仕切り線に手を下ろしているのだから、それに合わさないのはおかしい。それをきちんと捌けない行司も情けない(照ノ富士ー翔猿の時の行事)
大栄翔……突きの威力は健在だが、ここ数場所、2歩目が出ない。当たった後、押そうとする気持ちが強すぎて、上体だけに力が入り、足が伴わない。それでも、突きの威力が強いので、勝ち切ることが多いが、観ていると、前に落ちそうで怖い(大栄翔のファンです)
若元春……精彩を欠いている。取り口が後手に回り、攻めることができていない。
琴ノ若……身体が大きいが下半身、上半身とも柔軟。一気に押し込まれることはないし、ハタキや変化にも体勢を崩すことも稀。慌てず、じっくり相撲を取ればかなりの勝率を上げられそうだ。
正代……ポテンシャルは高い。強い時の強さは大関以上。ただし、取り口がさえないので、後手に回ることが多すぎ。もっともっと勝てるはず。
高安……何度もあと一歩で優勝を逃している。一度でいいから優勝賜杯を抱えてほしい。一瞬の強さは途轍もないが、故障がちなので足がついていかないことが多々ある
錦木……前への安定した圧力は角界一。数場所前、覚醒したが、あの当時の相撲を思い出せば、充分大関になれそう。調子を上げてきているので、2敗しているが優勝争いに絡めそう
熱海富士……先場所よりも内容が良い。強さを感じる
玉鷲……歳を感じさせない若々しい相撲だ。今場所はひと暴れしそう
一山本……十両に落ちた時は、常に引き技が頭にあるような相撲だったが、今場所は前へ前へ出ている
美ノ海……一山本同様、前に出る相撲が光っている


 まあ、とにかく、大栄翔は2歩目の足を出してほしい。
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