



四月の雪の日。あの日、あたしは生き返らなかった。その夜、シェアハウスで開かれたパーティで、いったい何があったのか?悪意と嫉妬、自由と不自由―小さな染みがじわじわ広がり、住人たちは少しずつ侵されていく。ミステリー&恋愛小説。






樅木照はもう死んでいた。この前、そのことに気がついた。
これ、照本人が気がついたの。
それから照が暮していたシェアハウスBハウスの住人たちのお話が始まる。
いちいち惹かれるお話から徐々に照がどうして死んだかがわかってくるのだけれど、犯人探しのお話ではないのよね?
照が九州の実家に帰ってみると、仲のよかった両親が・・・子供に先立たれるのって・・・自分が死んだほうがずっと楽だと思う。なんかこみ上げちゃった。
死んだことなんか気にしてなさそうだったし、ずっと死んだように生きていた!って言っていた照が、最後の最後に死にたくなかったって・・・
「もっと生きているように生きているべきだった。死んだときにがっかりするくらい」
って・・・ずっと浮遊霊であちこちふらふらしていた照が言った。
初め、なんだ?この話!って読んでいたけれど、途中からぐいぐいひかれて読んでいた。
そして最後にこの言葉があった。
