



ただただ無心に漏れ来る光の林よ
昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野がやって来た南九州のとある島。山がちなその島の自然に魅せられた彼は、踏査に打ち込む――。歩き続けること、見つめ続けることによってしか、姿を現さない真実がある。著者渾身の書き下ろし小説。

何が始まるんだろう?とわくわく読み始めたら・・・雨坊主
ユタとかノロに当たるのかモノミミさん・・・
海うそって何?地図には書いてあるけれど・・・この島の人たちがニホンアシカをを呼ぶときの名であるはず・・・だが・・・地図に書いてあるからね。
で、海うそ・・・みえたっ!
不思議と情景が浮かんで秋野、梶井のあとを追っていた。かつて修験道の霊山があった場所、ちょっと声なんか聞こえて怖かったけれど・・・今どこに居るの?と地図を見てしっかりついて行った。
なのに最終章の五十年の後で・・・
色々残念な事があったけれど、五十年経っても海うそは昔のままにあった。
読み終わって余韻を引きずりながら、いつものようにわからんちんな備忘録を書いています。
また良いお話に出会えました。
「そういえば、友人に、母親の握り飯以外の握り飯は食えない、というやつがいたなあ」
それだけでそんな難しい話になるのね。
私の知り合いにもいた。覚えているだけで男一人、女一人と・・・
あのお母さんが作ったのはいやだなあーって子もいた。内緒で言われたけれど、私はそのとき変な子と思ったことを覚えている。今なら、そうなんだぁ~と言える。大人になったからね。と変なところに食いつきました。
