衆院総選挙で民主党が単独過半数を上回る308議席を獲得し、自民党から政権を奪取した。大惨敗した自民党は野党に転落、大物議員たちも多数落選した。辛うじて比例区で復活当選した議員もいるが、大威張りされてはたまらない。選挙区では信任を得られなかったからだ。この選挙結果を受け、麻生首相は総裁を辞任することを表明した。
振り返れば国民の生活を省みない政治が長い間続いてきた。医療や雇用、教育の格差は広がるばかりで、国民に政治不信が芽生えたのは、「小泉構造改革」による弱肉強食社会で、わが国がボロボロになっていく姿を目の当たりにしたからである。07年7月の参院選で、自民党が大敗したのもその象徴であった。
消えた年金記録5千万件について、当時の安倍首相は、1年以内に解決すると大見得を切った。しかし、2年以上経過した現在も、なんら解決されていないこと国民を見事に裏切った。約束事を反故にして、何食わぬ顔で議員生活を送っている姿は見るに耐えない。よく平気でいられるものだ。
あの2年前の参院選は、自民党政治に対する国民の逆襲であった。衆参逆転の「ねじれ国会」で、政治は空転し続けた。あの時民意を問うため、衆院を解散すべきとの世論感情も無視され、2年もの長きにわたり政権にしがみき、「やりたい放題」されたことも、ますます国民の怒りを買った。
安倍首相の政権放り投げに続いて、福田康夫首相も中途で政権を放り投げた。後任の麻生太郎首相も、およそ1年間政権に就いたが、やることなすことちぐはぐで、国民からの信用は限りなくゼロだった。それは選挙戦で、民主党にネガティブキャンペーンを張ったものの、国民の誰からも相手にされなかったことで示された。
いまようやく政権交代するが、、2年前の参院選で民意は「自民党政権NO」を突きつけていた。それにもかかわらず、政権交代を引き延ばした自民党の自業自得ぶりは救いようがない。