【(2)からのつづき】
1.6 Although researchers do not agree on all the reasons behind procrastination, there is general agreement about some factors that can explain it.
[意味把握チェック] 1.6先延ばしの背後にある理由の全てについて研究者の意見が(必ずしも)一致してゐるわけではないが、先延ばしを明らかにすることができるいくつかの要因についてはおほよその一致がみられる。
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・部分否定:否定語(notなど)とともに「すべて」「常に」「必ず」などの意味を表はすことば、たとへばall / always / both / every / necessarily / quiteなどが使はれると、部分否定になります。前に置かれた否定語が、後のallなど全體を表はす語を否定するのが基本ですが、前後逆順もあり、文脈によつては、全體否定であつたり、あいまいだつたりすることもあるため注意が必要です。
[語句]
1.6 |
|
agree on~ |
~の點で意見が一致する |
[用例研究] 部分否定: not / everything
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake)
1 What did you think of the game, coach?
「コーチ、試合の感想はどうでしたか?」
・What do you think of ( /about) ~?:「~をどう思ひますか」
1 Great, just great! Our offense was sharp.
「良かつた、實に良かつたよ。うちの攻撃はきびきびしてた」
2 Our defense was solid
「うちの防禦は堅固だつたし」
3 and our reserves were better than I hoped for.
「それにうちの補缺選手たちは期待を上囘つてたよ」
・hope for ~: ~を期待する
4 But, coach, you lost the game by 30 points.
「でも、コーチ、おたくのチームは30點差で負けましたよ」
・by ~:~の差で
4 Hey, you can’t have everything.
「なあ、何もかもといふわけにはいかないさ」
・you: 「總稱人稱」で、漠然と一般の人を指してゐます。
・項目順變更とその背景について
今囘から解説項目の順を變更してゐます。最初に英文、次に[意味把握チェック]、次いで必要に應じて【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】や[語句]を記して參ります。[意味把握チェック]の文は、筆者が英文に託した意味を表現することを第一義としつつも、英文の構造をできるだけ反映させて學習の便宜に供したいとも考へて記してゐます。
讀解力を養成する學習の第一歩は、「(英文の構造を把握し)意味を理解する」ことだと思ひます。この際に、「何をどう竝べるか」に關するルール(文法・語法など)を意識しておくと、第一歩の效果が高まりますし、のちのちの發信力伸張にもつながると思ひます。辭書や文法書を活用するとともに、必要に應じて各項目を利用していただければ幸ひです。
讀解力養成の第二歩を問はれるとしたら、「意味のわかつた英文の音讀を繰り返す」ことをおすすめしたいと思ひます。學生なら教科書がありませうし、學習の目的や興味關心に應じた英文をさがすのも好いでせう。拙稿なら問題文、解説の例文、漫畫の吹出しの英文があります。(※漫畫は口語表現の寶庫ですが、スペースの制約から表現が短めになつてゐることを承知しておくといいでせう)
何度も何度も音讀を繰り返すうちに、理解した内容が定着するばかりでなく、小生の申すところの「意味的かたまり」の切れ目が見えてき、前から順に筆者の説くところが直接間接に(つまり日本語を意識しないままに、あるひは日本語を介して)傳はるやうになります。この第二歩は、第三歩以降の學習に活かせる基礎力を培つてくれるやうに思ひます。
( 讀解力養成の方法は、目的により、人により、置かれた環境條件により、さまざまに工夫する餘地があります。培はれた基礎力をもとにさういつた工夫をこらしてゆかれることを願つてゐます)