活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

拉致担当大臣の靖国参拝で遠のいた解決

2012-08-18 21:36:56 | Weblog
日本赤十字社の努力で戦中・戦後に北朝鮮で死亡した日本人の遺骨返還と墓参について話がまとまり、北朝鮮当局と今月29日、北京で予備協議することが決まった。協議に漕ぎ着けるまで怠慢日本政府は、傍観するだけで何ら手を打つことをしなかった。それどころかこのまとまった協議に便乗して、懸案の拉致問題を交渉のテーブルに載せることまで決めているという。

これに対して、北朝鮮は従来の見解である、「拉致問題は解決済み」として、議題に載せようとする日本を、相変わらずの調子で非難した。この北朝鮮のかたくなな態度からして、拉致問題は今回もまた、解決が遠のいたといえよう。

そのことと併せて、日本政府には真からこの問題を解決しようとする熱意があるのか、はなはだ疑問に思えて仕方がないのである。打開する気はさらさらないのではないか。

それを裏付けたのが終戦の日、15日の松原仁拉致担当大臣の靖国参拝だった。民主党政権の参拝自粛方針にも逆らってあえて参拝した。民主党政権では初めてのことだった。担当大臣自らが拉致問題を「ぶっ壊した」ようなものである。

松原が何を考えているか知らないが、侵略戦争の象徴、靖国を参拝して拉致問題が解決できるわけがない。日朝の赤十字社の並々ならない努力で醸し出された「いい雰囲気」がこの参拝で雲散してしまった。浅はかな行動が招いたものである。取り返しのつかない事態に発展しないことを願うばかりである。

尖閣緊張、石原の「政府に吠え面」との関係

2012-08-16 12:45:01 | Weblog
尖閣問題のトラブルメーカー、石原慎太郎東京都知事が終戦の日のきのう15日、香港活動家が魚釣島に上陸したニュースに触れ、記者団にコメントしていた。曰わく「野田(首相)を尖閣に上陸させたらいい」と。単純な男である。

記者会見ではいかにもおどおどした態度で、ことさら自説への相槌を求めていた。自らの尖閣購入発言が、これほどの騒動に発展したことへの動揺を物語る所作も随所に見受けられた。

石原がワシントンで反中国保守のシンクタンク、ヘリテージ財団にそそのかされ、尖閣購入発言したのは今年の4月中旬のことだった。野田民主党・政府にも「吠え面をかかせてやる」とも言い放った。東京に戻って発言すればいいものを、わざわざ財団の威を借りたところ、「小心者」石原らしい。

ところで日中間で緊張が高まることをもっとも歓迎するのは米政府と軍、それに乗じて利益をえることができるヘリテージのようなシンクタンクである。在日米軍基地、とりわけ在沖縄基地の永久固定化ができるからだ。

わが国にとって尖閣が緊張することは、ひとつも利益にならない。米が「漁夫の利」を手にするだけである。ヘリテージの罠にまんまとはまった石原。あきれた愛国者である。

「近いうち」衆院選 民自公議員を落とそう

2012-08-10 23:11:01 | Weblog
財界と財務省の手先、野田佳彦首相への国民の支持率は、2割台と急落していた。国民から見放された政権担当能力ゼロ首相が、自民党谷垣総裁と公明党山口代表と謀って、消費増税法案成立と引き換えに、衆院解散を条件に密談したのは昨日のことだった。

その結果、きょう10日、参院で法案が可決・成立したことに、やり場のない憤りでいっぱいである。同時に深い失望感に包まれてもいる。

マニフェストにもなかった消費増税法案を成立させてから、「信を問う」として、解散するというやり方は最も卑怯で、国民を最大限に侮辱したものである。先ずは解散して、「信を問う」ことが政治の王道である。政治に邪道を求める野田はきびしく糾弾されなければならない。

この増税法案には国民の6割近くが、「反対」の意思表示をしていた。この意志も反映されないことは、最早、政治とはいえない。こうなったら、「近いうち」に実施される、衆院選で何としても民自公議員を落選させなければ、溜飲は下がらない。

そしてこの悪法、消費増税法案が廃止されるまで、希望だけは持ち続けるようにしておきたい。

公務員退職金カットでよろこぶ経営者たち

2012-08-09 19:16:28 | Weblog
野田首相とそれを取り巻く閣僚たちは、心底、馬鹿な集団ではないかと思う。今月7日、国家公務員の退職金を約15%引き下げる閣議決定をしたからだ。これにより支給額平均は、2708万円から403万円減の2305万円になるという。早ければ来年1月から実施される予定とのことである。

減額する理由は民間より高額だからそれにあわせることと、消費増税に伴う「身を切る改革」の一環だというから、野田ら閣僚の身勝手さにあきれた次第である。

内閣は民間の退職金が低過ぎないのかを検討したのか。そこそこの利益が出ていながら、賃下げを当然とばかり実施する企業は後を絶たない。そのくせ株主には高額配当で報いている現状をどう分析したのか。

