内容紹介
遺影専門写真館を舞台にしたミステリー連作
『人生の最期に最愛の人へ最高の自分を贈るために』
巣鴨の路地裏に佇む遺影専門の雨利写真館には、今日も死に向き合う人々が訪れる。撮影にやって来る人々の生き様や遺された人の人生ドラマを若手注目ナンバー1新進気鋭のミステリー作家・芦沢央が見事な謎解きで紡ぎ出す。
人生の終焉を迎える時、人は、本当に大切な物が見えてくる。
ミステリー、なのに心温まる珠玉の4編。
一つ目の遺言状 ハナの祖母の遺言の謎。そこには驚きの仕掛けが。
十二年目の家族写真 母の死を巡り、父と息子の葛藤の日々が始まる。
三つ目の遺品 写真館に遺された一枚の写真。そこに写る妊婦は?
二枚目の遺影 末期癌を患う男性が撮った二枚の遺影写真。
読書備忘録
「一つ目の遺言状」
ハナは不倫、奥さんがいるのを知らなかった。ヤナ男だ!仕事までやめちゃったのにね。
祖母が亡くなり遺言状を開けたら、長女の母には遺産が書いてなかった。
仕掛けが、え?そんなの知らなったら捨てちゃうじゃないの!というのが分かったのが、祖母が遺影を撮った巣鴨の雨利写真館。そして雇ってもらってお話は続きます。
「十二年目の家族写真」
孫は色覚異常だったのじゃないか?と・・・
それで、お母さんのことがわからなかったのね。
雨利写真館は教会の懺悔室のようなもの。そっか・・・
「三つ目の遺品」
終活をテレビで放送するからと雨利写真館にやってきた横柄なディレクター
そのおかげで、写っている妊婦の娘が真実を知る。
「二枚の遺影」
夫はガン。遺影を撮った。
夫婦と子供と二種類ね。
事情が分かってこれからは親子二人、穏やかに過ごして欲しいな。
そ!あの時の写真ね。
用意しておかないと残された方が大変な時に大変。
夫婦で撮っておこうかなー、ちょっと離れて。そうすれば一人一人の時ともしかして一緒だった時と便利に使えるから。
終活を騒いでいるだけで大したことはしていない今日この頃・・・反省。
★★★★☆