Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE890. 破調の美学

2014年03月19日 | field work
 街を徘徊している限りではわからないが、 こんな民家をみていると、大阪人は意外に個性的な感性が豊かではないかと思うときがある。だって蔵には小ぶりな窓に大きな庇、軒の部材は塗り込められ、それでいて白壁が美しかったり、それに隣家もないのに防火壁のうだつかよ、だけど色合いが大変よい、破調しているが綺麗だ、といった具合に。
 さて、どこからそのような感性ができてきたのかを大胆に類推すると、大阪の街の基盤を築いた豊臣秀吉に突きあたる。これだ!。つまり聚楽第や二条城などをみているとそう思うのだが、他に例がない奇抜なアイデアや特色があって成立するデザインが、大阪人の感性だろうと推測する。そうして秀吉の感性のルーツは織田信長ということになる。
 信長は西欧への憧れがあったから、そばでみていた秀吉は、「そうか!、奇抜にやればいいんだと」と早とちりの解釈をした。早とちりと農家育ちの合理的な精神とがブレンドされて聚楽第ができた。その意匠をみていると、そんな風に思われてくる。そして二人のデザインを軽蔑していたのが和の様式美を身上とする徳川家康だったのかもしれない。とまあ、そんな風に当てつけてみたのだが。
 私流に言えば、大阪の街は秀吉の感性だ!、アイデアだとか奇抜にやれだのとか、なにかとうるさいのだ。そんなことが破調の美学を築いたのかも知れない。

大阪市安堂寺町
OLYMPUS E-P5 M.ZUIKO DG 9-18mm/F4.0-5.6
ISO200,焦点距離11mm,露出補正-0.3,f6.3,1/200
コメント
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