年末からお正月にかけて、翆は夜勤続きだった。だから最近は、日勤が多くなってきた。つまり規則正しい生活が一時的に続いている。
というのも、夕方18時頃、翆が食材を抱えて帰ってきて即お風呂。それから19時の夕飯。そして翆がすり寄ってくるので、二階で熱く燃える。寒いからそのまま二人で抱き合って寝てしまうと、なんと21時には、既に寝ていることになる。
だから朝は晴れて入ればだが、5時に眼が覚める。老人ライフみたいだ。それで珈琲を飲みつつ、じゃあ一番冷えているときの朝の散歩。でっ、一緒に街を歩いて行くと、さらに遮る物がない港にたどり着く。その頃朝陽が昇る。そんなわけで最近雪がやんでいれば日の出を眺めるという幸運に続けて巡り合わせている。
翆「サミーーーイ」
「ならばいつもの鱗友市場の定食屋へゆこう」
翆「熱い味噌汁がしみるーーー」
そうして食後の珈琲を飲んでいると、ようやく8時過ぎになる。
翆「さて、出勤かぁー。なんかもう一日たっちゃったの!。なんかすごく時間が早回しになってないかなぁー。
だってぇ、夕べ帰ってきて夕飯食べたでしょう、アチキとセックスしたでしょう、それで寝ちゃったでしょう、今朝おきてまた散歩して朝ご飯、それで出勤でしょう、なんか入院患者みたいだよ・・」
今週は、そんな生活が続いている。
陽が短かく健康的な生活であるが、一般に早起きは三文の得といわれるが、アチキ流には6文の気分喪失に思われる。つまり1日がとても短く感じるのだ。都市が寝ている時に早起きをしても、でかけるあてはないし心の中が空虚だ。やはり夜更かしは、都市暮らしにとって必要なんだ。朝は、夜遊びしすぎたぁーといって、遅れるーーと騒いで出勤する、それでよいのだ。
こちらは、農家じゃないから何でも早起きすれば良いというわけではないという事に気づく。都市暮らしには、夜更かしって必要なんだ。
「翆ー、準夜勤入れろよ!」
翆は、小樽駅から一駅鉄道に乗ってナンタルの病院へ出勤する。
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今日の小樽は、青空が見えている。