福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

スカルブスネスで朝食を

2006-12-02 10:53:10 | 南極

週末の朝、良く行く喫茶店で「モーニング」を。ドリンクとスナックの組み合わせはその日の気分で決めます。ゆっくりとコーヒーをすすりながら、これまでの一週間を想い、次の一週間を考える、楽しいひとときです。

01_17今回は、お店のオリジナルブレンドコーヒーと「小倉あんトースト」の組み合わせです。十勝産の小豆を使った粒あんとクリームがこんがりトーストに良く合います。

南極での夏の野外観測中、週末はありません。

2006年1月2日から20日間、昭和基地から約60km離れた大陸沿岸スカルブスネスで野外調査を行い01_18ました。

ここには、第45次隊が建てた「きざはし小屋」があり、小屋からは「シェッゲ」を望むことができます。朝日新聞の武田剛記者の写真集『南極-国境のない大陸』のなかで、夕日に赤く染まるシェッゲがおさめられていますが、この写真はきざはし浜から撮影したに違いありません。

野外観測中の朝食はレトルト食品が中心です。ある日の朝食、ファミリーレストランでアルバイトの経験のある隊員の発案で、「デニーズブレックファスト」風のものを作ろうと言うことになりました。

Photo_45業務用の冷凍卵を解凍して、スクランブルエッグに。焼きベーコンも添えます。
冷凍食パンをスライスし、ホットプレートで焼き、バターやジャムを塗って出来上がりです。野外観測中はご飯や麺類が中心なのですが、こうした洋食がたまらなくおいしいのです。

南極大陸の野外観測の基本生活はテントとガスコンロです。こうした贅沢な朝食が楽しめるのは、先人が苦労して立ち上げた観測小屋と発電機のお陰です。さらに付け加えると、越冬隊員が越冬中に発電機用の燃料を小屋にデポジットしてくれています。彼らの支えがあって、小屋の中で電気や暖房が使えるのです。