キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ピエール・ブレを訪問

2008年10月24日 | Weblog
昨日10月23日はジュブレ・シャンベルタンのドメーヌ二軒を訪問試いたしました。午前中に村の畑の中を歩き回り、街道沿いのピエール・ブレに着いたのが11時、ジャン・クリフトフにシャンボル・ミジュニーのセラーへ連れて行ってもらって、プレスをしているところを見学いたしました。小さな解放式の木桶で赤ワインの発酵が行われ、終盤を向かえた桶からフリーランを抜いて、残ったステムと果皮をバケツに掬いプレス機に放り込んでプレスジュースを取るわけですが、今年は収穫が遅かったおかげでその作業を見ることができました。近頃ではアルコール発酵は自動温度調節付きのステンレスタンクで行われることがほとんどで、このように人間が多く絡んだ作業を見ることは稀です。随行の佐和さんにとっては始めてみる光景で、人間とワインの密着した関係に感じ入るところがあったようです。

白は樽からムルソー、シャサ-ニュ・モンラッシュ、バタール・モンラッシュ、赤は桶からシャンベルタンなどの試飲をさせていただきましたが、ここの特徴のフィネス・エレガンスが既にこの段階から感じられ、ここまでの工程の中に彼らのワインの特徴を決定付ける要因が隠されているようです。

今年ピエール・ブレでは行動の向かい側に、軽食を取りながら試飲が出来るラ・テーブル・ド・ピエール・ブレをオープンしましたが、昼はそこで軽食をいただきながら6種類のワインを試飲いたしました。料理はパセリ入りのハム、牛の赤ワイン煮ブルゴーニュ風、チーズ4種、フルーツサラダ、珈琲のセットメニュー一つだけで、通常のお客様ですと、それに試飲するワインの種類と本数により価格がセットされております。チョイスが出来るのがワインのほうで、料理は付属になっているわけです。ジャン・クリストフのお父さんが同席され、四人で試飲をしながら食事をすすめました。食事はジャン・クリストフの娘さんのジャンヌがサービスしてくれました。三代に渡る接客をしていただいたわけです。ワインはブルゴーニュ白2006、ボーヌ1級レ・エペノット2006、クロ・デ・ラ・ジャスティス2004、一級レ・シャンボー2002、一級カズティエ2000、シャルム・シャンベルタン2001、シャンボル・ミュジニ97、最後にマール・ド・ブルゴーニュ35年物をいただきました。ボーヌ、シャンボー、シャンボル・ミジュニーが初めての畑で、他はヴィンテージ違いを飲んだことがあるワインでしたが、今までのここのワインを飲んだ経験を総合して、2001,2002というヴィンテージが今飲むのにいいヴィンテージだなあということと、カズティエの隣の畑のシャンボーという畑が随分と異なるワインで、酸化して官能的な表情を見せているように感じ興味を持ちました。

試飲の後ジャン・クリストフがシャンボーの畑を見せてくれましたが、周りを土手に囲まれた非常に狭い区画で、年産450本程度とのことです。北側の石垣のところに食事等に使われた狭い地下室があり、とても印象的な畑でした。

最後にジュブレ・シャンベルタンのセラーのほうで、樽からの試飲をいたしました。白は2007年で、オークセイ・デュレス、ペルノ・ベルジュレス、シャサーニュ・モンラッシュ、シャサーニュ・モンラッシュ・モルジェ、ムルソー・シャルム、コルトンシャルルマーニュ、バタール・モンラッシュ。赤は2006年で、ヴィルネイ、アロースコルトン、サヴィニー・レ・ボ-ヌ、マジ・シャャンベルタン、エシェゾー。2007年で、ジュブレ・シャンベルタン、クロデラジャスティスの二種類のキュヴェ、カズティエ、シャンベルタンでしたが、個々のワインのコメントは長くなるので控えますが、この中で特にマジ・シャンベルタンに強い印象を受けました。また、すべてのワインがこの蔵の特徴を示しており、アルコール度数を高くしないことでアロマの広がりを失わないようにしていること、テロワールを表現すること、フィネスがあり、エレガントなワインであることというドメーヌの方針が見事に反映されていると思います。日本でもマニュアル人間が未だ幅を聞かせているものの、自分の舌でワインを評価できる人が増えてきているので、このスタイルが広く日本に受け入れられることは間違いなく、多くの日本人がここのワインを楽しんでくれると良いなあと思います。
コメント
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