花園の 画材屋も店が開いた。
切れていた絵具を調達に・・・。
絵具を選んでいると、後ろから声をかけてくる輩がいる。
明菜「オジサン!、おめでとう」
「ああ、明菜さんかぁー、お正月はどうしてたの」
明菜「すっごい厚着して、外で絵を描いていた!」
「おっ、根性あるーー、じゃ隣でお茶、ご馳走しようか」
・・・
「何を描いていたの?」
明菜「港の方で、小樽の海!」
「海は、アチキも描いたけど・・・」
明菜「冬の海が人気なんだ」
「近くて、寒くて、冬体感!」
明菜「岸壁でイーゼルを立てて描いていたの。そしたら、ペンキだらけの作業服のオッサンが、邪魔だ!、どけ!!、なんて車の窓から怒鳴られて。なんかすごく威張ってる感じなんだよ。お正月から、威張ったオジサンに怒られるなんて気落ちしてますぅー」
「車の通り道にイーゼルを立てていたんだろう」
明菜「そうかもね。でも肩で風きって偉そうに歩いているオッサンって結構いるでしょ。私なんか恐縮して、思わず後ろずさりしちゃうもん」
「うん、建設現場あたりに、そんなのがいるいる。ペンキだらけの作業服で肩を怒らせて、偉そうに歩いてくるのが」
明菜「そんなに、偉いの?」
「人に自慢したい仕事をしたから、回りに偉く見せたいという気分だろう。建設現場の作業員、政治家、高僧のお坊さん・・・、偉いと呼ばれる人は多いけど、人間の世界に、偉い人とか、偉くない人、という分類は存在しない!。つまり偉い人のように振る舞いたいというのは、人間の気分の問題」
明菜「じゃあ、高僧のお坊さんも?」
「それは、人より一生懸命勉強はしましたということで、それが偉いという事とは無関係だとアチキは思うけど。そう考えないと、うちらは偉いとは呼ばれることがないから、じゃあ、みんなアホですか・・、となるよ(笑)。そもそも平民とか一般大衆という言葉が、上から下を見下したとらえ方で、やだな。本来人間の世界には、上も下もないですぅー」
そんな話をしていたら、プリンアラモードが出てきた。昔からこの姿と味は変わらない。変える必要もなく何十年もこのスタイルだ。そこにはエシカルな空気が漂う。
明菜「これ、好きなんだーーー」
アチキも、これ好きだけど、頭は違うところへ・・・。
明菜さんの17歳の裸婦モデルもありか・・、今度翆のパパのクロッキー教室のモデルにしたろ。
「そうだ、この絵具、アチキの趣味じゃないので、あげるよ!」
明菜「あっ、シュミンケのウルトラマリンバイオレットだ!ーーーー」
プリンアラモードだけでは不足なので、絵具でつって、明菜さんの17歳の、裸婦、裸婦・・・・。
「今度クロッキー教室の裸婦モデルのバイトをしませんか?」
明菜「へーっ、彼氏の裸婦モデルならやったことあるけん、やってみようかな・・」
「うん、小樽はモデルさんが不足しているんだ」
マメにモデルさん候補とは、仲良くしておかないとね。
ようやくアチキの仕事始めか・・・。