#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Sep_30】7度『門』@鳥の演劇祭16

2023-09-30 | ACT!
【鳥の演劇祭16】
7度『門』@議場劇場。


町役場の議場を劇場にした中島さんも斬新だけど、
全記さんの別役実初期作を様々に考察&カタチにする演出力にも脱帽。
1966年岸田戯曲賞も獲って勢いに乗った29歳の作品。
満州生まれで戦中戦後の日本の暗部を掻い潜ってきた別役さんが、
高度成長する五輪後の浮ついた日本の門番として、
身体的傷みや死した同胞への思いを吐露する。

障がいを持って生まれながらも自由を渇望する女との対比が、
社会に屈服せず意思を貫くことの貴さ浮き彫りに。

全篇通して対話がすれ違うのは、戦中の人間不信がトラウマ化した孤絶な生き様故か。

生きている証拠を獲得しようと藻掻く公務員に、
現代人の「リア充」心理を投影したと全記さん。

それよりも「ポスト真実」によりレイヤー化した現実で、
見たいものしか見ない仲間内集団を解体することの難しさが、
個に固執する生き方に行き着く姿とも見えて、
連帯を疑った全学連世代の別役さんの残影が、
コロナ後も影を伸ばしていると思えた。

不条理笑えない。
対話しようと試みてるだけマシだけど。

【鳥の演劇祭16】

鳥取の廃町した地域で16回も続けてきたその耐力に低頭。
もちろん、地域に根付くための様々な葛藤や働きかけもあるけど、
「演劇」が何を齎すのか、そのリスペクトの醸成が一番必要なんだと思った。
過去に学ぶ姿勢…そう、学びを続ける姿勢が「演劇」の真髄。

#photobybozzo
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【Sep_29】戦前の文化祭 | TOP | 【Oct_05 】水始涸@晴れたら... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ACT!