goo blog サービス終了のお知らせ 

函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

久しぶりで大学生

2013年11月11日 09時21分21秒 | えいこう語る
先日、函館デザイン協議会設立20周年記念講演が、公立はこだて未来大学であり出席してきた。
大学は函館市内を見下ろす郊外の丘の上にあり、ガラス張りで開放感あふれた建築物だ。
空間をコンセプトにデザインした、学生の限りなき可能性を引き出す、そんな印象を強く持たされる設計だ。
※大学内部。


講師はJR九州「ななつ星in九州」などを手がけた水戸岡鋭治氏と東急ハンズトラックマーケット等を手がけた北山孝雄氏だ。
北山氏は建築家安藤忠雄氏の、双子の弟だそうだ。一目見てそう感じた。
両氏の情熱あふれる講義に、心が洗われる。
普段田舎生活をしているが、私の教授は自然だ。
しかし、自然は言葉を発しない。だから、自然が無言で語るものを、自分の心の中で解読する作業が必要だ。
この作業がのほほんとした環境では、急激に鈍ってくるのだ。
そんな時に、思考の先端を走っている方の講義を受ければ、我が鈍った感性も、学生のごとき若さを取り戻し、覚醒するのである。
北山氏は前回の東京オリンピックの日本は、すごい創造力があったが、現在は創造力の低下があるという。
函館の街の印象を聞かれると、函館空港はデザインが悪すぎて、フライトぎりぎりまで空港に行きたくないと手厳しい。
水戸岡氏は「デザインは公共のため」といい、まちづくりは市民がレベルアップし、感性のある人が多く住むことだという。
さらにトップの決断が、重要だとも話していた。
以前、デザインを担当する方からこんなことを聞いたことがある。
「いくら優れたデザインでも、議会の承認を得なければならない。採用をしてもらうためには、そのまちの議員のレベルに合わせたものを提案するしかない」と。
トップや議員を選んでいるのは、住民である。
住民がレベルアップするような文化政策も大事かなと思う。
しかし経済が落ち込むと、減らされるのは文化予算だ。
最後に、未来大の学長が、大学の印象を講師に尋ねた。
「この大学はすばらしいデザインだ。だが、街中から隔絶されている。学生は街で暮らし街から学ぶ。学校が終わりわずかな距離でアルバイトに出かける。そこで社会の仕組みを覚える。都会でも大学の多くは郊外に引っ越したが、今戻ってきている」という。
函館も新幹線の到着を目前にし、市街地の振興政策が盛んだ。
市立病院や図書館や大学が駅周辺にあり、そこが緑の多い地帯であったら、また人々はそこに集まってくるのではないかと、ふと思う。
2016年の北海道新幹線開業、そして、2020年東京オリンピック。
講演のメインテーマは「創造の力をデザインに」であった。
この催しをしていただいた、協議会会長のWさんに感謝したい。