介護サービス事業で業界でも有名なコムスン、ニチイ学館、ジャパンケアサービスの3社が、東京都の立ち入り検査で介護報酬を不正に請求していたことが分かりました。不正請求の内容は、介護時間の水増し、介護保険対象外のサービスを介護報酬として請求するといった手口によるものと分かっています。
3社による不正請求総額は4億2000万円にも達し、その内訳はコムスン2億200万円、ニチイ8500万円、ジャパン1億3800万円で東京都は不正請求分について、介護報酬を支払った市区町村に返還するよう3社を指導したそうです。この3社は企業理念のない、ただの三流会社といえます。そしてデタラメぶりも一筋縄でありません。
なかでも不正請求の5割近くを占めるコムスンの悪質さは際立っています。今回の不正請求とは別に、なにかと世間を騒がせる企業ではないでしょうか。企業の内部統制など、まったく備わっていないように見えるのです。親会社のグッドウィルから儲けることだけのノルマを課せられたのではないかと勘ぐりたくなります。
親会社も人材派遣業で急成長、あまりいい話は耳にしません。それもそのはず「一日派遣」で保険料名目で派遣1回あたり200円から250円を給料から天引きしていたのです。しかも天引きしたおカネの使途も不透明で、労働基準監督署や厚生労働省も調査に乗り出す方針といわれています。本来は保険料は会社が負担すべきことなのです。ピンハネ産業といわれていることからイメージとしては印象がよくありません。また、会長は有名な経済団体の会員として名を連ねているのです。
今回、不正請求の不祥事は東京都だけでなく全国規模に拡大しているように予想されます。各道府県も早急に立ち入り検査する必要があるのです。精査しないで悪徳会社に報酬を支払う行政当局の怠慢は許されないからです。介護保険制度は、00年4月からスタートした社会保険なのです。40歳以上の国民はすべて介護保険料を強制徴収されているのですから。こういう不正を見逃すことは将来、介護保険料のアップで家計を直撃するのです。