京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《料理教室》

2011-08-22 | Weblog
本日は、秋風月後編の料理教室開催日でした。

しばらく休会されておられたお方が、久しぶりに元気なお姿でご参加いただき、心より嬉しく思います。また、新しく三名のお方がご入会賜り、大変有り難く存じ上げます。
毎回受講いただいておりますお方が、昨日お食事にお運び賜り、美味なる赤梨をたんと頂戴致し、本日は立派な天然鮎を仰山おすそ分け賜りました。お心遣い誠に有り難く、深く感謝申し上げます。

さて、本日のお献立は、「貝柱焼霜おろし和え」「胡瓜炊き」「鱸バター焼き」「冬瓜の地鶏そぼろ餡」「鰺の南蛮漬け」「湯葉ご飯」でした。

初めてのお方も、とてもお楽しみいただけたとのことで、安心致しました。

料理教室終了後、京都新聞出版センターの方々との打合せがあり、十月中頃の刊行に向けて、素敵な本になりますように、原稿の手直し・校正、表紙、挿し絵など精一杯頑張って進めておりますので、楽しみにお待ちいただけますれば、幸いに存じ上げます。

《地蔵盆》

2011-08-22 | Weblog
昨日は、うちの町内の地蔵盆でした。

旧暦7月24日は地蔵菩薩の縁日(現在では8 /22~24頃)で、この辺りの土日いずれかに、京都の各町内会で、地蔵盆が行われます。

朝からお祭壇を拵(こしら)えて地蔵尊を祀(まつ)り、その家の周りに地口行灯(じぐちあんどん)をつけます。
地蔵尊の飾り付けをして下にござを敷き、お寺さんが読経にきてくれはって、町内の人がお供えを持ち寄りお詣(まい)りします。
現在は、子達が少のうなってせんようになりましたけど、ぼくが子供の頃は地蔵尊の前で、「数珠廻し」をしたり福引きやいろんなゲームをして遊んでました。

地蔵菩薩は、釈迦入滅後、弥勒(みろく)菩薩の出世までの間[いわゆる無仏の間]、苦海・地獄にある衆生(しゅじょう)を済(すく)い出して涅槃(ねはん)に度(わた)らせる、つまり済度(さいど)する菩薩とされています。
また、地蔵菩薩は子供の成長を守り、子供の死後は、賽(さい)の河原で苦難を救う子供の守護として信仰されています。

子達は、地蔵盆が終わったら夢のような夏休みもあと僅(わず)か。ぼくもよおけたまった宿題をあわててやり始めたもんです。

《鰺の砧巻き》

2011-08-22 | Weblog
鰺の料理は、じつに様々あって、「たたき」「塩焼き」「蒸し田楽」「南蛮漬け」「酢炊き」…お酢と相性がええので、塩をして合わせ酢に浸け「しめ鰺」にします。しめ鰺は、そのまま切って「きずし」、きらず(おから)と和えて「卯の花和え」、沢庵と和えて「東海寺和え」などの他に「砧巻き」にします。
砧巻きは、巻き簀を広げ、薄焼き玉子を敷き、そぎ切りのしめ鰺をのせて、せん切りにした胡瓜と酢生姜を芯に巻き込みます。外側に塩水に浸けてしんなりさせた蕪か大根でクルクル巻いて巻き簀でキュっとしめて輪ゴムで留めたら、冷蔵庫で暫くおきます。今の季節の砧巻きは、桂瓜を使うたらええですね。
輪切りにしたら切り口がとても綺麗。器に青紫蘇を敷いて盛り付けましょう。

