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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

経済成長とは何か

2015年01月06日 10時47分37秒 | えいこう語る

▼ 友人から借りた、平川克美著「移行期的混乱」という本を読んでいる。副題は「経済成長神話の終わり」だ。私は戦後生まれで、今日まで67年ほど、我が国の経済成長下で暮らしている。だから戦後70年という中で起きた様々な事象が、高度経済成長の中での、歪みから発生したのではないかと、近年、自問自答し始めている。この筆者も私より2歳年下だが、そんな視点で日本の行方に警鐘を鳴らしている。この本に私などの解説はいらない。まずは読むべきことをお勧めしたい。

▼ 戦後の高度経済成長は、新幹線という高速経済車に乗ったまま、途中下車を望まなかったのが我が国だったのではないか。その高速車ゆえに、日本の原風景(社会そのもの)も、見捨ててしまったのではないか。地方にも新幹線が走ったのもあるが、それは首都圏に人口も経済も集中させる、交通手段ではなく経済手段であったのではないかと今になって思う。私が半世紀遅れの北海道新幹線に対し、なぜか心が傾かないのは、そんな理由かもしれない。

▼ 首都圏は、新幹線を上回るリニアモーターカーで、超高速経済を走ろうとしているのではないか。立ち止まる事を知らない我が国に、どんな風景が待っているのだろうか。オリンピックの為に建てかえられる新国立競技場。その建物に象徴される未来都市に東京は変身していくのだろうが、人々の心は昭和20年当時の、空虚な心になっているのではないだろうかと、あらぬ連想をしてしまう。なぜなら「砂漠のような東京」という歌の時代を、実感してきた世代だからだ。そう考えると、北海道には新幹線が、無用ではないかとも思ってしまうのだ。

▼経済成長神話の牽引役は電力だ。豊富な電力が経済成長のエネルギーの素なのだ。経済成長を推進する勢力は「原子力ムラ」だ。このムラ社会が巨大な勢力なので、神話を維持し続けるのだ。原発をすべて止めさえすれば、もしかして日本は立ち止まることができ、忘れ去った日本の大切なものを、取り戻すことができるかもしれない。私はこの本を読み、自分の読解力が貧しくて、何もこの本のよさを伝えることができないが、脱原発が正常な日本人の姿を取り戻す、第一歩であるということを感じた。そのことは述べておきたい。