カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

AMRO 地域経済見通し2024年10月 貿易と観光の回復

2024年10月09日 | 経済
 10月3日、ASEAN+3マクロ経済調査事務局(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office:AMRO)は、ASEAN+3地域経済見通し四半期改訂版」(Quarterly Update of the ASEAN+3 Regional Economic Outlook)を発表しました。AMROは、この地域の経済・金融の監視・分析を行うとともに、ASEAN+3(ASEAN10か国と日本、中国、韓国)による外貨融通の取り決め「チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)」の実施を支援するために設立された国際機関です。
 AMROは、今回の見通しで2024年の加盟13カ国のGDP成長率見込みについては、前回(7月)予測をほぼ維持しました。ASEAN+3では、2024年4.2%(前回4月予測4.4%)、2025年4.4%(同4.3%)、ASEAN10か国では、2024年4.7%(同4.8%)、2025年4.9%(同4.8%)と見ています。カンボジアについても変更なく、2024年5.6%(同5.6%)、2025年5.9%(同5.9%)としています。ASEAN主要国については、2024年は回復傾向にあるとして、タイ2.8%、フィリピン6.1%、シンガポール2.4%、マレーシア4.7%、インドネシア5.1%、ベトナム6.2%等と予測しています。
 ASEAN10カ国の物価上昇率予測は2024年6.1%(前回6.3%)へ引き下げました。カンボジアについては0.4%(同2.5%)に大幅に引き下げています。
 AMROでは、2024年については、対外貿易と観光業の継続的な回復と、底堅い内需等による力強い成長となると見ています。2025年については、金融環境が緩和する中での安定した外需と底堅い内需等が期待できるとしています。主なリスクとしては、米国と欧州の急激な成長減速、中国の経済成長の鈍化、金融市場のボラタリティーの急上昇、世界的な一次産品価格と輸送費の急騰、米国大統領選挙後の積極的な保護主義政策をあげています。
 AMROとCMIMは、アジア通貨危機の際の国際通貨基金(IMF)の対応が失敗続きであったために、日本が主導して設立したアジア版IMFです。2016年の設立協定発効以降、活動を本格化しており、アジアの視点に立った経済分析・監視を実施しています。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット)

AMROの新聞発表(英文です)
https://amro-asia.org/asean3-economies-maintain-solid-growth-amid-rising-external-uncertainties


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コマツ 地雷除去への協力を... | トップ | 総務省 通信網でASEAN支援拡... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

経済」カテゴリの最新記事