活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

悪質な内定取り消しは告発を

2008-11-30 22:32:21 | Weblog
景気が冷え込む中、企業が業績悪化を理由に、来春就職予定の学生たちに対し、内定取り消しが相次いでいるという。厚労省の発表では、「就職氷河期」以来の高い水準だそうだ。

内定を取り消すことは、合理的理由がない限り無効だ。だから経営環境が悪化したからという単純な理由は筋が通らない。

内定を通知(口頭でも)したことは、すでに労働契約が成立しているためだ。安易な取り消しができないのは当たり前のことである。これの濫用は、もちろん違法であり、企業としての社会的責任を放棄したにひとしい。

よく耳にする話だが採用するつもりもなく、広告宣伝のつもりで人材を募集する、悪質な会社も多くあるように聞く。これに類する行為を、企業の幹部や人事担当者が、ぐるになって学生たちをいい加減な気持ちで、もてあそんでいないか、厚労当局は監視を強めてほしいものである。

さいわい内定を取り消された学生たちを対象に、ハローワークに相談できる窓口を設置するとの事である。前途に水を差された学生たちの「青雲の志」を傷つけた企業に対し、当局は学生たちに親身になって、徹底した調査をすることも不可欠だ。

そして、悪質企業に対し、躊躇することなく告発をしてもらいたい。そのような企業は違法行為をしていることから、なんらかの社会的制裁が必要と考えるからだ。最近、社会貢献する企業が少なくなったのも、トップの倫理観欠如が反映されたものである。

史上最低空幕長に高額退職金

2008-11-29 22:51:50 | Weblog
防衛大臣を補佐する田母神前航空幕僚長が更迭され、今月3日に退職したが、高額の退職金が支払われるという。防衛省は金額について「個人のプライバシー」をたてに公表しないというが、どこかおかしくないだろうか。

「わが国が侵略国家だったなどというのは、まさにぬれぎぬ」と主張した論文を書いたり、統合幕僚学校長時代に政府見解を否定した国家感や歴史観を自衛隊幹部に教育していたからである。

最近では、ことし4月、航空自衛隊のイラク派兵を違憲とした名古屋高裁判決を「そんなの関係ねぇ」と裁判の結果を冒涜した自衛隊トップである。これからみて、法治国家のトップにふさわしくない職務に就いていたことは明らかである。

そして、政府見解を真っ向から無視する教育が、自衛隊内で公然と行われていたことは覆しようがない。このことは、トップの「職務忠実義務違反」とみなすことが出来るし、懲戒免職処分にすることが妥当だった。だから払ってはいけない退職金だ。

しかし、政府や浜田防衛相は事態を穏便に済ますため、最後まで毅然とした態度を見せることなく、定年退職として幕引きを図った。田母神氏辞表提出をめぐっては浜田防衛相と押し問答し、「森元首相や安倍元首相も自分の考えを理解している」と発言したことも報道された。バックに田母神氏を担ぎ上げた、歴史塗り替え派の大物議員たちの存在も分かった。

自己の地位を利用して、戦前回帰を目論み、自衛隊を私物化した無責任ぶりは国家に泥を塗った。諸外国、とりわけアジア諸国からの信用も失墜させた。

戦争責任を否定し、平和を脅かした人物に7千万円ともいわれる高額退職金が、税金から支払われることに強い違和感を覚えるものである。

ゆがんだ歴史観一掃に努力を

2008-11-24 22:14:09 | Weblog
「歴史観」科目廃止も=統幕学校の幹部教育で防衛省(時事通信) - goo ニュース


間違った国家感や歴史観を統合幕僚校で講義することを廃止しない限り、国民は安心して生活できない。先の戦争で侵略を否定した、田母神前空幕長が更迭され、退職したことは当然のことであった。

田母神氏が統幕学校長時代に新しく講義を設けて、外部から講師を招聘したのは、すべて「侵略戦争でなく、自存自衛のため、やむをえない受身の戦争だった」と主張する歴史修正主義者があてられた。

ところが、この問題で防衛省はこの講師たちの名前を、参院外交委員会に黒塗りで隠して提出した。よほど、やましいところがあったのだろう。明らかにするよう求められて、ようやく桜井よし子氏や作家の井沢元彦氏に加え、大正大教授の福地惇氏らが教鞭をとっていたことが明らかにされた。すべて右派言論人が、幹部たちに偏向した教育を施していたことになる。

