今月7日、英国で行われた試合結果です。
WBAヘビー級戦(暫定王座決定戦):
ファビオ ウォードリー(英)KO10回1分42秒 ジャスティス フニ(豪)
*またまた一階級3王者体制が始まりつつあるWBA。あってはならない状況ですが、それとは裏腹に、今回行われた暫定王座決定戦は、試合内容、結果共に最重量らしくエキサイティングなものでした。
老舗団体第3の世界王座決定戦に出場したのは、大英帝国が送り込んだ18勝(17KO)1引き分けの好宴席の持ち主であるウォードリー。その戦績が示すように、速攻型の選手です。対する元OPBF(東洋太平洋)タイトル保持者のフニは、12戦全勝(7KO)という短い戦績の持ち主ではありますが、中々充実したキャリアを築いてきた世界ランカーにふさわしい実力者です。
初回こそ持ち前の強打でライバルを慌てさせ、地元の観衆を沸かせたウォードリー。しかし回を追う毎に、ガードを固め、左右のパンチを振るう基本に忠実な豪州人のボクシングに後手、後手に回されていきます。中々反撃の糸口を見いだせない英国人。ポイントも毎回失っていき、9回終了時には0対3(82-89x2、83-88)で大きくリードを許していました。
会場の観衆も、テレビ解説者を務めた元世界王者カール フランプトン(英)もあきらめムードだった10回半ば、右の相打ちで、絵にかいたような一発逆転劇を演じてしまいました。「これぞ正にヘビー級!」といった試合内容で世界のベルトを手にしたウォードリー。早期のレギュラー王者との対戦が望まれます。
敗れてとはいえその実力が世界トップレベルで通じる事を証明した元OPBF王者。近い将来にまた大きなチャンスが訪れるのではないでしょうか。
*暫定ながらも3人もの暫定王者が君臨しているヘビー級戦線。2025年6月19日現在の同級のたちは下記のようになります。
WBA(スーパー):オレクサンデル ウシク(ウクライナ/防衛回数4)
WBA(レギュラー):クブラト プーレフ(ブルガリア/0)
WBA(暫定):ファビオ ウォードリー(英/0)
WBC:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/1)
WBC(暫定):アジット カバイエル(独/0)
IBF:ダニエル デュボア(英/1)
WBO:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/4)
WBO(暫定):ジョセフ パーカー(ニュージーランド/1)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:ウラジスラフ シレンコ(ウクライナ/0)
日本:空位
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