《真味倶楽部》

2011-08-20 | Weblog
本日は、秋風月の真味倶楽部開催日です。

花は、和全の祥瑞大鉢に、涼味漂うよう、桔梗と矢筈薄をガサッと入れました。

夏から秋へ変わっていく季節感を料理と器に込めつつ、献立を考えました。

作り手の意図もよく解ってお召し上がりいただき、とても光栄で嬉しございました。

今日は、朝から五百個の無花果で「干笑果」という道楽伝承のお菓子を仕込みながら、お客様をやっておりましたので、なかなか大変でございました。

《夏の寂光院》

2011-08-19 | Weblog
先だって、暑い京都の街をちょっと離れて、寂光院へいって参りました。

高倉天皇の皇后、安徳天皇の母、建礼門院徳子さまは、はからずも壇ノ浦の戦いで源氏方に助けられたのち、剃髪して真如覚と号し、大原の寂光院にて閑居されます。ここで終生、日々平家一門の菩薩を弔われました。
「しばづけ(むらさきはづけ)」を名付けられたところでもあります。

夏の寂光院の石門に続く石段は、青もみじにおおわれ、合間からもれる日差しはやわらかで、そよぐ風は実に爽やかです。

建礼門院陵や寂光院本堂は、詫びた雰囲気に包まれ、心和むところです。今は、たんと観光客の方々が訪れはるようになってまいりました。

《表紙の絵》

2011-08-19 | Weblog
昨日は、「京のおまわり」の表紙に使用する予定の絵と題字を、出版社の方に託しました。

現代から、昭和の中頃の食卓を覗き込んだイメージで描いてみました。

なんか、現代の日本はあわただし過ぎて、もうちょっとゆったりと時が流れてた時分の食卓を表現してます。なかなか面白い絵に仕上がりましたんで、ぼく自身仕上がりを楽しみにしております。

刊行は、ひと月程ずれ込んできて、今のところ十月半ばの予定です。

《案山子》

2011-08-17 | Weblog
‘山田の中の 一本足の案山子…’
稲が実った田んぼに、麦藁帽子をかぶった案山子が立っている風景は、日本の牧歌的、ユーモラスでノスタルジーを感じます。

稲刈りが終わったあとの立ったままの「捨案山子」が、風雨に打たれ朽ちていく姿を目にすると、秋の寂しさがよりいっそう漂ってまいります。

案山子の謂われは様々あって、 ある禅僧の住む案山(低い山)の耕地にある‘鳥おどし’のことを案山子と称したという説もあり、「かかし」と読むのは、肉や魚の焼いた臭いを「かがし」鳥を追い払うことからきているとも言われてます。

《送り火》

2011-08-16 | Weblog
先ほど、五山の送り火で、お精霊さんを雲上へお送りしました。
13日からお膳を共に戴き、今朝には、アラメのもどし汁を門へまいてお帰りの準備をします。
本日は、道楽の全てのお献立に「追い出しアラメ」を加えて、箔おしのかわらけに盛り付け供しました。

ぼくが子供の頃は、マンションやビルも少のうて、京都の街全体が低かったさかいに、家の二階の物干しに上がったら大抵見られたもんですけど、将軍塚まで行って見た送り火は、特に美しく感じました。

毎年のことですけど、五山の送り火がすんだ頃から、風のそよぎや雲の様子に、なんとのう秋の雰囲気が漂ってくるように感じます。

《おはぎ》

2011-08-15 | Weblog
うちでは、丹波大納言で粒餡を炊いて、江州米の羽二重を使うて「おはぎ」を作ります。
道楽茶菓サロンでも、お彼岸のときにとりあげました。

店の近くにも、おいしい「おはぎ」を作ったはるおまん屋はんがありましす。
先代も好きで、土用やお盆のときには、必ずもろてきたはりました。
最近の「おはぎ」は、どこのも大抵小ぶりに作ってありますけど、ここのは昔ながらのデンとしたおっきさです。
餡も上手に炊いてあって、餅米もおいしいし、心和む懐かしい味わいです。

《盂蘭盆》

2011-08-14 | Weblog
お盆は、十三日の朝にお墓参りに行ってから、家にお精霊さんをお迎えします。
十六日の送り火まで献立を変えて、お精霊さんの精進膳を作って食を共にします。
毎年お盆がきたら、おんなじように脈々と続けていくことが、大切なんです。

一年を通して、受け継いだ慣わしを時代の流れとともに実行していくことが、季節を感じ、重ねた年を感じ、伝統を守っていくことになると思てます。