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沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Sep_02】子どもたちは未来のように笑うby宮沢章夫

2016-09-06 | ACT!
遊園地再生事業団+こまばアゴラ劇場
子どもたちは未来のように笑う
作・演出/宮沢章夫

初日観劇〜!

出演/上村 聡 松田弘子 長野 海 鄭 亜美 黒木絵美花 藤松祥子 大村わたる 小寺悠介 大場みなみ

音楽/杉本佳一
舞台美術/濱崎賢二
照明/富山貴之
音響/泉田雄太
衣裳/正金 彩
舞台監督/中西隆雄
宣伝美術/相馬 称
絵/はっとりさちえ
演出助手/山本健介
制作/赤刎千久子 有上麻衣


3月のワークインプログレス(WIP)の時に、
演出をされた宮沢さんに「多摩美つながりです」と自己紹介をし、
舞台撮影してます〜とアピールしたら、
「じゃあ撮ってよ」という話になり、
社交辞令だよなぁ…と高をくくっていたら、実際撮ることになった本作品。

もうそれだけでも、その巡り合わせに感謝したいのだけど、
『子どもたちは未来のように笑う』というタイトル通り、
宮沢さんの未来に向けたメッセージが詰め込まれた、
とても奥深さフトコロの深さがある作品なの…です。

WIPの時点で、すでにそれぞれのエチュードが組み上がっていて、
もしかしたら順序を入れ替えて、整えただけなんじゃないか?と疑ってしまうほど、
各プロットには見覚えがあるのだけど、
全体を貫く視点が加わったことで、見事なまでにストーリーが浮き上がっていて仰天した。

それは、出産前に羊水の検査で遺伝子の状態がある程度把握できてしまうがために、
「障害者」か「健常者」か
というレッテルを産む前に提示してしまう、現代医療に翻弄される若い母親の話。

相模原の事件から1ヶ月と、その波動が収まらない今だからこそ尚更、
この無神経な二択で「あちら」と「こちら」に分断されてしまう現代社会の、
その無思慮で浅薄な指向に、大きな揺さぶりをかけている。

随所に散りばめられた朗読劇がまた、
批評家宮沢章夫の複眼的視野を呈示しているようで、
「子を産むこと」という極私的経験がどれほど強引に
一般的な話題として「分かったような話」で語られているか…と、考えてしまった。

初日のアフタートークで、ままごと主宰の柴 幸男さんが
「子をつくり、子を産み、子を育む…という行為は、
どこまで行っても自分の経験以上の物事は、わからないものだと合点した」
といった
内容のコメントをしていたのを聞いて、なるほどな、と思った。

男と女の恋バナもSEXも、どれだけ経験を重ねたところで普遍的になり得るはずもなく、
だからこそ、相手への想像力こそが大事だという、至極当たり前の結論。

しかし、それを無思慮に安易なレッテルで分かったような話で片付ける。思考停止。

「ひとりの死は悲劇だが、100人の死は統計」じゃないけど、
早送りされる情報社会の中で、おざなりに結論づけようとする傾向が強すぎるわ、最近。

もっともっと本を読んで(過去に学んで)、
色んな人の話を聞いて(現代を生きて)、
コトバを交わすこと(未来を模索すること)でしか、
良い方向には進めないってコトを、この作品を観て、感じて貰えたら。

楽日25日まであと22ステージ。是非とも足を運んで欲しい!! のです!


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