カンボジア経済

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カンボジア西部の現状2024 その3 観光が復活しつつあるシェムリアップ

2024年01月31日 | 経済
 2024年1月に、バッタンバン、ポイペト、シェムリアップ等のカンボジア西部の主要都市とそれらを結ぶインフラの現状を視察する機会がありました。
 1年ぶりにシェムリアップを訪問しました。シェムリアップは、アンコールワット等のアンコール遺跡群を擁する観光都市です。しかし、2020年以降、新型コロナの影響で訪問客数が激減し、経済は大きな打撃を受けました。カンボジア観光統計によりますと、カンボジアへの外国人訪問客数は、ピークだった2019年の661万592人から、2020年130万6143人、2021年19万6495人へとピーク時の40分の一にまで大幅に減少していました。しかし、2022年は227万6626人、2023年は545万3231人まで回復してきています。今回の訪問でも、欧米系を中心として、観光客も復調しつつあるのを実感しました。繁華街のパブストリートや、アンコールワットには、多くの観光客が戻ってきていました。
 カンボジア政府も、観光客誘致の努力を続けています。シェムリアップで行っていた大規模な道路改修工事の効果は大きいものがあります。この事業で改修した道路は、合計38本で、総延長は108.7㎞、総工費は約1億5000万ドル(約172億円)とのことです。この道路工事は、シェムリアップ観光開発マスタープランの一環として実施されたもので、2021年12月に完成しました。工事中は、道路が通行止めになったり、家から車が出せなくなったりと、色々と不便もあったようですが、道路が出来上がって見違えるようになったところも多いようです。新型コロナで観光客がほとんどゼロだった2年間で工事を行えたことは、不幸中の幸いであったものと見られます。改修工事では、観光にも好影響を与えるべく、道路沿いの植栽や景観に配慮するとともに、川沿いに遊歩道を設けたり、サイクリングレーンを整備するといった工夫も見られます。対象となった道路は、市内中心部だけでなく郊外まで及んでおり、道路整備の経済効果の大きさが目に見えるようでした。
 2023年11月には、建設が進められていたシェムリアップ・アンコール空港が正式に開港しました。また、日本の円借款の支援による水道の拡充事業も2023年5月に完成しました。観光が主要産業であるシュムリアップにとって、こうした基礎インフラの整備は欠くことのできないものです。維持管理を含めて、今後もインフラ整備に向けた地道な努力の継続が期待されます。
(写真は、観光客で混雑するパブストリート)

整備された道路。昔とは比べ物にならないほどの改善です。


シェムリアップの繁華街のパブストリートの夜。盛り上がっていました。



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