田母神氏らトップは自分たちに都合のよい、講師の人選をしていたことが良く分かる。これら侵略戦争否定派の講師から、400名近い高級幹部が講義を受けていたことは、自衛隊に戦前回帰を求め、危機意識を培養することが主な目的とされた。

こんかい防衛省が「歴史観」の科目廃止を検討するとしているが、政府が積極的に主導すべきことである。村山談話や集団的自衛権行使について、政府見解があいまいで、徹底していないことから、田母神氏の独断の振る舞いを許す結果となった。政府の責任は重い。

政治家も先の戦争を一枚岩になって総括していないため、見解にまとまりがないことをよいことに、足元を見透かされてしまった感がある。これは文民統制がなにも働いていないことを示すものだ。

自衛隊幹部の暴走を決して許さないことと、政治家はもう一度、歴史認識を改める必要がある。

思いやりゼロ! 後期医療口座振替

2008-11-20 22:02:33 | Weblog
評判の悪い後期医療制度の保険料は、年金から天引きされているが、来年4月から口座振替も認めることで、法改正することを検討していることが報じられた。

支払い方法を天引きと口座振替の二通りにすることで、批判を和らげる狙いだが、なんのことはない現行の天引きとどこも変わりはない。なぜ金融機関等での窓口納付を認めないのか。限られた年金収入しかないことを見越して、滞納されることを怖れているからだ。

日本の経済発展に力を尽くした、高齢者は自らの生活の「やりくり」は上手だ。政府が税金を浪費して、国家財政を悪化させていることとは対照的だ。

天引きと口座振替しか認めないことは、この保険料が2年ごとに見直しされ、その都度、値上げされることが予測されていることから、納付書による窓口納付では、この保険への批判や混乱を抑えることが出来ないと、政府や厚労省が懸念しているからだ。

要は、保険料を値上げしても、つべこべ言わせずに、一片の通知で済ましたいことにある。制度の批判に対しても、短期間で鎮静化できるメリットがある。

そもそも税金や保険料は国家が有無を言わせず、特定の支払い方法しか認めないことは、この制度そのものに欠陥があるからだろう。公権力への服従を強制していることも、暴力的取立てにひとしい。

窓口での納付を認めない、高圧的姿勢は思いやりのかけらもない。天引き、口座振替、窓口納付と本人が自由に選べるようにすることが、本当のサービスである。不評の原因がここにあることを、関係者はよく理解することだ。

政府はしきりに「銀行に行かなくても便利」と宣伝しているが、「余計なお世話」だ。

自衛隊は大丈夫か!

2008-11-18 22:20:00 | Weblog
「我が国が侵略国家だったのはぬれぎぬ」と主張する論文を書き、更迭された航空自衛隊田母神前空幕長(11/3退職)の歪んだ歴史認識にはあきれたが、自衛隊幹部を教育するため、国家観や歴史観について新しく講義を設けていたことは、田母神氏の考えを植え付ける目的だけであった。

この講義を修了した幹部たちは陸、海、空の自衛官合わせて390名に上る。幹部たちを教育した講師は、田母神氏と同じ考えの歴史を改ざんしたい、戦前回帰派が充てられたことは間違いない。

先日の参院外交防衛委員会で、文民統制のあり方が集中審議されたが、麻生首相は田母神氏解任を「文民統制が効いているから実行出来た」と胸を張って答弁した。とても国民からの同意は得られまい。

それは田母神氏が「自説主張に誤りはない。政府見解こそ検証すべし」と一歩も譲らなかったことにある。これだけでも懲罰ものであるが、政府は「通り一遍」の処理で済ましてしまった。政府が折れたことを国民に印象付けた。

自衛隊内部が田母神氏と同じ雰囲気に包まれていないか徹底した調査が必要だ。また、国防族といわれる歴史修正グループが、田母神氏に同情を寄せているが、これら勢力も田母神氏の助長に一役買っていた。

田母神氏同様、先の戦争を正当化したいならば、きちんと政府に主張したらいかがだろう。うさん臭い動きは国民を再び戦争に駆り立てたいように見える。国防族のこれら動きを見過ごせば、一部で囁かれた、「自衛隊クーデター説」さえ現実味を帯びてくる。

そして田母神氏が日本の政局の不安定さを見据えて、発言していることに注目しなければいけない。

安倍、福田両首相が二代続けて政権を放り投げした。いい加減な政治が行われ、基盤はボロボロの状態だ。これでは文民統制など到底無理だ。怠惰な政治姿勢が招いた結果の田母神発言でもあった。政府の文民統制など口先だけでしかない。