さらに、賃下げによる内部留保の膨張は天井知らずである。グローバル化を背景にした社会的責任の欠如した企業は増える一方である。これを是正し、解決しようとするのが政権に与えられた仕事である。しかし、野田内閣はメスを入れる気もなければ気概もない。経営者の「やりたい放題」に指をくわえて、ただただ、見過ごしているのがいまの野田内閣である。

そういえば、公務員の給料等を削減する手法、橋下徹大阪市長のやり口に似ていないだろうか。公務員を叩くことで大衆の喝采を浴びようとするポピュリズム政治におぞましい野田内閣が重なって見えるようになってきた。

官民格差は少ないほど良い。民間賃金底上げを指導できない無策無能集団の野田内閣。公務員の退職金が下がってよろこぶのは経営者だ。なぜならば、従業員の給与を下げる格好の口実が、またひとつ増えたからである。ろくでもない内閣であること疑う余地はない。

消費増税へ一直線 なりふり構わぬ朝日社説

2012-08-08 19:56:30 | Weblog
朝日新聞社が社説は会社の主張であると8/5付、読者に向け記事で態度を明確にした。消費増税について、読者からいったいどっちの味方なのかとの問い合わせが多数あったことに応えてのものだ。

8/7付社説は消費増税法案成立に暗雲が垂れ始めたことで、「改革つぶしは許されない」とタイトルし、3党合意が反故にされる可能性があることをおそれて自民党を批判した。要するに是が非でも、3党で増税法案を成立させよとの主張である。

この一方的な主張は受け入れることはできない。5%増税分13兆円の税収は、すべて社会保障経費に繰り入れるはずだった。ところが社会保障には税収の1%分しか回らないことが分かった。残りの4%分は財政赤字補填と公共事業経費に回されることも判明した。朝日は民自公による国民への約束違反を社説で攻撃するべきではないのか。

民自公の詐欺師集団に国民は誤魔化されてきた。このとを棚に上げ、法案成立をせかす朝日も詐欺師集団に加担することになるのではないか。これが社会の公器を名乗る朝日の主張とは聞いてあきれるしかない。本来であれば、ウソにまみれた法案は撤回せよと主張するべきである。

つくづく思うのだが、8/7社説は朝日の堕落ぶりが象徴されたものと捉えている。国民のことより経団連など財界の機嫌を損ねることで、広告等収入にブレーキがかかることを恐れて、このような主張を繰り返しているとしか思えない。

こんな社説を掲載するようでは、読者離れが加速しないか、先が思いやられて仕方ない。

12年版防衛白書から見えてくるもの

2012-08-07 18:34:04 | Weblog
12年版防衛白書が7月31日、閣議で報告された。それによれば、中国海軍が太平洋進出を常態化しているから、警戒しなければならないと、記述されているそうだ。本当にそうだろうか。方便に見えるからである。

白書から透けて見えるのは、沖縄における日米の軍事力を強化したいため、予算増額を強調したいことが本音ではなかったのか。そのためには、中国の脅威をことさらに演出しなければ白書としての説得力はないからである。

尖閣諸島問題にしてもオスプレイ配備問題にしても、日中が緊張することをよろこぶのは、米政府・軍だけである。米軍は日本を守ると称して、その費用を日本に負担させ、ただ同然に日本領海・領空を「我が物顔」で支配できるのだから、これほどありがたいものはないし、笑いも止まらないことだろう。

米の「食い物」にされてきた日本政府・防衛省。戦後一貫して変わらない米への隷属意識と態度から脱却できないかぎり、日中間が氷解することはありえない。

原発容認勢力が支配する橋下維新

2012-08-06 08:50:00 | Weblog
橋下徹大阪市長が原発容認に変心した背景を8/5付、 朝日新聞経済面「波聞風問」で、同社の編集委員が記事を寄せている。それによれば、橋下の指南役で経営コンサルタントの大前研一氏が橋下にこう諭したという。「原発が停止したままで関西で大停電が起きたら、あなたの政治生命は終わりになる」と。

この恫喝をきっかけに原発容認に転じたというから、「小心者」橋下を象徴していないだろうか。それにしても裏付けのないデータを持ち出した原子力ムラのポチ、大前の恫喝にあっさりと「降伏宣言」する橋下には、信念の欠片さえ持ち合わせていないことも証明された。これで橋下のイメージダウンは計り知れないものとなった。

大前ら原発容認派の圧力は橋下側近で、脱原発派の飯田哲也氏(7/29山口県知事選で敗北)まで淘汰してしまった。橋下のそばに置く事が邪魔になったのだろう。選挙戦では橋下ら維新の積極支援はなかった。その理由は原子力ムラや地元保守タカ派の安倍晋三元首相に遠慮したからに違いない。

飯田がなぜ橋下のプレーンになったのか、不可解なところもあった。橋下の人気取りに利用された挙げ句に、橋下に都合よく捨てられたと、解釈できないだろうか。何れにしてもこれで橋下側近は、すべて原発容認勢力で固められたことになる。

このことから、橋下維新が仮に国政に進出したならば、すべての原発が再稼働することだけは、間違いないものとなるはずである。