帰省してます

  連休を利用して実家に帰省しています。

  昨日は紅葉見物をしに山へ行ってきました。ところが、去年は見事な紅葉だったのに、今年はどうも遅れているようです。一部の木々の葉は鮮やかな紅や黄色になっていましたが、ほとんどの木はまだ緑色か、緑色からそれぞれの色に変わる途中のぼんやりした色でした。

  そういうわけで、カメラを持っていったのに、今年はいい紅葉の写真が撮れませんでした。まあ自然のことですから、こんなこともあります。

  ですが、帰省するときに乗った新幹線が、谷間を走って「山越え」をするときに通るところの山々は、見事な紅葉で壮観でした。三角形の大きな山々の斜面が、紅や黄色で塗りつぶされている様には圧倒されます。

  今年も兄は私のために自分の誕生日のケーキをとっておいてくれました。今年は兄の誕生日からすぐ後に帰省したので、去年や一昨年のようなことはあるまい、と思っていました。ところが、食べてみると生クリームの味がどうもおかしい。さりげなく腐りかけの味がします。

  それで母に「このケーキ、いつ買ったの?」と聞くと、「昨日だよ」とのこと。私は「なんかクリームの味がおかしいよ。古いケーキを売っている店なんじゃない?」と言いました。すると、母はとんでもないことを言いました。「あら、やっぱり冷蔵庫に置いといたほうがよかったかしらね。」

  私がびっくりして「冷蔵庫に置かなかったの!?」と言うと、母は平然と「だって最近寒かったから、部屋の中に置いといても大丈夫だと思ったんだもん」と答えました。私があ然としていると、母は追い討ちをかけるように言いました。「大丈夫よ、お腹を壊したら、わるくなってた、ということだから。なんにもなければそれでいいじゃない。」 まったく理屈になってません。私は本当にこの家の子なのでしょうか。

  昨日の夕食はおでんでした。関東と関西ではおでんの汁の味も具も異なるそうです。私の実家のおでんの特徴としては、タコの代わりにイカが入っていることでしょう。

  昔は疑問に思いませんでしたが、今回はふと気づいて母に聞いてみました。「タコじゃなくてイカを入れるのって、このへんはみなそうなの?」 母はなぜか私と目を合わせずに、「タコはイカよりも高いから」と小さくつぶやくと、継ぎ足して言いました。 「でも、タコよりイカのほうが味が出ておいしいのよ。」

  私は長い間、「すきやき」の肉といえば豚肉と思っていたのですが、それと同じことだったわけですね。我が家が貧乏だったころの代替策が、今は伝統と化していたのです。

  ついでにいえば、にんじんもあまり昔の食卓には出ませんでした。これは、おそらく母が大のにんじん嫌いであったためと判明しました。

  たとえばカレーを作るとき、私はにんじんが好きなので1本は使います。ところが、実家でカレーを作るときに、母に食材を手渡してもらうとします。そうすると母が取り出してくるのは、なんとにんじん4分の1かけら(しかも先っちょのほう)だけなのです。

  「これじゃ少ないでしょ!」と私が抗議すると、母は渋々と1本のにんじんを差し出してきます。私がにんじんを切っている間も、「1本ぜんぶなんて多すぎな~い?」とぶつくさ言ってます。本人はかたくなに否定しますが、母の「にんじん嫌い」疑惑は極めて濃厚です。

  話は変わります。「レッドクリフ」は週末のせいもあって、行列ができて立ち見が出るほど大盛況なようですね。ヤフーのレビューを見ると賛否両論で、まあこれはどんな映画でもあることでしょう。

  その「レッドクリフ」、どうも字幕版だけでなく日本語吹き替え版も上映されているようです。子どもも観ることを想定しているのでしょうか?アクション・シーンが多くあるようなので、教育上あまりよくないと思いますが。

  でも、字幕よりは日本語吹き替えのほうが、この映画の場合は有効だと思います。時代劇に使われるような中国語は、日本語の字幕の字数制限内にほとんど収まりきらないだろうからです。いっそ日本語吹き替えにしたほうが、もともとのセリフの意味をより細かく表現できると思います。

  その俳優の生の声を聞きたい人は字幕版(北京語版)を観るでしょうが、主役のトニー・レオン、それからなんと金城武の北京語も他人による吹き替えのようだと知って驚きました。

  金城武については、たとえ話せるとはいえ、少なくとも日本語は彼にとって「母語」ではない、と私は思っているのですが、北京語はどうなのでしょう。

  金城武の経歴を見ると、彼の北京語とは台湾の北京語らしいです。もし金城武の北京語も他人による吹き替えならば、大陸(中華人民共和国)側の意向でそうなったのだろうと思います。

  というのは、台湾の人が話す北京語には、聞けばすぐ分かる発音上の特徴があります。もちろん俳優ともなれば、そうした特徴を「矯正」するのですが、それでもある程度は残ってしまう人が多いように思います。金城武もそうなのだとしたら、おそらくそのあたりが、大陸のお偉いさんたちのお気に召さなかったのでしょう。

  「金城武の北京語も吹き替え」説については、今週末にでも「レッドクリフ」を観て、自分で確認してきます。

  こういうことを考えると、故レスリー・チャン(トニー・レオンと同じく、香港の超有名俳優)は本当に優れた俳優だったと思います。大陸の監督が撮る映画に次々と出演し、彼の北京語は吹き替えなしで上映されたのですから。
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