[用例研究 252] 〈shouldn’t〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake © 1991 King Features Syndicate Inc.)
1 If you want my opinion, you’ve got bad pipes.
2 My pipes are bad?
3 Oh now, come on ...
4 You shouldn’t take these things personally.
4 I know, but I can’t help it.
[解説]
1
・pipes: 業者は plumber [plʌ́mər] と思はれますので、ここでの pipe は「排水管 ( drain pipe ) を指してゐるのでせう。
2
・my pipes: Dagwood は胸に兩手をあててゐますから、ここでは pipe が「氣管」を指してゐるのかと思ひます。
3
・come on: (督促・懇願・説得・激勵・挑戰・注意喚起などの目的で使はれることばです。状況に應じてさまざまな譯語が考へられますが、ここでは used in order to tell someone that you know that what s/he said was not true or right (相手が言つたことが眞實ではない或は適切ではないことを相手に傳へるために用ゐられる)といふケースと解し、「ねえ」としてみました。
4
・shouldn’t~: 「~すべきではない」といふ譯語をあてられることが多いのですが、「べき」ほど強い意味合ひはありません。ここは「~しないはうが良いですよ」と語りかけてゐるやうに見えます。
□參考例文: 生徒が、話しかけてくる隣席の生徒に自制を促してゐるのでせうか。
252.1 We shouldn't visit with our neighbors in class, should we?
授業中に隣の席の人たちとおしやべり(/雜談)しちやいけないでしよ。
・personally: 「個人にあてたものとして」
□參考例文:
252.2 You must not take the criticism personally.
その批判を個人にあてたものと思つてはなりません。
・help: (can / cannot とともに用ゐて)「やめる」「避ける」。I can’t help itで「私はそれをやめられない」「私としてはどうしやうもない」と言つてゐるのでせう。
□參考例文: 受動態の例です。
252.3 It can't be helped.
仕方ありませんよ。/ほかにどうしやうもないんです。
[意味把握チェック]
1 「私の見解をお望みでしたら(言ひますが)、排水管がいけませんね」
2 「ぼくの氣管がいけないのかい?」
3 「あれまあ、ねえ」
4 「かうしたことを個人にあてたことと受けとめないはうがいいですよ」
4 「ああ(わかつてるさ)、でも(自分ぢや)どうしやうもないんだ」
[笑ひのポイント]
・pipe の多義性に着目して作品に仕立てあげてゐます。