亀井氏は曽野氏を選任した理由について「感性、見識、知恵が申し分ない」と語ったそうだが説得力はまるでない。
小泉改革を支持する新自由主義の社外取締役の大半も辞任することはたいへん結構なことであるが、いくら引き受け手が少ないからといって、民営化のかじ取り役を安易に選任しているというそしりは免れない。
一方、引き受ける曽野氏も親族が、郵便局長をしていたから郵政事業への思い入れは、特別、強いとしているがそれだけでは無理である。経営陣の若返りも必要なため、体力や年齢等を考慮すれば、引き受けるにも、より慎重な判断が欲しかった。名誉職のつもりで引き受けたとしたら24万人の郵政職員はあまりにも可哀相だ。
鳩山首相にも言いたい。郵政人事を亀井氏に丸投げしてはいけない。若くて清廉潔白な人物を見つける努力をすることだ。今回の人事は民主党が目指す路線とは異なるとしか言い様がない。郵政職員の平均年齢のほぼ2倍にあたる年寄り経営陣を選んで、この変化の激しい時代に対応できるとはとても思えない。
国民や民主党が描いている路線から明らかに亀井氏の構想は逸脱している。軌道修正を急ぐことだ。