新年は、ゆるやかな仕事始まりかと思ったら、今日は月曜日だから小樽市内の商店街は一斉に店が開いている。
それに翆の話では、まだ入院している茉莉さんも母子ともに順調だと聞いている。むしろ元気すぎて暇をもてあましているようだ。つまりアチキの回りは、みんな暇!。
最近アチキは、スケッチづいてる。といっても眼前の風景を、そのまま描写する写生意識は皆無であり、画面に塗りひろげた筆や絵具が偶発的に描き出す模様から、新たな風景を発見している。見立ての技法と読んでおこう。
例えば、描いている視座が海の上だったとしたら、写生的な技法に拘っていては物理的に描けない。そこで、見立ての手法が必要になる。そのほうが写実的に描くよりも、その場の空気をより明確に伝えられそうだ。
そうすると次第に現実の風景とは、かけ離れてゆく。だがそこに冬の冷たさや空気といった新しい表現できれば、それでよいだろう。
それは、アチキ流の描き方だ。
そんなわけで、午後からバスで小樽郊外のスケッチに出かけた。時折吹雪、時折晴天の繰り返しだ。そうしているうちに陽も暮れだした。暗くならないうちに街へ戻らねば。