多くの自衛隊幹部が誤った歴史観を抱いている可能性はないかも心配だ。文民統制など「関係ねぇ」の空気が漂っていたら怖いことだ。

「給付金急いで!」の悪企み 御手洗発言 

2008-11-16 21:50:06 | Weblog
品格なき経団連の御手洗会長が、定額給付金について「速やかに実行すべき。中低所得層を重点に」と記者会見で語った。ずいぶんと世間の一般常識とかけ離れた、財界トップの発言ではある。

自・公政権に寄り添うため、いたずらに発言力を誇示したいようだが、2兆円もの財源を投じ、景気回復を期待しているのだろうか。これでも恥ずかしくもなく、政府の経済財政諮問会議の民間議員である。

中低所得層を生んだのは経済界そのものにある。人件費節約と称して、非正社員の雇用を進めた結果、大量のワーキングプアが誕生した。この施策を積極的にリードしてきたのは経団連だからだ。

大企業はワーキングプアたちのお陰で、高収益を確保できたにもかかわらず、これを賃金に回すことなく、欲搔きの経営者と株主に分配した。

また、能力のない経営者でも、利益を計上することが可能になった。雇用調整の名の下、簡単に「首切り」できる、思い通りできる宝刀(制度)を手に入れたからだ。

さて、御手洗氏らは賃金の切り下げを主導しながら、中低所得層に「すずめの涙」ほどの給付金支給で恩を売るかのような、きわめて無責任な発言をした。税金が使われることから、企業の腹も痛まないことで、このような発言に及んだものである。

巨額の財政赤字を抱えるわが国が、自・公が選挙対策用に、急遽、思いついたバラマキ給付金で、国民を買収する政治を正当化する財界人がどこにあろうか。御手洗氏は常に打算で行動するため、思想・信条・に欠けた軽薄な経済人にしか映らない。

経団連加入のトップ企業の経営者たちは、このような馬鹿げた発言に、物言いすらできない、腑抜け連中ばかりが揃っているのだろうか。

馬鹿げた発言のウラで見逃していけないのは、法人税率を減税させるための、伏線が隠されていることである。

その伏線とは消費税の増税だ。法人税を減税させるため、その財源として消費税を充当することにある。国民に増税を課して、企業だけがその恩恵にあずかることで、頭の中はいっぱいだ。

これが黙っている腑抜け連中と御手洗氏の本音である。要は、企業が儲けるためには、国民の犠牲が不可欠と言いたいのだ。「増税を我慢せよ」が本音だから、これに騙されてはいけない。

別にトヨタ車に乗らなくてもよいのですが…

2008-11-15 23:24:10 | Weblog
トヨタの奥田相談役が厚労行政について「マスコミ特にTV局が批判していることは異常だ」と厚労省の有識者懇談会で発言した。さらに、このようなTV局に対し「番組のスポンサーを降りて、報復してやろうと思う」と批判封じと思える過激発言をしたという。

他の有識者から発言をたしなめられた時、奥田氏は「現実にそれは実行されている」と、こともなく言い放ったという。

これで大企業が「偽装請負」など不法行為を働き、マスコミから自己の企業に不利益な報道をされたとき、新聞等も含め広告を出さないよう、経団連幹部で取り決めされていたというウワサが、本当であったことが奥田氏発言で裏付けされた。

それは日本でも大企業といわれる、キャノンと松下電器産業(当時)のトップが示し合わせて、特定の新聞社に報復として、広告の出稿を取りやめしていたことも、この発言で明らかにされた。

本来であれば、不法行為の批判に耳を傾け、それを改善し、企業の社会的評価を高める努力をするのが、企業経営者の努めであろう。ところが奥田、御手洗氏をはじめとする財界代表たちは「見せしめ」として、このような卑劣な報復行為に励んでいた。

彼らに迎合的な、偏った報道機関しか広告を利用しないことは、本当のことを知りたい消費者を冒涜するもので、企業としての社会的責任を放棄するものである。

もはや奥田氏が、このような批判封じを主導していたことは明らかとなった。まことに罪深い行為といえよう。奥田氏の傲慢な態度や発言は、政界までもが牛耳られていることを示す。有識者でもない奥田氏を、座長に据えた政府の責任は重い。

