Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング825. 小説:小樽の翠733. ニッポンの姫始め

2024年01月02日 | field work

 今年も病院の近場に住む翠が、故郷へ帰る看護師のために正月の夜勤を勤めている。アチキも名古屋の大学で学生達と大晦日の深夜の初詣に出かけたりしていたから、小樽に戻ったのは元旦の夕方だった。
 12時間前までは国民大移動の騒動だったから、アチキのような移動族にはチケットが手に入らない。それに雪で飛行機が飛ぶとも限らない。だからアチキは函館まで新幹線をのりつぎ、あとは千歳線経由の特急列車だった。元旦の車内は空席が目立つ。
 雪の小樽に戻る頃には日が暮れている。気づけば一年の計は元旦にありと世間が叫ぶ1日が過ぎてゆくのが心地よい。夜になれば元旦騒ぎで疲れて寝静まる街だ。日本人は飽きやすいから元旦騒動も一日で飽きたか・・・。
 夜家につく。翠が「なれ寿司があるよ!」といって夜勤に出ていった。アチキは寿司を食べながら夜なべ仕事だ。そのうち睡魔が襲ってきて寝てしまった。つまり元旦は簡単すぎるぐらいに過ぎ去ってゆくのがアチキには心地よい。
 元旦二日目の朝、翠が帰ってくる音で眼が覚めた。早速お雑煮の支度をしている。まだ寝不足だからもう一眠りしようとベッドに向かったら翠がついてきた。
翠「お正月だもん、姫始めしようよ!」
 姫始めは、新年を迎えてから最初に釜で炊いた米を食べること。そして一年の最初に「姫飯」を食べること。 俗に、その年の最初に女と交わることを指す表現と記憶している。さっきのが姫飯だったか。
翠「ブツブツいってないで早くーー、」
そういって翠がインナーを脱ぎ捨てで、ベッドに入り込んできた。
翠「元気だったかなあー」
といってアチキのペニスをしごきだした。
「ううっ、今年も元気さ・・・」
身体返して翠に覆い被さり、唇から耳元へ、首筋へ、そして胸のまわりに舌をはわせいゆく。
翠が温かい胯間を押しつけてくる。
切っ先でなぞるとタップリと濡れている。
翠が手で膣に導く。
いれたまましばらく時間がたつ。
やがて翠が胯間を動かしてくる。
女も普段は楚々としていても、肉欲の身体なんだ。
そこが男には感激ものだが・・・。
奥まで差し込むと、翠の息づかいが荒くなってくる。
翠の骨盤が動き子宮口が切っ先を探している。
かみ合うと押し合うように二つの骨盤が動き出す。
少し緩い翠の膣もジンワリとしまってくる。
二つの身体が接着したみたいで、心地よくなる。
そんな姿勢をしばらく続けていると翠が「撃ってという」。
ピークまでチャージされて精子が子宮口をめざして飛び込んでゆく。
その脱力感で翠の身体の上に沈み込む。
そのまま寝入ってしまった。
普段はセックスの片鱗すらみせない女の身体が欲望のかたまりに変身するところが、男には不思議に思う。普段から性欲を刺激して少しずつチャージしてゆく男の身体とは、構造が違うんだよな。
・・・
目覚めると窓から日が差し込んでくる。
雪の合間の貴重な晴天だ。
きっと昨夜は日本中で交わっていたから、シアワセ・ニッポンだな。
ニッポンの姫始めか・・・。
大晦日から続いた翠の年末恒例の連続夜勤も今日はお休みだ。
眼が覚めたら住吉神社へ初詣に出かけて、ホテルで夕飯の祝宴をするかな・・・。
・・・
小樽も雪に囲まれて暮らす生活になった。
姫始めをしながら雪のお正月の二日目だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする