Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE873. 備前島町図子

2014年03月01日 | Kyoto city
 格子状の都市構造を持つ京都の街。そこまでは明解なのだが、さて格子で囲まれた四角い街区の中はどのような空間構造になっているのか。実はその格子を成立させているのが、通りから通りへと抜けられる図子や、通から奥へと続くL字型やT字型の行き止まりの路地(ろーじ)なのである。路地の奥に小さな民家が密集している。いずれどこかの原稿で京都の路地について書こうかと考えている。
 ところで備前島町図子は、河原町繁華街の隙間から入り立誠小学校の裏で行き止まりだろうと思って進んでゆくと、L字型に道は折れ曲がり、河原町と木屋町とをつなぐ横町へ続く。つきあたりに土佐稲荷がある。そうこの立誠小学校の辺りは、旧土佐藩邸だったのである。坂本龍馬遭難の碑文もすぐ近くに残されている。
 備前島という町名の由来をWEBで探れば、もともと高瀬舟の舟士達を備前の国(岡山県)から呼び寄せて、この地に住まわせたと書かれてある。だが備前島というのは、大阪城の近く都島区網島町のあたりの旧地名でもあり、幾つかの河川がある一帯ということを考慮すれば、こちらから舟士を集めたのではないか、と言う説もあるように私は思う。
 この図子を歩くと河原町や木屋町の繁華街にあって、至極普通の住宅がいくつかあるミスマッチのようなところが面白い。住むことと商うことが一緒であった時代の名残であろうか。図子という空間によって繁華街の賑わいが、突然静かな空間に変わってゆく。なかには、少し妖しいスペインパブなるものもあり、 通りから中が伺えないように目隠しがされた拒絶的設えは、いずれ探検しようかどうしようか迷うところである。
 1/5というスローシャッターにもかかわらず、画像はぶれていない。E-M1の5軸手ぶれ補正効果だろう。こういうところはオリンパスの優れたところである。
コメント
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