キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

パリに到着

2008年10月21日 | Weblog
無事パリの到着いたしております。成田パリの席は奮発してエキストラチャージを払い、ビジネスクラスにグレードアップしたため快適でした。体を労わらないといけない年齢に達しているので、出費は痛いのですが確かに楽でした。体が水平になって休めるのが何よりですし、椅子そのものが広くてすわり心地が良かったですね。

食事は最初がビンチョウ鮪とクロ鮪の燻製、海老サラダ、メインが牛フィレのソテーディアープルソース、ポテトグラタン、さやえんどう、人参添え、デザートがヌガーはニームース、フルーツのタルトレット。当然機内食ですから美味いというわけには行きませんが、高度1万メートルでいただくフレンチに価値があります。ワインは食前酒にデュヴァル・ルロワの1級シャンパーニュ、前菜にはジョゼフ・デュルーアンのサンヴェラン2006、メインにはサンテステフのクリュ・ブルジョワ、シャトールクロック2004でしたが、シャンパーニュは果実味と酸が鮮やかで好感が持てました。サンヴェランも厚みがあるスタイルで美味しくいただきました。
食後酒が中々のもので、デラマンのXO、グランシャンパーニュ1級クリュとありましたが、コニャックの掴む感じと余韻が素晴らしかったです。アルマニャックはカスタレードのオルダージュでデラマンに比べると、最初広がりと繊細さが無いように感じましたが、時間がたって開いてくると見劣りすることも無く、ふくよかでアルマニャックの特性をアピールいたしました。さすがカスタレードでした。カルバドスもついでにいただき、メーカーは失念いたしましたが、オルダージュでしたので、リンゴの香りがいっぱいに広がりとても楽しめました。食後酒が効いたのか、水平なベッドが功を奏したのか、実の良く眠ることが出来ました。

飲んで食べて寝ていただけのようですが、それでも木田元さんの「哲学は人生の役に立つのか」を読了し、あの方はハイデカー、メルロ・ポンティー研究で高名ですが、若い頃海軍兵学校で終戦を迎え、家族を養うために闇屋をやっていたり、農林専門学校から東北大へ進んだりで、回り道の半生を歩んでおられ、僻みかもしれないがと断っておられますが、回り道をすることを推奨しておられます。また、若い人達に言えることがあるとすれば、面白いと思ったことをやれば良いとの事で、私も若い頃に木田先生の謦咳に触れることが出来れば良かったのになあと残念です。この年まで意に沿わないことばかりやってきて、人に誇れるようなことが成されておりません。好きなことを突き詰めなかった事が大いに悔やまれます。
コメント
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