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Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング382. 小説:小樽の翆311. 想像力のレンズ

2021年01月31日 | drawing
 
 断崖に激しく波が打ちつけ、ドドンという鈍い響きが聞こえる冬の日本海だ。
海に通い詰めてようやく、怖いぐらいの波に遭遇した。
そう、自然は怖いのだ。いつも人間を喜ばすとは限らない。だから恐怖心を容赦なくあおってくれる。そんなランドスケープが面白い。
・・・
コロンビア珈琲についてフッと眠ってしまったら、ほどなく明菜姉ちゃんの声で起こされた。
明菜「今日もスケッチね」
「また隣の画材屋にいたな?」
明菜「だって絵の道具を持って疲れたようにやってくるんだもん、目立つよ」
スケッチをみせながら絵の談義。
明菜「どうしてこんな風景が描けるの?」
「遠くに見えた風景の一部分を拡大して描いている。実際は、こんな側には、近づけないからね」
明菜「おじさんの眼は超望遠レンズね」
「想像力のレンズね」
明菜「発色がいいからシュミンケ・ホラダムね」
「発色のシュミンケ、重ね塗りのホルベインかな。シュミンケは発色がよく、絵の具の伸びがよいのが特徴。今度は、ホルベインで重ね塗りで描いてみたいと思う」
明菜「発色が良くガッシュのように描けるシュミンケ、重ね塗りのホルベインか。絵具で描き方も違うんだ」
「全然違うと思う」
明菜「この間のクロッキーのモデル代で絵具を買うんだ。最初は、何色ぐらいいるかな?」
「18色セットかな。それで不足があったら、1色ずつ買い足せばいいかも」
明菜さんに珈琲とプリンをご馳走して店を出た。
いつもより、少し早い帰宅だが、今日は自然の猛威で疲れた。
・・・・
小樽は、雪の間の晴天だ。黄色い夕焼けが雪に反射している。
コメント
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