今月4日、ミニマム級からスーパーフライ級の4階級でWBO王座を獲得してきた田中 恒成(畑中)が、現役からの引退を発表しています。
(現役からの引退を発表した4冠王田中)/ Photo: スポーツ報知
唐突という印象がある、田中の引退。2020年大晦日に行われた井岡 一翔(志成)戦以降、自身の目や首の手術を繰り返していたそうです。
最短記録更新のキャリアという印象が残る田中。その太くそして短くない戦績をまとめてみました。
2013年11月:世界ランカー・オスカー レクナファ(インドネシア)を相手に6回戦でプロデビュー。ダウンを奪うなどして、大差の判定で初陣戦を飾る。
2014年10月:後楽園ホールのリングに初登場。原 隆二(大橋)を10回TKOで破り、プロ4戦目でOPBF(東洋太平洋)ミニマム級王座を獲得。
2015年5月:フリアン イエドラス(メキシコ)と空位だったWBOミニマム級タイトルを争い判定勝ち。僅か5戦目で世界王座獲得に成功。この王座は初防衛に成功後返上。
2016年大晦日:モイセス フェンテス(メキシコ)を5回で破りWBOライトフライ級王座を奪取。プロ8戦目で世界2階級制覇を達成。その後、2度の防衛を飾る。
2018年9月:木村 翔(青木)の保持するWBOフライ級タイトルに挑戦。大激戦の末2対0の判定で勝利。12戦目で世界3階級を制覇。このフライ級王座は3度の防衛に成功。
2020年大晦日:WBOスーパーフライ級王者井岡 一翔(志成)に挑戦するも、ディフェンス力の差を見せつけられ完敗。8回TKOで敗れ、自身初の黒星を喫すると同時に念願の世界4階級制覇ならず。
2022年6月:自身2度目の後楽園ホールでの試合。橋詰 正義(角海老宝石)を5回TKOで下し、WBOスーパーフライ級アジア太平洋ベルトを獲得。
2024年2月:クリスチャン バカセグア(メキシコ)と空位だったWBOスーパーフライ級王座を争い判定勝利。悲願の世界4階級制覇達成。
2024年10月:伏兵ブメレレ カフ(南ア)にまさかの判定負けを喫し、王座から転落。結局この試合が田中のラストファイトとなってしまいました。
プロボクサーとしての終身戦績は20勝(11KO)2敗(一つのKO負け)。スピード豊かなボクシングで、世界各地の軽量級の強豪選手たちと対戦を重ねました。
世界王座はミニマム級からスーパーフライ級の4階級で獲得しましたが、その内3階級は王座決定戦で勝利を収めています。また、出場したすべての世界戦はWBO。そこまでして同団体のタイトルにこだわる必要があったのでしょうか。
確かな戦力を持った選手ではありましたが、日本国内のみに見てもその知名度は中京地区限定といった印象があります。もっと評価され、リング上でも活躍が出来たような気がします。
今後は何かしらボクシングに携わる事をやっていきたいとの事。その方面での活躍を期待しています。目の疾患での引退となりますが、師である畑中 清詞会長も、右目の眼筋麻痺のため現役から引退をしましたね。
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