カンボジア経済

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今年の停電を受けて発電所を緊急建設へ

2019年06月21日 | 経済
 6月11日、カンボジア電力公社(EDC)は、カンダール州に石油・天然ガス火力発電所を建設する計画について、中国系の2社と合意したと発表しました。発電機は、石油と天然ガスのどちらでも使えるタイプで、200MWを2基設置する計画です。1基は、中国能源建設(CEEC)系の葛洲坝能源重工(CGGC-UN)が施工し、発電機はフィンランドのバルチラ社(Wartsila)から調達します。もう1基は、中国重型機械(CHMC)が施工し、発電機はドイツのマン社から調達するとのことです。中国2社がEPC(設計・調達・建設)方式で請け負います。なお、併せて、基幹送電網に接続するための変電所も建設するとしています。
 総事業費は、3億8000万ドル(約410億円)で、3億ドルについてはカンボジア政府からEDCが借入れ、残額はEDCが負担するとしています。工期は10カ月としています。中国企業らしい恐ろしく短い工期であり、3年で完成させるとしたインドネシアの高速鉄道が、まだ半分もできていないことを思い起こさせて、懸念があります。
 カンボジアでは、今年の乾季に水不測で水力発電所の出力が低下し、プノンペンで計画停電を行うまでに追い詰められました。電力需要は、2018年は14%、2019年は16%増加すると見られ、今後も急速に拡大するものと予想されます。このため、カンボジアでは引き続き毎年300MW~400MWの発電能力増強が必要となるものと見られます。カンボジア政府の持続的な努力と、日本等の支援が望まれます。



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