このような不見識の人物が座長では、厚労行政が良くなるはずもない。名誉職で起用する時代はとうに過ぎ去った。代役はいくらでもいるだろうし、高額の報酬も考え物だ。

座長を降りてもらっても不自由しないだろう。トヨタ車に乗らなくても、別段、不自由しないように。

勤務中にデリヘル嬢と 国交省キャリア 

2008-11-14 22:02:53 | Weblog
勤務中にデリヘル利用 国交省キャリア職員を減給(共同通信) - goo ニュース

国交省は航空局のキャリア職員が、勤務中にデリヘルを利用していた問題で「仕事ぶりは真面目で反省している」としているが、どこが真面目なのだろうか。勤務中に職場を抜け出し、遊び呆けている職員など国家公務員にあるまじき行為である。

27歳の若さで朝から晩まで、懸命に職務に精励している若者はいくらでもいる。その人たちに顔向けできまい。国交省には恵まれた立場にありながら、自己の職分を全うできないない、ぐうたら職員が蔓延しているのではないか。

俸給も僅か10分の2減給し、その期間は6ヶ月という。公僕意識のない職員に対して、ずいぶん甘い処分だ。上司は処分されていないことも不思議だ。

将来は官僚として起用されるのだろうが、このような人物が国を誤るのである。怠惰な職員が後を絶たないのは、氏名等が公表されないからであろう。まさに、個人情報保護法は、公務員を守るためにある。

タクシーチケット問題やマッサージ器など豊富な道路特定財源を利用して、税金を無駄使いされてきた。規律の緩みは、いまに始まったことではない。国交省全体が、以前と比べ、なにも変わっていないということだ。

処分を受けた職員は、これを機に、汗水たらして働け。うぬぼれと不真面目が招いた不祥事である。

窓口で混乱必至! 定額給付金

2008-11-10 21:59:12 | Weblog
定額給付金 首相「高額所得者は辞退を」(産経新聞) - goo ニュース

自公政権が選挙対策用にばら撒く、定額給付金の支給方法で政権内が混乱している。選挙に勝利するため、なりふり構わずカネで票を買いたい、思惑が見え見えである。

麻生首相は「高額所得者は、自発的に辞退することが望ましい」としているが、線引きもせずに、自治体窓口に任せること自体、きわめていい加減な発想であり、混乱することは必至である。

わずかな一時金をバラマキ票集めすることは、形を変えた買収行為に等しい。だから国民はこの給付金を選挙目当てとしかみていない。

われわれが望むものは、小泉「構造改革」で社会保障制度が崩壊している現状を、一刻も早く立て直しすることにある。

毎年、診療報酬引き下げにより、医療機関の経営悪化は目に余るものがある。すでに「医療崩壊」したと考えてよい。医師不足により、患者がたらいまわしされていることをみれば明らかである。収拾の気配どころか、こんご、ますますひどくなる一方だ。

医療のみならず、年金制度、雇用破壊も取り返しのつかない状態で、将来への不安は募るばかりである。2兆円もの予算で定額給付で消費するならば、医療、年金、雇用対策に投入して、国民の不安を取り除くことが先決である。

このような使い方をすれば、公平に分配され、理に叶ったものとなる。ここまで思い至らない政権は末期症状といえる。頭の良さそうな議員が、ひとりもいないことこそ悲劇である。

欺瞞だらけ! あと出し厚労省調査

2008-11-08 20:40:16 | Weblog
民間の非正社員4割 派遣は4年で倍増、厚労省調査(朝日新聞) - goo ニュース

厚労省は、この調査を発表する前に、不安定雇用の代名詞である「登録型派遣」の禁止を見送る派遣法改正案を国会に提出している。

提出したあと、07年10月1日現在の実態調査を、13ヶ月以上も経た昨日、公表したことは欺瞞そのものである。先日、提出の改正案は、この実態調査を反映していないからである。

実態調査によれば、民間の事業所で働く労働者のうち、非正規雇用が約38%であった。いまごろは、40%を越えていることであろう。

政府・与党は働き方の多様化に対応するためと、都合よく取り繕い、労働法制を次々と規制緩和してきた。働く人たちより経済界の利益を優先させた。

この規制緩和は経済界が要望する「人件費抑制」、「首切り」を容易にしたいことだけを主な目的としていた。

調査結果では、派遣や契約社員の90%以上が安定した正規雇用を希望していることもわかった。これら切実な要望を厚労省はすべて切り捨てた。

多くの非正規雇用者が望む「安定雇用」を蹴飛ばし、「不安定雇用」を押し付けする経済界の要望をすべて汲み取った厚労省の罪は重い。

そして、実態調査をいまごろになって公表したことは、非正規雇用者の増加が社会問題に発展していることを、意図的に矮小化し、国民の目を誤魔化したい、厚労省の本音をあらわしている。