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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

真剣に考えないから

2015年01月28日 16時03分41秒 | えいこう語る

▼マグロといえば、大間と戸井という地名が先行するが、私の場合は、マグロといえば「マグロ→大間→原発→第五福竜丸→ゴジラ」と連なる。なぜなら、私が住んでいる所は目の前が津軽海峡だからだ。1954年(昭和29年)米国はビキニ環礁で水爆実験を行った。広島原爆の1000倍だというから、開いた口がふさがらない。第五福竜丸は、その海域でマグロ漁をしていて被爆した船だ。

▼ 私が6歳の時だが、漁村に住んでいたので、子供にとってあまり関心を持つ事件ではなかったが、第五福竜丸という船名と、マグロ船だったというのは記憶している。さらにその年は、洞爺丸台風だったので、実体験の恐怖の年として、洞爺丸と第五福竜丸が、共に船の名が付いていたので記憶に残ったのだろう。この事件をきっかけに、放射能を浴び巨大化したゴジラの映画がつくられたというのも、記憶の大きな要因だ。

▼ 田舎の映画館。筵が敷いている座席のいちばん前で画面にかぶりつく。ゴジラがあのテーマ音楽にのって海から現れる。子供たちは思わずのけぞったものだ。どれほどゴジラの出現の場面を、夢で見たか知れない。水平線を眺めているだけで、ゴジラを連想するくらいだったからだ。

▼ 相変わらず前置きは長くなったが、昨夜、第五福竜丸展示館の学芸員である、市田真里さんの講演会に出席した。

学芸員とは、単なる歴史の事実を忠実に伝える仕事ではなく、その背景にある、隠された事実を解明し、それを後世に伝える役割だということを実感した講義だった。

▼当時、原爆マグロで価格が暴落し魚が売れなかったのは言うまでもない。その頃に、魚肉ソーセージが大ヒットしたのだ。私たちも子供時代随分食べた。安いマグロを買い上げたのが“東洋水産”や“マルハ・ニチロ”だという。その頃の欧米列強の世界中での核実験は、相当な数だ。地球が放射能汚染に晒されたのだ。

▼ アイゼンハワー大統領の国連演説「原子力の平和利用」の呼びかけで、原子力発電所の開発が進められる。札幌の「マルイ・今井デパート」で「誰にもわかる原子力展」を開催したという新聞記事も見せてもらった。我が国の原発推進の立役者は、読売新聞社主の正力松太郎だが、メディアばかりではなく、デパートまで国策に協力していたというのは驚きだ。

▼ 先日、函館市内のこのデパートの前で「大間原発建設反対署名」を行ったが「丸井さん」と、さん付けで函館市民に親しまれたデパートの歴史の一端を垣間見たのは、ちょっと刺激的だった。私はこのデパートの、昔からのこのセールス・ポイントが好きだ。「贈り物に真心を込めて」だ。この名誉回復?のため「大間原発反対・福島第一原発事故の真相展」など、開催してもらいたいものである。

▼ 2時間近くの講演は、内容が充実したものだった。終了後感想を聞かれ私はこう答えた。「今晩、酒を飲む予定だったが、この講演は数百冊の本を読んだ気持ちだ。一番心に残った言葉は、第五福竜丸の乗組員、大石さんの言葉だ。全国各地での講演の中で“原発は事故が起きると原爆と同じだというが、それを『みんなが真剣に考えないから』と」。

▼学芸員の市田さんも、大石さんの講演を聞いていたそうだ。その2週間後、福島第一原発が爆発したという。