活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

楽天退会で経団連が抱えた課題

2011-06-25 23:27:00 | Weblog
楽天が経団連を退会した。「電力業界を保護している」と、反発しての退会と噂されているが、本当のことは誰にもわからない。ただ、三木谷CEOが加入していても、何のメリットも得られないと考えていたことだけは確かである。退会の方便として電力業界云々を口にしたことも考えられる。

いずれにしても経団連では、少なからず衝撃が走ったものと思われる。連鎖的な退会は考えにくいが、執行部の方針次第では、楽天に続いて名乗りする企業も出てくるかもしれない。

それは「脱原発」を模索する企業も相当数あるからだ。経団連内部でも原発推進一本槍の限界が到来したことを告げるものである。

このような状況にありながら、米倉会長が最近、「原発は避けて通れない」などと、電力業界寄りの発言をした。さらに菅首相が浜岡原発停止を要請したことについても「思考過程がブラックボックス」と批判した。深く考えることが苦手な単純な人間であることさらけ出した。

経団連は人間を粗末にして、経済優先させるために、自民党と一体になって原発推進の旗振り役を演じてきた。福島第一原発が事故発生後、すでに100日以上経過したが一向に収束しない。放射能による人体への影響や環境への汚染は、ますます深刻なものとなりつつある。

しかし、自民党も経団連も他人事ときめこみ、いまだに謝罪していない。居丈高な姿勢は相変わらずである。先ずは謝罪することである。

大震災と原発災害を機に、経団連に対する見方はきびしいものとなっている。旧態依然でいいはずがない。三木谷ばかりでなく、強欲経団連を批判する経済人は多い。米倉らの高慢な態度が改まらなければ、楽天同様、退会の動きを歯止めすることはできなくなる。