



もし、あの人と結婚していなければ。別れていなければ…。仕事を続けていれば。どんなふうに暮らしたって、絶対、選ばなかった方のことを想像してしまう。6人の「もし」を描いた傑作小説集。

「もうひとつ」
「月が笑う」
「こともなし」
「いつかの一歩」
「平凡」
「どこかべつのところで」
もしあの時あんなことをしなければ・・・もしあの時あちらを選んでいたら・・・もしあの時・・・
そんなことは山ほどある。
思い出しても仕方のないことだけれど、ふとした時に、あの選択は間違いだったのでは・・・
もちろん、その選択は間違いであった!と確信に満ちた後悔もある。
たとえば、あっちの駐車場は混んでいるから今ここで止めたほうがいいよ!車を止めて歩いて行ったら、目的地近くの駐車場はがらがらでしかも安かった!
もしあの時あのおじさんの言うことを聞かずに奥まで行っていたら、小さかった息子たちがぐずることもなく、楽しく過ごせたんじゃないか!
なんて、ちっこい事は結果がすぐわかるけれど、一生における選択となると、死ぬときまでわからない。もしかして、死んでもわからないかも

読み終わって・・・そうだあの時!をたくさん思い出してしまって、こ、こんなにあったのね?と、ぞっとした。
「平凡」
自分を捨てた男を呪っちゃったから・・・
呪ってどうにかできる力があるのなら呪っちゃダメよ!と思うけれどただ呪うだけなら実害ないし、それですっきるするならいいんじゃない!って思う人。呪っているうちに忘れるから・・・
白装束で頭にロウソクおったてて手には藁人形・・・なんて事はちょっとどうよと思うけれど・・・
どれもこれもイッキヨミ!
「どこかべつのところで」
ぴょん吉みつかるといいな~
