活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

東電のずさん労務管理は氷山の一角

2011-06-21 20:50:00 | Weblog
東電福島第一原発で事故直後から3月末日までの間、復旧作業にあたっていた下請け作業員の被曝調査したところ、69人の行方が分からず調査ができない状態だという。

そのうちの30人は名前も住所もわからないというから、ずさんな労務管理ぶりも指摘されている。東電社内にはコンプライアンスは存在しないようだ。

このような労働実態は東電にかぎらず、産業界に広く浸透しているから「氷山の一角」と考えていい。手間、ヒマかかる労務管理を嫌って、かつ利益を極大化するため、使い捨てできる請負や派遣に頼る事業所はうなぎ登りが現状である。

そこには働く人たちへの思いやりや、尊厳が重んじられることはない。小泉構造改革による、労働の規制緩和の負の弊害である。

同原発の非正規労働者数は約9千人だ。下請けは第1次から第7次、第8次と多数存在するが、続々とピンハネされる場合の末端労働者の手取りは、日給約1万円~1万2千円が相場である。社会保険もほとんどが未加入である。

作業も請負労働と言われるが「名ばかり」で、現場には親方も居なくて、東電社員の指示を受けながら働く「偽装請負」など労働環境は違法状態であること想像に難くない。このように働く人を劣悪で不利な労働環境に政治主導したのは、自公のほか民主党である。

民自公はろくな政治をしてこなかったことがよくわかる。いまの政治の混乱ぶりを見れば納得できるはずである。そして財界本位の政治から、人間本位の政治が行われない限り、国民がしあわせになることは「絶対にない」と言い切ることができる。