活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

新自由主義と原発事故の関係

2011-06-14 18:57:00 | Weblog
人間を徹底的に粗末に扱い、1円でも多く利益を稼ぐ経営手法が蔓延している。新自由主義経営である。

雇用については規制緩和を求め、「雇用の調整弁」として非正規雇用を拡大してきた。いつでも「使い捨て」できる労働力ばかりを追い求めてもきた。社会保険料負担はゼロ、労働賃金を下げるため見積もりや入札まがいまでして、悪どく儲けることが「立派な経営者だ」とマスコミ等にもてはやされた。

その立派な経営者のおかげで、若年から中高年まできびしい就職戦線を強いられ、願いがかなわず希望に閉ざされた人たちは後を絶たない。

東電福島原発は世界最悪の原子力事故となってしまった。新自由主義経営に毒され、起こるべくして起きたと解釈することができる。利益を極大化するため、津波や電源喪失への備えはIAEA調査でも安全対策がなされていなかったこと裏付けられた。まさに人災以外のなにものでもない。

放射線の放出もいっこうに収まらず、日本はもとより外国にまで環境汚染を輸出した。現場の事故処理に当たる作業員多数も大量被曝した。原発周辺住民は家も土地も職も失い、絶望の淵へと追いやられた。これほどひどい仕打ちはないだろう。

すべてが「経済優先」で人間が粗末にされてきた結果のものである。これを機に新自由主義を排除し、「人間はすべてに優先する」に方向転換しなければ、被災者の方に申し訳けが立たないことになる。